履歴書における学歴の適切な記載法を網羅!イレギュラーな場合も解説

転職活動をにおいて履歴書は、書類選考はもちろん面接そのものをも左右する重要なファクターとなります。
履歴書を記載するときに、多くの人が書き方に迷ってしまうのは学歴の記載法です。記載のルールをすべて把握している人は珍しいのではないでしょうか。
この記事では、履歴書においての学歴の正しい記載法を網羅して解説します。また、イレギュラーな場合の記載法についてもわかりやすくまとめています。ぜひ参考にしてください。

押さえておくべき学歴記載の基本

履歴書の記載法でよく見られるミスが、いろいろとあります。たとえば学歴や職歴の年月の表記に、西暦と年号が混ざっていることなどです。
他には「修了」を使うべき大学院に卒業を使っていたり、あってはいけない空欄があったりなどもあります。
このように、学歴・職歴欄の記載においては押さえておくべき基本が、たくさんあるのです。学歴は転職活動での採否に関わってくる重要度が極めて高い情報です。
少なくとも記載法を間違わないようにしなくてはなりません。迷いやすい項目ごとに、詳しく解説していきましょう。

記載すべき学歴の範囲は?

学歴の記載範囲には、厳密な決まりはありません。転職活動の場合は、一般的に最終学歴よりひとつ前の学歴から記載します。
新卒の場合は、義務教育終了時点の中学校卒業からが一般的です。ただし、あなたの職歴が1社だけの場合は義務教育からで問題ないでしょう。2社以上になる場合は、高等学校からの記載が適切です。
義務教育は卒業年次のみを記載し、それ以降は「科」や「学部」「学科」まで記載するようにしましょう。
中途採用の場合は高校入学以降、入社した企業名や部署、退職した年月などを記入します。
さらに、職歴が多過ぎて行が足りない場合は、学歴を最終学歴に絞ることで、少しでも余裕が生まれます。

卒業年度の記載は慎重に

卒業年度は正確に記載しましょう。内定が出たタイミングで卒業証明書の提出を求められることもあります。
もし卒業年度を間違えていたとしたら、企業側は少なからず不信感を抱きます。
また、手書きで記入する場合は学校名の読み間違いを防ぐためにも読みやすい明確に記載することも大切です。

学歴・職歴記載の基本ルール

学歴・職歴欄には記載の基本ルールがあります。
1行めは枠の中央に「学歴」と書き、次の行から始めます。学歴を書き終えて職歴に変わるときも、同じく中央に「職歴」と書いて次の行から始めましょう。
学歴・職歴とともに、基本的には時系列順で記載します。いずれの名称も略語は使用せずに正式名で記載しなくてはなりません。学校名は学部・学科まですべて書きます。大学は「卒業」とし、大学院は「修了」と記載するのが正解です。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇大学〇〇〇学部入学
20XX 3 私立〇〇〇〇〇大学〇〇〇学部卒業
職歴
20XX 4 〇〇〇〇株式会社 入社
営業部に配属
〇〇ブロックの業績を倍増、現在に至る
以上

意外に間違われている最終学歴の意味

「最終学歴」が応募条件に関係してくる場合が、まれにあります。ここで注意すべきことは、最終学歴は「最後の学歴」ではなく、あなたが取得した「最も高い水準の教育機関」を指します。
「最終」という言葉から、勘違いしている場合が多いので注意しましょう。
つまり、大学院を修了後に大学の学部で学び直したケースでは、時系列は逆でも最終学歴は大学院修了となります。同様に大学卒業後に専門学校で学び直したとしても、最終学歴は大学卒業です。
履歴書の学歴欄の一番下に書いた学歴は、必ずしも最終学歴とは違うということになります。
また、短期大学と高等専門学校、専門学校は教育機関としてのレベルが接近しており、上位を峻別できません。よって名目上、それらは同等とされます。
かりにそれら3種類をすべて卒業している場合なら、最後に卒業した学校を最終学歴としておけばよいでしょう。
中途退学した場合は最終学歴として認められないので、それ以前の最も高い水準の学校が最終学歴となります。大学を中途退学した場合は、最終学歴は高等学校卒業です。
最終学歴にはならないにせよ、中途退学した事実を書くことに問題はありません。
特別な事情を抱えながら前向きに進んでいることを、選考でアピールすればよいでしょう。

虚偽の記載はNG!

まれに問題となる学歴詐称は、解雇や内定取り消しになりくらい重大な背信行為です。
中途退学を卒業とするケースだけではありません。留学が意外に多いのです。
。履歴書に留学と記載することが妥当とされるのは、正規留学あるいはを除けば1年以上の交換留学です。です。その場合も、交換留学であることが明確に分かる記載が必要となります。
また、1年以上の海外経験があっても、法律上学校法人と認められていない語学スクールなどは、通常は学歴にカウントしません。詐称するつもりがなくい場合であっても、、留学と記載すると虚偽の記載とみなされるので注意が必要です。

定時制や通信制の記載における注意

また、高等学校の定時制や通信制、大学の二部(夜間)や通信制なども、表記には注意が必要です。とはいっても、基本的に正式名称に従って記載すれば問題はありません。
つまり、「定時制」や「通信制」あるいは「二部」などが正式名称に含まれる場合は、それを省略すると学歴詐称を疑われかねないのです。
もちろん、正式名称にそういう部分が含まれなければ、わざわざその旨を記載する必要はありません。
ただし、企業の求人要件で通信制大学などが当てはまらないようなケースでは、いくら正式名称にそういう部分がなくとも、黙って応募すると後から問題になりますので、気をつけないといけません。

イレギュラーな場合の学歴記載法

学歴は必ずしも、順当に進んだ類型的なものばかりではありません。浪人や中途退学、あるいは留年やワーキングホリデー、海外留学などもあるでしょう。卒業校や過去の在籍企業の名称が変わることもありえます。
ここでは、そういったイレギュラーがあって記載法に迷ってしまう場合を集めて見ました。

学校学部学科名が長過ぎる場合の記載法

学校学部学科名のトータルが長過ぎて、一行に収まりきらない場合がまれにあります。こういうときは、二行に分けて記載して問題ありません。
枠内で無理に改行したり、文字を小さくして無理やり一行に収めたりはやめておきましょう。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇〇〇〇学部
〇〇〇〇〇学科入学
20XX 3 私立〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇〇〇〇学部
〇〇〇〇〇学科卒業

海外留学した場合の記載法

留学経験は語学力だけではなく、海外の文化に触れた貴重な経験なので、特に外資系企業を志望する場合にはアドバンテージとなります。
正規留学や交換留学は、グローバルな人材価値をアピールする好材料なので、ぜひ履歴書の学歴欄に、留学の概要を記載するようにしましょう。留学経験は語学力だけではなく、海外の文化に触れた貴重な経験なので、特に外資系企業を志望する場合にはアドバンテージとなります。
ただし前述のように、履歴書に「留学」と記載できるのは1年以上の正規留学あるいは1年以上の交換留学の場合です。をした場合が一般的です。
よって、短期留学や海外の語学スクールなら、変に誤解を招かないように正確に記載する必要があります。
むしろ、無理に学歴として記入記載せず、資格欄にTOEICのスコアなどで語学力をアピールした上で、面接時に海外経験をアピールしましょうするくらいが適切ではないでしましょうか。。

正規留学の記載法

正規留学と交換留学では学歴欄への記載方法が変わります。正規留学の場合は時系列で、留学前の学歴に続く形で留学先の内容を記載するのです。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 9 アメリカ合衆国〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇〇〇学部〇〇〇〇学科入学
20XX 5 アメリカ合衆国〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇〇〇学部〇〇〇〇学科卒業

大学名の書き方は、現地の言葉で書くとわかりにくいので、日本語表記が適切です。スペースが許せば、外国語表記を併記してもよいでしょう。
ただし、ハーバード大学のような世界的な有名大学であれば、外国語表記だけでも問題ありません。また、海外の大学も、日本の大学と同じように学部や学科を省略せずに書きましょう。

交換留学の記載法

交換留学の場合は、入学を記載した行の下の行に期間と国、学校名や交換留学した旨を記載します。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 9 20XX年6月まで英国〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科に交換留学
20XX 3 私立〇〇〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科卒業

ワーキングホリデー経験の記載法

ワーキングホリデーは学歴にはあてはまらないので、職歴として記載します。ただし、求人内容が英語と無関係であれば、あまり有効なアピールにはなりません。
仕業務と関連性がない場合は、無理に書かなくてもよいでしょう。とはいえ、職歴が少なくて空欄が目立つ場合には、バランス上記載しても問題ありません。

休学の記載法

休学した場合は、入学を記載した行の下の行に休学の理由を記載しておきましょう。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 10 20XX年6月までボランティアに参加するために休学
20XX 3 私立〇〇〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科卒業

転校・転入の記載法

学校の転校・転入があった場合は、入学を記載した行の下の行に転入先の学校・学科と転入学した旨を記載しましょう。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 4 私立〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇学部〇〇〇学科転入学
20XX 3 私立〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇学部〇〇〇学科卒業

編入の記載法

高等専門学校や短大、専門学校を卒業した後に4年制大学へ編入した場合、あるいは4年制大学在学中に他の大学に編入した場合は、時系列で記載しましょう。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇短期大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 3 私立〇〇〇短期大学〇〇学部〇〇学科卒業
20XX 4 私立〇〇〇〇〇〇大学〇〇〇学部〇〇〇学科編入学

中途退学の記載法

履歴書には中途退学した情報事実も、隠さずに書く必要があります。家庭の事情や病気療養などのやむを得ない理由でも、その旨をきちんと記載しておきましょう。
理由に関しては、多くの面接官が中途退学を疑問に思い、面接時に質問される可能性は高いのですが、家庭の事情や病気療養と記載されていれば、それ以上質問されることは少ないでしょう。などのやむを得ない場合理由や、、
学業以外にやりたいことができたとか海外留学や学業以外にやりたいことができたなどのポジティブな理由なら記載しても問題はないでしょう。
しかし、何か問題を起こして退学せざるを得なくなったなどのネガティブな理由であれば、無理にそれ以外の理由なら、履歴書に理由を記載しないほうが無難が無難です。
面接で理由を問われる可能性はありますが、その際は率直かつ簡潔に答えられるように回答を用意しておきましょう。
万が一聞かれた場合は、率直かつ簡潔に答えられるよう、回答を用意しておきましょう。
また、「中退」は略語なので記載する場合は「中途退学」と書くようにしましょう。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 3 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科中途退学(病気療養のため)

浪人や留年した場合

浪人や留年は記載する必要ありません。浪人期間中に予備校へ通っていたとしても、予備校名を書く必要もないのです。
留年した場合でも記載する必要はありません。通常どおり、入学と卒業の年月だけを書きます。

ただし、留年が長期におよぶ場合は、事情の説明を面接で求められる可能性があるので、答えられるようにしておきましょう。履歴書にスペースの余裕があれば、端的に理由を記載しておくのが望ましいです。

オリジナリティを感じさせる学歴欄の記載法

学歴・職歴欄に記載すべき内容に、細かい制限はありません。学歴・職歴欄では、あなたの培ったスキルや経験などの、オリジナリティをアピールする事も可能です。
他人には真似できないスキルや得難い経験がある場合は、遠慮せずに記載していきましょう。

資格取得の専門学校やビジネススクール

あなたのスキルをアピールできるものは、積極的に記載しましょう。会計士などの特別なスキルを身につけるために専門学校に通った場合には、記載する事がプラスに働くかも知れません。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 3 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科卒業
20XX 3 学校法人〇〇〇〇〇専門学校○○専修コース修了

卒業論文のテーマを記載

卒業論文のテーマや専攻、研究のテーマが応募企業の分野に関連する場合は、ぜひとも記載しておきましょう。
たとえば住宅関連の企業に場合に、以下のような論文ならアピールできます。

学歴・職歴(格別にまとめて書く)
学歴
20XX 3 〇〇〇立〇〇中学校卒業
20XX 4 〇〇〇立〇〇高等学校普通科入学
20XX 3 〇〇〇立〇〇高等学校普通科卒業
20XX 4 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科入学
20XX 3 私立〇〇〇大学〇〇学部〇〇学科卒業
(卒業論文 「少子高齢化時代と住宅問題」)

まとめ

転職活動での、履歴書における学歴の正しい記載法やイレギュラーな場合の記載法について、できるかぎり網羅して解説しました。
個々のケースで記載のルールがあるので、履歴書の作成には慎重に取り組む必要があります。また、通常の学歴以外のスキルや経験も、アピールできるものは記載することでプラスになることもあります。
転職面接に励むみなさんは、ぜひ参考にしてください。

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