【2022年版】外資系エンジニアへの転職はあり?年収や転職動向、日系との違い

近年、転職先として外資系エンジニアへの人気が高まります。しかし、いざとなると今一歩踏み出せない方も多いもの。
その背景には、何となく外資系と日系の企業では働き方や考え方が違うと理解しているからではないでしょうか。
それぞれに大きな違いがあることは、事実に他なりません。ただ、事前に外資系エンジニア職に的を絞った情報収集をすることで転職への大きな自信となります。

この記事では、外資系IT企業のエンジニアとして転職を考えている皆さんに、日系企業との違いやメリット・デメリット、求められるものについて解説しています。
また、向いている人や2022年の転職動向もお伝えしています。
記事を読み終えると、外資系企業の転職に向けた大きな自信に繋がるはずです。

【やりがいにも繋がる】エンジニアにとって外資系と日系の違いとは?

日系企業と外資系企業では、エンジニアの働き方や仕事内容はどう違うのでしょうか。ここでは「評価基準」「キャリアパス」「働き方」「企業構造」「英語力」「女性のキャリア」という6つのポイントごとに解説しましょう。

【エンジニア】外資系と日系の違い①評価基準

外資系と日系の評価基準に関しては、一般的に外資系企業は明確な成果主義・実力主義であるのに対し、日系企業の場合は成果・実力だけではなく社内キャリアなどほかの要素も考慮されます。

外資系においてITエンジニアなどの技術職は、特に仕事の成果やスキルレベルが評価に反映しやすい職種です。
外資系の評価というと個人の成果だけと捉えられがちですが、そうでもありません。日系企業のように、業務を超えた仲間のフォローやそれによる組織への貢献も正当に評価されます。

ただ、日系企業との大きな違いは積極的に上司に提案し能動的に動けることにあります。また、評価に繋がらないうやむやな雑務が少ないのも特徴です。そのように働くための環境も準備されています。
しかしその一方で、フィールドの成長が早い外資系のエンジニアとして活躍していくためには責任やプレッシャーが高まるのも事実です。

【エンジニア】外資系と日系の違い②キャリアパス

外資系企業ではキャリアパスについても、日系企業とは異なる風土があり、日系企業のように同じ仕事をずっと継続することが少ないようです。
たとえば、日系企業のエンジニアとして働いていると、限られた領域での仕事を任されるためクライアントが限定されがちです。

一方で、外資系企業のエンジニアだと幅広い領域で多種多様なクライアントと取引をしながら業務に携わります。
刺激の多いビジネスパーソンやチャンスとの出会いが、今後のキャリアを広げる可能性にも繋がるでしょう。

ただ、こうしたチャンスは最初から準備されているものではありません。
キャリアパスを通し、自分自身の意思と努力によって道筋を自ら開いて行かねばなりません。

【エンジニア】外資系と日系の違い③働き方

エンジニアに限らず外資系企業で働く人たちは、合理的な価値観を持ってフレシキブルな仕事に臨んでいます。社内ルールはあるにせよ、成果を上げているならある程度自由にやってよいという雰囲気があるのです。
そもそもフレックスタイムやリモートワークは、いまでこそ日系企業でも導入しているところは増えていますが、外資系はかなり以前から普通に活用されていました。
働く時間も場所も、ある程度個人の裁量に任されている外資系企業と、時間と場所に拘束がありがちな日系企業とのギャップは、縮まりつつもまだまだ存在しています。

以下の記事では、外資系での働き方や評価基準のほか、外資系企業文化に馴染みやすい人の特徴などを詳しくまとめています。

【エンジニア】外資系と日系の違い④企業構造

もともと外資系のIT企業は、自社開発製品やサービスを日本市場で展開するために進出してきました。よってどこかの下請けになることは、まずありません。
もちろん日系IT企業の中でも、自社開発企業はたくさんありますが、それらの企業群が膨大な数の中小企業に製品の一部もしくは全部を発注する「下請け構造」が基本です。
さらに、その下請けから孫請けに発注するという多重構造に陥っており、エンジニア不足も影響して一部の日系IT企業でブラックな労働条件が、ここ数年来問題となっています。
外資系に転職すれば、そういう心配はありません。そもそも海外から進出してくるという事実だけで考えても、企業規模が圧倒的に大きく、日系の中小IT企業と比較すること自体に無理があるのです。

【エンジニア】外資系と日系の違い⑤英語力

外資系のエンジニアに転職した際に求められる英語のスキルは、企業によって大きく異なります。

スピーキング ヒアリング リーディング
エンジニア定常業務
開発
マネージメント

外資系エンジニアと聞くと、英語の力が必須と思う方もいるかもしれません。しかし、大手企業だと同僚・上司・取引先も日本人というケースがは多いもの。日常会話レベルの英語力があれば問題ありません。
しかし、マネージャーレベルやスタートアップのベンチャー企業では、同僚・上司、取引先までも外国人というケースもあります。
その場合、ビジネスレベルの英語力(TOEICスコア800以上)はあったほうがよいとされています。

以下2記事は、既に外資系エンジニアとして転職の方向性や企業が決まっている方に向けた記事となっています。
それぞれの外資系企業が求める英語スキルなどについて詳しく解説しています。また、英語が話せない場合についてもお伝えしています。ぜひご一読ください。


【エンジニア】外資系と日系の違い⑤女性のキャリア

外資系ではエンジニアに限らず、女性だからという理由で働きづらくなることはありません。
もちろん、結婚や出産というライフステージは少なからず仕事にも影響を与えます。ただ、それは働けない期間があるという事実であり、その休んだ期間がキャリアダウンになるということは外資系の企業ではありません。
むしろ、主婦や母親という側面を持ちながら企業の一員として活躍することは称えられるべきこととされています。近年よく耳にするようになった「サスティナビリティ(持続可能性)」の考え方の一つでもあり、注目すべきロールモデルとも捉えられることの方が多いです。
以下記事では、ここまででお伝えした外資系と日系の違いをより掘り下げています。
外資系IT企業への転職を視野に入れるみなさんに向けて、外資系IT企業における業種別での採用ニーズについて解説しています。また、代表的な企業の年収事情や必要とされる英語力などもより詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

外資系ITにエンジニアとして転職するメリット

ここでは外資系企業にエンジニアとして転職した場合の、メリットを紹介します。
主なものは以下の3点です。
●年収がアップする
●最先端技術をリアルタイムに実践できる最先端をリアルタイムに知ることができる
●大きい舞台で活躍できる
個々のメリットについて詳しく触れておきましょう。

外資系エンジニアのメリット①年収がアップする

そもそも外資系企業に転職した場合は、一般職でも1.2倍以上にはなるといわれています。多くのエンジニアの体験談でよく聞かれるのは、年収が1.5倍から2倍になったという話です。
日系IT企業と比較してみましょう。まず、国税庁長官官房企画課による令和2年度民間給与実態統計調査によれば、2021年のサラリーマンの平均年収は433万円です。
国税庁サイト:令和2年分 民間給与実態統計調査

そして国内のIT企業(情報通信業)の平均年収497万円となっています。
ITベンダーやITコンサルティング企業の主なエンジニア系職種の年収は、マネージャークラス以上ならおよそ年収が1,000万円以上を実現可能です。

それ以下のクラスでも年収500万円以上となり、日系企業よりも高めとなります。職種別のベースサラリーは、以下の通りです。

●プロジェクトマネジャー:1,000〜1,600万円
●IT コンサルタント:900〜1,500万円
●プリセールスエンジニア:900〜1,700万円
●ネットワークエンジニア:700〜1,400万円
●システムエンジニア:700〜1,000万円
●ポストセールスエンジニア:600〜1,400万円
●カスタマーエンジニア:700〜1,400万円

Web関連企業の主なエンジニア系職種の年収は、やはり企業としての歴史の浅さもあるのか、前出のITベンダーやITコンサルと比較すると全体的に1〜2割落ちるかもしれません。
それでも、一般のサラリーマンよりは、かなり良いでしょう。

職種別のベースサラリーは、以下の通りです。

●プロダクトマネージャー: 800〜1,400万円
●プロジェクトマネージャー:800〜1,400万円
●ネットワークエンジニア:600〜800万円
●ウェブデザイナー:400〜900万円
●UI/UXデザイナー:400〜600万円

外資系企業の人事評価基準には、日系のように成果以外の社内キャリアや勤務態度などの要素がなく、成果として出た数字やパフォーマンスによって決まります。
そういう評価制度が背景にあることも、外資系は努力によって年収が上げやすい理由といえるでしょう。

外資系エンジニアのメリット②最先端技術をリアルタイムに実践できる

IT業界ほど技術革新のスピードが早い業界もないでしょう。続々と革新的な技術が開発され、AIもIoTもまずます普及していく勢いです。
そういう最先端テクノロジーの多くは、欧米の企業から発信されています。外資系IT企業に転職すれば、最先端の情報を同時進行で実践するチャンスが与えられるのです。

多くの外資系は、企業の方向性などの根幹に関わる重要な意思決定に関して、トップダウンによってスピーディに現場に反映します。
そのため、最先端技術の導入が速やかに行われ、そこで働くエンジニアはリアルタイムで試してみる事ができるのです。各人のチャレンジ精神が大いに評価される土壌がそれを後押しします。
日系IT企業では多少なりとも情報にタイムラグが発生し、共有されるまでに時間が掛かかるのは否めません。また、外資系ほどチャレンジ精神を評価しないことも導入が遅くなる一因でしょう。

外資系エンジニアのメリット③大きい舞台で活躍できる

外資系IT企業でエンジニアとして働けば、グローバルな案件に携われるので、日系企業よりも規模も大きく、大きい舞台で活躍できる道がひらけます。
また、最先端のプロジェクトに参加すれば、それまで知ることのなかった知識やスキルに触れられる可能性が高くなるでしょう。それだけに、個人の向上心と吸収する力も問われるのです。

外資系ITにエンジニアとして転職するデメリット

外資系ITにエンジニアとして転職することでのデメリットも、もちろん存在します。
例えば、基本的に成果主義の外資系ではあっても、人事評価は直属の上司による意見のウエイトが高く、まれに相性や人間関係が多少評価に影響する場合もあるでしょう。
また、日系企業のように終身雇用はなく、福利厚生手当や退職金は整っていない企業が多いのも事実です。
ほかには、その企業が日本から撤退するような事態も当然あり、そんな場合は決定するとあっという間に実行されます。採算が合わない部門の整理などは、実際にしばしば行われるものです。
そのような場合は、ピンポイントのポジションで採用することが基本の外資系なので、日系企業のような雇用の継続は難しいかもしれません。

以下記事では、外資系への転職で人気が高まるSEの魅力と選考対策について紹介しています。
SEとして外資系企業に転職を考えている皆さんに向け、ここで紹介した外資系エンジニアのメリットやデメリットを踏まえた上でご一読頂けたらと思います。
外資系SEの年収事情や転職するメリット、必要な資質や面接対策も解説しています。

【向いている人の特徴】外資系でエンジニアで求められるもの

外資系企業に転職するエンジニアに、求められるスキルを紹介します。

コミュニケーションスキル

外資系企業の特徴として、それぞれの部門の独立性が強くなります。開発部門やマーケティング部門、コンサルティング部門やリサーチ部門など、各部門の専門性が際立っているのです。
異なる部門の人間との連携には、柔軟な発想を持って話し合えて協力関係を築くことが大切になります。そのため、日系企業以上にコミュニケーションスキルが必要な現場環境なのです。

お互いを尊重しつつ適切な自己主張が必要

外資系企業全般にいえることですが、自分の意志や意向を自己主張することが大切となります。
外資系IT企業は変化が多い職場である上に本社は海外なので、マネージャークラスのエンジニアは、自分たちの現状や国内市場の動向を本社に適切に主張しなくてはなりません。

ただし、忌憚なく意見を交換するために、自身の意見を押し付けるのではなく話す側も聞く側もお互いを尊重する姿勢も必要です。
コミュニケーション能力を磨きたい場合は、エンジニア向けに特化したコミュニケーションのセミナーなどを受講してみるのも有効でしょう。
エンジニアの業務における、さまざまな場面を想定した円滑なコミュニケーションを目指すために実施されており、オンライン対応も多いようです。

セルフマネジメント

外資系企業では、一般的に自己管理がきちんと出来ない人は評価されません。自身のタスク管理やスケジュール管理は、綿密にこなさなければならないのです。
また、オンとオフの区別も明確なので、業務中は集中して比較的ハードにこなします。よって、健康管理などにも充分に注意をして、仕事に支障を来さないようにする必要もあるでしょう。
また、周囲に対して自分のイメージを確立して認められ、ステップアップするためのセルフブランディングも必要です。

【2022年】ITエンジニア転職動向

2022年、ITエンジニアの転職動向についても解説します。

ITエンジニアの求人倍率

厚生労働省が2022年5月末日に発表した『一般職業紹介状況(令和4年4月分)』より、ITエンジニアの新規有効求人倍率によるとコロナ禍の影響で一時は大きく下がりました。
しかし、2021年4月に底を見せ、その後は増減を繰り返しながらも求人は伸び続けています。そして現在はコロナ禍前の求人を上回る勢いです。
そうなっていく背景には、何があるのでしょうか。海外と日本国内におけるエンジニア求人の、それぞれを確認しましょう。

世界的に見る、外資系エンジニアの転職動向

外資系エンジニアにおける転職動向の特徴としては、特にDXと呼ばれる「デジタル・トランスフォーメンション」に取り組む企業が増え、その分野での求人が急増しています。

DXとは、デジタル技術を社会に浸透させることで人々の暮らしを豊かに改新することです。特に、企業や地域ではDXによる全体の効率化を図る動きが必要不可欠とされ始めていて、大きく求人数を増やした企業も多いもの。そしてDXに限らず、IT技術は日々進化しアメリカのシリコンバレーを中心として新しいサービスを創り続けています。

そうした背景から、外資系エンジニアの求人は今後も伸び続けることが予測されています。

国内における、エンジニアの転職動向

国内では、実のところDXなどの導入が世界各国に比べ遅れているといわれています。そのため、あらたなIT技術職のニーズが分かりにくいと感じる人もいるかもしれません。
しかし、2021年後半よりデジタル庁新設に伴い、コンサルティング分野を中心としたエンジニア職の求人が急激に高まりました。
地方自治体の行政の業務デジタル化の案件や官公庁における、自治体担当に向けた求人も非常に多く目に留まります。

また、2022年は3年ぶりのコロナ禍における大幅な規制緩和となりました。それに伴い、日本経済全体が動くことを見越して新たなサービスの立ち上げを計画する事業も多いと予測されています。

DXも今後取り込まないわけにはいかなくなくなる日がくるでしょう。それに併せてセキュリティ分野の強化もスタートするはずです。
既にハイレベルなITの知識と経験をもつ人材のニーズは非常に高いとされています。今後外資系・日系問わず様々なエンジニア職において活発な採用が続くといえるでしょう。

以下記事では、外資系IT企業に転職に向けた業界別の企業情報や世界を司るGAFAMの企業情報などを解説。また、本記事でも解説している外資系企業に向いている人材をより詳しくお伝えしています。ぜひご一読ください。

まとめ:外資系エンジニアへの転職に向けて

外資系企業にエンジニアとして転職するにあたっての、知っておきたい日系企業との違いメリット・デメリット、求められるものなどについて解説しました。
ここでの情報は参考になるはずですが、実際に各外資系企業がエンジニアに求めているものは多岐に渡るといえるでしょう。
求人情報だけでは掴めない部分も多いので、転職のプロフェッショナルである転職エージェントに相談し、より詳しい働き方や自身の市場価値について相談することをおすすめします。

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