「面接の時の自己紹介では何をいったらいいのだろう?」。
こんな不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。面接官を前にすると緊張してしまい、頭の中が真っ白になることもあります。
本稿では、自己紹介のときに伝えるべき内容をご紹介します。また、面接官にマイナスイメージを与えるNG例も取り上げます。記事の最後に、面接の時に聞かれる質問の模範解答も載せているので、是非参考にしてください。
目次
自己紹介と自己PRの違い
自己紹介と自己PRを混同して理解している人も多いようです。「自己紹介をしてください」といわれたのに、自己PRをしてしまうと「質問の意味が分かってないのかな。コミュニケーション能力に問題があるのか」と思われてしまうかもしれません。まずは自己紹介と自己PR違いについて明確に理解しておきましょう。
自己紹介とは
自己紹介とは、あなたの人物像を簡潔に伝えるためのものです。名前や所属部署、大学の学部、趣味などを短くまとめたものが自己紹介です。
目安の時間は1分~3分程度です。面接の内容によっても異なりますが、「手短に自己紹介してください」といわれた場合は、1分~1分半が目安と考えていいでしょう。
自己PRとは
自己PRとは、あなたの魅力やスキルを会社に知ってもらうためのものです。自分の長所をアピールする必要があり、過去の業績や積み重ねてきた能力などを伝えます。
優れた能力をどれだけ持っているかということだけでなく、企業が求めている人物像に合っているかという点も重視されます。自己紹介とは違い、さらに踏み込んだ具体的な内容を話すのが自己PRといえます。
自己紹介の順番
自己紹介の時には、何を伝えればいいのでしょうか。以下のような順番で覚えておくといいでしょう。
1:挨拶
2:氏名が学部
3:入社の動機
4:結びの言葉
1:挨拶
自己紹介の最初は挨拶、またはお礼の言葉から始めるべきでしょう。「おはようございます」、「本日は面接の機会を頂きありがとうございます」、などの言葉を伝えて、不愉快になる人はいません。まずは元気よく、挨拶・お礼をすることから始めましょう。
2:氏名や学部を伝える
挨拶をしたあとは自分の名前と大学の学部、または前職の部署などを伝えます。これは、面接官に対して、あなたが誰なのかを明確に伝えるためのものです。
フルネームでしっかりと伝えた方がいいでしょう。例えば、以下のように紹介できます。
- 大学○○学部4年の○○△△と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
- △△と申します。○○会社にてITエンジニアとして5年働いておりました。本日はよろしくお願いいたします。
3:入社の動機
面接官はあなたがこの会社を選んだ理由に関心があります。入社の動機や新しい環境での意気込みを伝えることで、面接官の印象に残りやすくなります。
例えば、次のように言うこともできるでしょう。
- 過去のスキルを活かして新しいことに挑戦したいと思い、応募いたしました。
- 大学で外国語を選考しており、グローバルな事業拡大を続けておられる御社に魅力を感じ、志望いたしました。
長々と話す必要はありません。あくまでも簡潔に伝えることが重要です。
4:結びの言葉
結びの言葉として、再度、お礼を伝えるのが理想です。簡潔に「本日はどうぞよろしくお願いいたします」、または「お時間を頂き、誠にありがとうございました」と伝えれば十分でしょう。
自己紹介のとき、面接官は何を見ている?
面接官は応募者の何をチェックしているのでしょうか。面接官が見ているポイントを把握することで緊張を和らげることができるかもしれません。
プロフィールの確認と整理
面接官は応募者の名簿一覧や履歴書を見ながら面接を進めます。確実に本人確認をして、応募者のプロフィールを頭の中に入れていくのが自己紹介の目的です。
先に取り上げたように、名前や部署名は忘れずにしっかりと伝えることが大切です。
社会人としてのマナーチェック
面接官は履歴書に書かれている情報の整合性だけでなく、応募者の礼儀作法や声の大きさ、人柄をチェックしています。
面接に合格するとあなたはその会社の社員になります。会社の顔として他社に出向いても問題がないか、ビジネスパーソンとしての要素を兼ね備えているかなどを判断しています。
面接室に入ったときから退室するまで「見られている」という感覚を持つことが大切です。
アウトプットのスキル
面接官は応募者のアウトプットのスキルも観察しています。決められた時間の中で何をどのようにいうのか、簡潔に要約して大切なことを説明できるかが試されているのです。
頭の中にある情報をまとめて、アウトプットするスキルはビジネスパーソンに欠かせません。営業マンだけでなく、エンジニア職でもコミュニケーション能力が重視されます。
自己紹介ではあなたの過去の職歴やスキルを見ているのではなく、情報の伝え方が試されていると思ってもいいでしょう。
応募者の緊張を和らげる目的も
応募者の長所を引き出すことは面接官の役割の一つです。会社にとって有能な人材を採用するためには、一人ひとりの良いことろを見極めなければいけません。
いきなり、志望動機や将来の意気込みなどを聞くと応募者が緊張してしまって、本来の力を発揮できない場合があります。
「簡単に自己紹介してください」という面接官の言葉の背後には、「一番話しやすい話題から始めて緊張をほぐしてあげよう」という配慮もあるのです。
面接官は敵ではなく、あなたのよいところを引き出そうをしてくれている、と考えると緊張もほぐれるでしょう。
面接官に好印象を与える自己紹介とは?
面接官に好印象を与えるには、どのような自己紹介が理想なのでしょうか。
自己紹介は1分以内に収める
自己紹介で重要なのは、簡潔に分かりやすく伝えることです。この逆、つまり長々と伝わりにくい自己紹介をしてしまうと印象が悪くなります。
指定がなければ、自己紹介は1分程度が理想です。文字数にすると250~300文字程度です。事前に時間を測って練習しておくか、文字に起こして大体の時間を把握しておきましょう。
第一印象がいい
面接の時には第一印象がとても重要です。好印象であれば、その後の質疑応答も和やかな雰囲気で行えます。
印象の良し悪しを決める要素として、「メラビアンの法則」があります。この法則によると、人の印象の55%は視覚情報によって決まります。つまり、顔の表情や態度、視線やしぐさが印象に大きな影響を与えます。以下のような点を意識するといいでしょう。
- 面接官の目を見て話す
- 背筋を伸ばし、手は膝の上に置く
- 適度に笑顔を交える
- 他の人が面接を受けている時もよそ見をしない
鏡を使って練習すると自分の姿を客観的に見ることができます。第一印象は面接の結果にも影響を与えるのでしっかりと練習しておきましょう。
ビジネスマンとしての言葉遣いができている
ビジネスパーソンとしての言葉遣いができていると面接官への印象もよくなります。面接では過度に緊張する必要がありませんが、友達に話すかのような砕けた表現は相応しくありません。「はい。です。ます」など、丁寧な言葉遣いをするように心がけましょう。
謙虚な姿勢が表れている
面接では謙虚な姿勢が欠かせません。この人を会社に招き入れたい、一緒に働きたいと思ってもらう必要があります。
学歴や職歴が優れていても、社内のトラブルメーカーになる可能性がある人を会社は採用しないでしょう。謙虚さは言葉や態度、雰囲気に表れるものです。自信をもって話すことは大切ですが、謙虚さも忘れないようにしましょう。
自己紹介・面接の時のNG例
自己紹介・面接のときにやってしまいがちなNG例を取り上げます。以下のような言動をしてしまわないようにしっかりと準備しておきましょう。
指定の時間をオーバーする
面接官によっては「30秒で自己紹介をしてください」と時間を指定してくることがあります。持ち時間のオーバーは印象を悪くします。
15秒短かった人と15秒オーバーした人では、圧倒的に後者の方がマイナスポイントです。指定時間内きっちりにまとめる自信がなければ、短く・端的に話すことを意識しましょう。
面接官も1分足らずの時間で詳細な情報を知りたいと思っているわけではありません。情報を複雑にせず、指定の時間を守りましょう。
聞かれていないことを話す
聞かれていないことを話すと印象を悪くします。「名前と前職の部署をお願いします」といわれたなら、「○○△△といいます。前職は○○部署にいました」とだけ伝えます。
準備してきたことを話さないといけない、と焦らず落ち着いて、聞かれた内容について答えるようにしましょう。
前職の悪口をいう
前職での人間関係や仕事内容に不満があったために転職するとしても、愚痴を話すのはよくありません。
「なぜ前の仕事を辞めたのですか?」と聞かれても「自分の経験値を磨くために転職したい」、「○○という夢がありそれを叶えるために転職を決めた」など、ポジティブな動機の方が効果的です。
場に適さない笑い
リラックスして面接に臨むのは問題ありませんが、場にそぐわない笑いはマイナスポイントになるでしょう。「話を真剣に聞いていないのか?本当にこの会社で働きたいのか?」など、面接官への印象が悪くなります。
「緊張をすると無意識に笑ってしまう…」という人は、笑顔をコントロールする方法を練習するといいでしょう。
頭が真っ白に!そんな時はどうしたらいい?
緊張のあまり頭が真っ白になってしまい、言葉が出てこなくなる可能性もあります。そんな時は落ち着いて、感謝の言葉を伝えましょう。
例えば、「今日は御社の面接に参加できたことをとてもうれしく思っています。ありがとうございました」と伝えることができます。誠実な感謝の気持ちは面接官にも伝わることでしょう。
自己紹介・面接でよく聞かれる質問とお手本の回答例
自己紹介が済むと、あなたの職歴や志望動機についての質問があります。回答例をまとめたので、あなたの経歴に合わせてカスタマイズしてみてください。
前職の退職の理由は何ですか?
「前の仕事を辞めた理由は何ですか?」。面接官がこのように聞くときは、あなたの組織内での適応力やストレス耐性などチェックしています。
そのため、「仕事が楽しくなかった」「上司とうまくいかなかった」など、ネガティブな回答をすると、自社でも同じような問題を抱えるかもと不安を抱かせます。退職の理由は「○○をしたいので転職を決めた」とポジティブなものにしましょう。
(例文)「前職では、自社製品の営業業務を行っていました。クライアント様と直に接する機会が多く、自分の知識やスキルがお客様の役に立つことの喜びを感じることができました。私はITに興味があり、独学でプログラミングを学習してきました。営業職で培ったコミュニケーション能力を活かしつつ、ITエンジニアとして領域に挑戦したいと思い転職を決意いたしました。」
これまでの経歴を教えてください
面接官はあなたの持つスキルが自社内でどのように役立つかを知りたいと思っています。自分の経歴やスキルをすべて話すのではなく、応募する会社に関係する内容のみを簡潔に述べるようにします。
応募する企業と自分のスキルがどのように関係しているのか、事前に調査することが必要です。
(例文)「前職では、営業戦略の担当者として経験を積んできました。私の強みは入念な市場調査を行い、ユーザやクライアント様が求めるものを明確に察知する力だと考えています。昨年は年間の受注案件数115%を達成して、トップ賞を受賞しました。」
当社を志望した理由は何ですか?
面接官はあなたの会社への思いや自社の理解度を見極めたいと思っています。応募する企業の事業内容を把握していなければ、志望動機を的確に示すことはできましょう。
公式サイトなどを確認して、「○○を行っている御社の△△の分野で貢献したい」という流れを作れるように準備しておきましょう。
(例文)「前職のITエンジニア業では、多国籍な人が集まるカンファレンスに参加したり、海外のエンジニアと一緒に仕事する機会が多くありました。国内だけでなく、海外のエンジニアと働くことで日本のITエンジニアに不足しているスキルや改善すべき点を学ぶことができました。日本だけでなくグローバル展開を行っている御社でエンジニアとして働くことでさらに自分のスキルを磨き、キャリアアップしたいと考えております。エンジニアとしてスキルだけでなく英語力にも自信があり、TOEICでは○○点を獲得しています。」
面接の自己紹介で伝えること まとめ
本稿では、面接時の自己紹介について取り上げました。
まず、自己紹介と自己PRは違うということを念頭におきましょう。自己紹介で求められているのは、簡潔に要点だけを伝えることです。時間を指定された場合は必ず時間を守りましょう。
基本的に伝えるべき情報は以下の通りです。
1:挨拶
2:氏名や学部
3:入社の動機
4:結びの言葉
ほかにも、ビジネスマンとしての言葉遣いや謙虚な姿勢なども面接官に好印象を与えます。
就職や転職時の面接はとても緊張するものです。しかし、自己紹介で述べる内容は限られており、難しいものではありません。しっかりと準備して練習することで落ち着いて、受け答えができるでしょう。
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