エンジニアのタイプは7種類?タイプ別のキャリアプランと必要スキル

今後の産業やビジネスに欠かせないデジタル技術を担うエンジニアは、人材不足で需要も旺盛なので転職の選択肢として考えている人が多いことでしょう。
そのエンジニアの職業は一般職とは違う点も多く、それも手伝ってか個性的な人が多いといわれています。
この記事は、そんなエンジニアをタイプに分類することにより、エンジニアへの転職を考えているみなさんが、それぞれどのタイプに属するかを考えていただくためのものです。
その上でそれぞれのタイプから想定できるキャリアプランや、それに必要なスキルなどを参考として紹介します。

エンジニアのタイプは7種類に分かれる?

エンジニアに関するさまざまな情報や、実際のエンジニアの人たちの言動なども考慮した上でタイプ分けを試みたところ、7種類のタイプに分かれることがわかりました。
比較的割合が多いと思われる代表的あるいは典型的な3つのタイプがあり、少数派と思われる、個性がより強い4つのタイプがあります。
以下は合計7タイプの内訳です。

【エンジニアの代表的な3タイプ】

  • クラフツマンタイプ
  • 技術屋タイプ
  • サラリーマンタイプ

【個性がより強い4タイプ】

  • インフルエンサータイプ
  • 実業家タイプ
  • 研究者タイプ
  • 問題提起タイプ

ここからは、それぞれのタイプにフォーカスしてみましょう。

エンジニアの代表的な3つのタイプ

ではおそらく人数的には多いと思われる3つのタイプについて、それぞれに目を向けていきます。

1.クラフツマンタイプ

このクラフツマンタイプは、いわば「ものづくり」を心から愛する人たちです。

何かを作るのが好きであり、厳密には「作ること」にこだわるエンジニアと、作る「モノ」が好きなエンジニアがいます。
良質なものを手際よく作りたいと思っていますが、どういうアプローチで作成するのかという方法論にこだわるというよりは、楽しさや面白さややりがいを重視しているようです。
また、どのようなプロダクトを作るのかによって、仕事へのモチベーションが変化します。テクノロジーは自分自身がやりたいことを形にするための「手段」であり「ツール」であると考えているようです。
ビジネスセンスを持ち合わせた人や、行動力がある人も多くて、いくつかの「得意」を武器に仕事に取り組む人も見られます。

このタイプは成果物を世に送り出すことで世間やクライアントからのフィードバックを得ることにより、よりいっそうモチベーションを上げて、前向きに技術の習得に向かえるでしょう。

クラフツマンタイプのキャリアプランと必要なスキル

ものづくりを愛するクラフツマンタイプのエンジニアのキャリアプランとしては、そのクリエイティビティを活かせる「開発系エンジニア」の方向性が選択肢として考えられます。
開発系エンジニアの仕事は、クライアントやユーザーが望むシステムやソフトウェアなどを実際に開発して製品化する一連の流れに携わるものです。

開発系エンジニアを細分化すると、以下のような職種があります。
●システムエンジニア
●プログラマー(コーディングだけする場合は「コーダー」)
●データベースエンジニア
●IoTエンジニア
●フロントエンドエンジニア
●マークアップエンジニア
●バックエンドエンジニア
●テストエンジニア
●ブリッジSE
●制御・組み込みエンジニア

開発系エンジニアに求められるものは、プログラミングスキルだけではありません。開発には数多くの人が関わるため、コミュニケーションスキルも求められます。
また、現場やプロジェクトを取りまとめるリーダーやマネージャーの方向性を視野に入れると、ビジネススキルやマーケティングスキルも必要です。

2.技術屋タイプ

この技術屋タイプは、目新しい技術や面白い技術、話題になっていたり注目されていたりする技術に強く興味を惹かれるエンジニアです。

イノベーターの資質を持ちつつも、「新しい物好き」の傾向が見受けられます。
また、技術自体が目的であり、技術好きが昂じてその延長線上でエンジニアになったようなタイプです。
ほかのタイプのエンジニアたちと評価基準がかなり違っていたりするので、ともすれば行き違いが起こることもあります。
前述のクラフツマンタイプは何を作るかで仕事へのモチベーションが変化しますが、技術やタイプは採用する技術によって、仕事へのモチベーションが変化するようです。
オフタイムのプライベートでも楽しみながら技術を触っているので、技術面に関してはとても頼り甲斐があります。

根っからの技術好きゆえの弱点と強化法

一方、技術以外に興味が薄いので、人との交渉ごとや目立つ立場になることは苦手な場合が多いようです。
技術屋タイプは、技術を本当に持っている前提であれば、基本的に興味を持てる仕事に関してはタスク管理やコミュニケーションに大きな問題がないかぎり、充分に力を発揮できるでしょう。
たとえ対人コミュニケーションが苦手だとしても、きちんと練習すれば誰しも改善できるものです。

このタイプの人はLT(ライトニングトーク会=参加者同士が発表しあう勉強会)などで積極的に自分が興味のある技術などをテーマにして、登壇していくと多くの人に認められるきっかけになります。
イベントの登壇では技術的な情報を交換できる機会であるだけでなく、様々な個人や企業や団体と触れ合う機会が得られ、話す練習や価値観のブラッシュアップにもつながるでしょう。

また、場合によってはポートフォリオよりも、Qiitaの面白い技術テーマや記事などの発信が目に止まりやすく、それだけでも興味を持ってもらえてネットワークを広げられるかもしれません。

技術屋タイプのキャリアプランと必要なスキル

モノを作り出すことよりも、技術そのものにこだわるのが技術屋タイプのエンジニアです。
そんな技術屋タイプのキャリアプランとしては、その技術へのこだわりが活かせる「インフラ系エンジニア」の方向性が選択肢として考えられます。
ユーザーが快適にシステムやWebサービスを利用する基盤を支えるのが「インフラ系エンジニア」です。サーバー管理やネットワークの構築、保守運用やセキュリティなどに主として携わります。

インフラ系エンジニアを細分化すると、以下のような職種です。

  • インフラエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • セキュリティエンジニア
  • 社内SE

必要なスキルとしては、サーバーやネットワーク、セキュリティマネジメントに関するものです。
場合によってはプログラミングなどの開発系のスキルも求められるので、SEがその経験を活かしてキャリアチェンジするケースもあります。

3.サラリーマンタイプ

このサラリーマンタイプは、エンジニアをあくまで職業として捉えている人たちです。

もちろん、少しも間違いではありません。
しかしながら、ほかのタイプに比べると技術やクリエイティビティに対する執着は薄いようです。
勉強に関してもコーディングの学習になりがちなため、まわりの人たちからの意見に流されてしまうこともあります。
つまり、Web系の職場であれば、コードに対してモチベーションが上がるでしょう。SI系の職場であれば、プロジェクトに対してモチベーションが上がるかもしれません。

サラリーマンタイプにとって技術は、個人の生活や家族の生活を支えるための経済的な手段です。
もちろん仕事に真面目に取り組むとしても、プライベートでは技術的な情報に触れようとしない人も見受けられます。
ともあれ、サラリーマンタイプはどのような技術かにこだわりなく、目の前の職場やマーケットに求められているものを、努力してこなしていくというスタイルが向いているのではないでしょうか。

サラリーマンタイプのキャリアプランと必要なスキル

特定のこだわりを持たずに、職業としてエンジニアを捉えているのがサラリーマンタイプのエンジニアです。

そんなのサラリーマンタイプのキャリアプランとしては、セールスやルート営業に関係する活動を担う「営業系エンジニア」の方向性が選択肢として考えられます。
営業系エンジニアは細分化すると、以下のような職種です。

  • プリセールス
  • ヘルプデスクエンジニア
  • サポートエンジニア
  • フィールドエンジニア

エンジニアの知識や経験を活かせる営業系の業務であり、エンジニアとしての基本的なスキルと営業スキルを併せ持つ必要があります。
また、エンジニアの視点とともに、ユーザー目線で顧客ニーズを捉える営業センスも求められるでしょう。

4.個性がより強い4つのタイプ

さて、エンジニアの代表的な3つのタイプを紹介したところで、次は少数派の「個性がより強いタイプ」に目を向けて見ましょう。

インフルエンサータイプ

このインフルエンサータイプのエンジニアは、自分が社会に何らかの影響を与えたくて仕事をしている節があります。したがって規模が大きい案件や影響度が高そうな、やりがいのある案件を好むのです。
もちろん、決して悪いことではありません。誰しも職場や、大きくいえば社会から認められるという「自己承認欲求」を持っており、それが満たされると嬉しいものです。
このタイプは自己承認欲求を満たすために学び、努力するという見方ができるので、ある意味前向きな価値観を持っていると考えられます。

インフルエンサータイプのキャリアプランと必要なスキル

社会に影響を与えたくて仕事をしているのが、インフルエンサータイプのエンジニアです。
インフルエンサータイプのキャリアプランとしては、世間に影響力を持つ革新的なWebサービスを生み出す、「Web系エンジニア」の方向性が選択肢として考えられます。
Web系エンジニアは開発系の中のひとつであり、さらにフロントエンドエンジニアやマークアップエンジニア、バックエンドエンジニアに分かれるのです。
必要なスキルとしては、HTMLやさまざまなプログラミング言語に精通し、最近ではクラウドに関する知見も求められます。

5.実業家タイプ

この実業家タイプは、ゆくゆく、技術者よりもビジネスを動かしたいタイプです。
技術やプロダクトをどう作るかに興味は持っているけれど、あくまでもそれはビジネス(会社員であっても、その中での自分のビジネスの意味)のためとなります。
とりたててコードが好きというわけではありません。

実業家タイプのキャリアプランと必要なスキル

技術者よりもビジネスの志向性が強い実業家タイプのエンジニアのキャリアプランとしては、プロジェクトマネージャーやITコンサルティングなどの方向性が選択肢として考えられます。
プロジェクト・マネージャーは開発、プロジェクトを遂行する中心人物です。企業規模によってはプロジェクト・マネージャーがプロジェクト・リーダーを兼ねる場合もあります。
ITコンサルタントは、企業の抱える経営課題や業務課題を解決するために改善案を提案し、プロジェクトの進捗管理やシステムの最適化、動作検証まで携わる多岐にわたる仕事です。
必要なスキルとしては、エンジニアとしての基本的なスキルとビジネススキル、マーケティングスキルなどがあります。

6.問題提起タイプ

この問題提起タイプは、自分の身の回りのあらゆるもの、コードであれ、チームであれ、事業であれ、社会であれ、その中に問題を捉えてそれを解決するという発想で動いています。
技術志向の度合いによって異なってきますが、技術できっちりと解決したいタイプと、あくまでも解決手段のうちのひとつが技術と考えるタイプが存在するようです。

問題提起タイプのキャリアプランと必要なスキル

問題を捉えてそれを解決することに関心が高い問題提起タイプのエンジニアなら、キャリアプランとしてCE(カスタマーエンジニア)やヘルプデスクエンジニアの方向性が選択肢として考えられます。
CEはシステムの導入から運用・保守、そしてトラブルシューティングが主な仕事です。主にハードウェアに関する知見が必要であるほか、電源や通信分野の保守点検業務をするエンジニアを目指すのであれば、電気工事士の国家資格を取得することでより活躍できる場面や領域が増えます。
一方でヘルプデスクエンジニアは、ユーザーからの困りごとに対する解決法を迅速に提示します。そのためITに関する全般的な知識が求められのに加え、高いコミュニケーション能力が必要です。

7.研究者タイプ

この研究者タイプのエンジニアは一見、技術屋タイプやクラフツマンタイプに通じるところもあるようです。
しかし実際はもっと奥に踏み込んで、数学的な正しさや効率などの真理を突き止めようとするエンジニアといえます。
適所にいれば非常に有用な人材になるけれど、ひとつ間違うとまったく本質と関係ないところにこだわってしまうタイプにもなりかねません。それでも、イノベーターになる資質があります。

研究者タイプのキャリアプランと必要なスキル

数学的正しさや効率などを追及する研究者タイプのエンジニアのキャリアプランとしては、開発系の中のトレンド性が高いIoTエンジニアなどの方向性が選択肢として考えられます。
IoTエンジニアはIT技術の先端技術に関わる分野であり、AIを駆使するための機械学習などの分野は今後ますます発展すると考えられます。
IoTエンジニアに必要なスキルは機械学習などの専門性が高いスキルと、最先端の技術に関する知見が求められます。

まとめ

エンジニアにはどのようなタイプの人が存在しているかを、整理して紹介しました。多くの人は代表的な3つのタイプのどれかに、少数の個性派の人はその他の4つのタイプに属するでしょう。
エンジニアへの転職を検討しているみなさんは、自身がどのタイプに属するかを考えて、キャリアプランと学ぶべきスキルを見極める参考としてください。

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