面接で他者に差をつけよう!キャリアプランの書き方〜管理職編〜

面接で他者に差をつけよう!キャリアプランの書き方〜管理職編〜

働き方が多様になった現代では、管理職も含めてキャリアプランを持つことが重要です。

そんな中、管理職の採用の面接や昇進面接で、キャリアプランを尋ねられるケースが少なくありません。今回の記事では管理職として転職を目指す場合に、あらかじめ用意しておくべきキャリアプランの書き方について詳しく解説します。

目次

管理職とキャリアプランの2つの方向性

管理職のキャリアプランには、大きく分けて2つの方向性があります。まずは管理職とは何かを改めておさらいし、そのうえで管理職にとって2つの方向性を見ていきましょう。

そもそも管理職とは?

管理職、もしくはマネージャーとは企業組織が掲げる経営目標を達成するために、任された部門や部署を統括および指揮を行い、組織として業務を遂行する責任者です。

ちなみに労働基準法による管理監督者は、経営者と一体の関係で業務にあたり、労働基準法で定める労働時間、休憩、休日の制限を受けず裁量権があるなどの条件を満たす者です。企業に当てはめれば取締役クラスの経営幹部や上級管理職が近く、すべての管理職にはあてはまりません。この点では、企業が指す管理職とは異なります。

一般的な管理職像としては、あくまでも社員の立場で特定のチームを率いて、チーム目標の達成を目指して指揮するリーダーです。

スペシャリストを目指すキャリアプラン

キャリアプランの方向性のひとつは、特定の領域における専門知識を強みに、現場でその専門性や技術を極めるスペシャリスト、もしくはエキスパートです。職場の中においてはその領域の専門家として信頼を得て、唯一無二の存在として扱われるでしょう。

エンジニアや設計士、デザイナーなどの技術職だけでなく、営業職や経理、財務、総務などでもスペシャリストは存在します。常にその領域の最先端の知識とスキルのアップデートが不可欠なキャリアパスです。

ゼネラリストを目指すキャリアプラン

キャリアプランのもうひとつの方向性は、特定の領域に縛られずに広範な知識や多彩な能力、さまざまな分野の経験を活かしてプロジェクトをマネジメントするゼネラリストです。単独の目標にあたるのではなく、複数のメンバーが関係する業務全体を見て、遂行するような立場で仕事をします。

さまざまな分野の概況を把握し、大きなトレンドを捉えているので、部署を横断してスケール感がある仕事ができるキャリアパスで、経営陣になりやすいともいえるでしょう。

管理職にはどちらが向いているのか?

スペシャリストとゼネラリストでは、その性質から考えて一般的にゼネラリストの方が管理職には向いています。もちろん、スペシャリストでなおかつ人を動かすスキルに長けている人材は、マネージャーやチームリーダーとして管理職を任命される場合があります。

一方、ゼネラリストとして働いていても、人を動かす素質がないと判断された場合は、管理職への登用は望めないでしょう。管理職を目指すのであれば、基本的にはゼネラリストの方向性でキャリアパスを歩むのが賢明です。それと同時に、人望を集める信頼される人柄になることも重要なポイントになります。

管理職を目指す際にはキャリアプランを書いておくべき理由

管理職を目指す際にはあらかじめキャリアプランを組み立て、文章で書くことが賢明となります。その理由は、管理職面接で尋ねられる可能性が非常に高いからです。詳しく見ていきましょう。

管理職面接で尋ねられる可能性が高い

管理職のキャリアプランは、管理職志望の面接や社内の昇進試験で尋ねられます。もしあらかじめ考えていなければ返答に窮してしまい、印象を大きくダウンさせるでしょう。だからこそ、もしキャリアプランを組み立てていない場合は、必ず面接までにちゃんと文章にして書きましょう。

面接官がキャリアプランを尋ねる意図とは?

面接官はキャリアプランを尋ねることを通じて、自社のビジョンと候補者の価値観にミスマッチがないか確認したいのです。将来の目標やどのような計画を持っているかはひとそれぞれで、どれが正解でどれが不正解はありません。ないからこそ、揺るぎないキャリアプランを持っているか否かで候補者の仕事に対する価値観が伝わります。

最近の傾向として、企業は社員とWin-Winの関係でお互いに利益を得て成長していくことを望みます。企業は当然ながら、採用する人材に対して自社での活躍を期待します。お互いの想定している方向性が相容れるものであれば、面接官はその人の活躍を期待するでしょう。キャリアプランがしっかりしており、会社の方向性とも親和性がある候補者ほど、志望度の高さが伝わります。

なお、面接時にはストレートに「キャリアプランを教えてください」というケースもありますが、キャリアプランという言葉を使わずに質問されるケースも少なくありません。以下のような質問においては、キャリアプランを尋ねられている可能性があります。

  • あなたの仕事のビジョンはどのようなものですか?
  • 5年後(10年後)のあなたはどうなっていたいと考えていますか?
  • あなたの将来における目標は何ですか?
  • ご自身のキャリアパスについてどうお考えですか?

これらの質問はずばりキャリアプランを確認し、具体的には以下のような点を見極めようとしています。

  • 仕事に対する価値観や向上心
  • 目標設定力
  • 自社の方向性との親和性

面接では、質問内容から考えてキャリアプランを尋ねられていると感じたら、積極的に回答しましょう。

キャリアプランを書いておくメリット

キャリアプランが役立つのは、面接に限ったことではありません。主に以下のようなメリットがあります。

  • モチベーションが上がる
  • 判断基準が確立できる
  • なすべきことが明確になる
  • 転職のベストなタイミングを見極められる

それぞれを見ていきましょう。

モチベーションが上がる

キャリアアップを目指した明確な行動計画があると、普段から仕事に向き合うモチベーションが上がるでしょう。自分自身の目標にスケール感を持って向き合えるので、現在の会社で業務の目標を達成することも、自分の大きなビジョン達成に近づく一歩として捉えて日々の業務に励みながら取り組めます。

判断基準が確立できる

企業は、社会の動きや経済環境に応じて変化せざるをえません。経営改革や組織編成などで、社員の働き方が影響を受けることも少なくないでしょう。そんなとき、会社に依存した生き方であれば非常に不安定な働き方になってしまいます。確固たるキャリアプランがあれば、自分の身の振り方を決める判断基準となり、ブレない考え方や行動ができます。

なすべきことが明確になる

自分の揺るぎないキャリアプランがあれば、今何をなすべきかが明確になります。ひいては仕事をする上での逡巡がなくなり、確信を持って向き合えます。ストレスを溜めることなく、前進していけるメリットがあるのです。

転職のベストなタイミングを見極められる

確信を持てるキャリアプランがあれば自分の現在の位置付けや、今後必要なスキルや経験を客観的に把握できます。あなたが望むキャリアプランにおいて、現職では実現できない要素にも気づけるでしょうそうなれば、必要なスキルや経験を得るために、転職という選択肢が理にかなっているかどうかの判断もしやすくなり、大局的にタイミングを考えることができます。

キャリアプランが思いつかない場合に役立つ4つの質問

キャリアプランを立てようと考える際に、自分自身のことだからこそ困難を感じるかもしれません。また、ライフステージの変化があれば、キャリアビジョンや将来設計にも影響を与えます。

キャリアプランに迷う際に、以下の4つの質問を自分に問いかけるとキャリアプランが組み立てやすくなります。

  • 目的地はどこか?
  • 現在地はどこか?
  • いつ到達したいのか?
  • どう到達したいのか?

ひとつずつ解説しましょう。

目的地はどこか?

1つめは、最終ゴールとなる目標と仕事をする意義を見つめましょう。あなたが自分の将来を想像した時に思い浮かぶステータスや人物像を、自由にイメージしてください。人生観やキャリア感は人によってさまざまなので、現職に携わったきっかけや、これまで歩んできたキャリアを振り返りましょう。

それとともに、これまでに仕事に関して下した決断や、そうすることを迫った出来事なども思い出してください。仕事に関することしか、キャリア上のゴールを思い描くきっかけになるとは限りません。趣味やボランティアなどでの人との関わりや、友人関係にも目を向けてみましょう。このように、意外なところからヒントがあることも珍しくありません。

現在地はどこか?

2つめは、自分のキャリアやスキルの棚卸しをしてみて、客観的に現状を把握しましょう。キャリアストーリー上で、自分は現在どこにいるのか認識してください。同時に職務経歴書やLinkedInやWantedlyのプロフィールも同様に更新するのが望ましいです。

そういった作業に取り組んでみると、これまで自分が思っていたイメージを超える発見もあるかもしれません。客観的に自分が強みを持っているといえる業務を、もらさずリストアップしましょう。

また、仕事以外に取り組んできたことや責任を担ってきたことや、それを通じて得た経験やスキルを活かせるキャリアには、どのようなものがあるのかなども洗い出す価値があります。

いつ到達したいのか?

3つめは、長期のタイムテーブルを想定しましょう。引退までの就業年数から逆算して、使える時間を算出しつつ、転職だけでなく社内の昇進などのキャリアアップを含めて検討します。複数の企業や部署、地域を経験することは、長期的に成長のスプリングボードになると期待ができます。ただしキャリアパスをあまり細かく設定しすぎると、逆効果になりうるので注意しましょう。

また、経済の変化や勤務先の経営状況、自身のライフステージの推移など、さまざまな要素の変化に柔軟に対応することも重要です。その経験が目的地に向かう糧になることもあります。

どう到達したいのか?

4つめは、目的地までのロードマップを作ります。今からゴールに到達するまでに実行できるアクションをできるだけ挙げて、ロードマップに落とし込んでいきましょう。スキルアップのために必要な取り組み、習得に必要なリソースも確認してください。

グローバル経済の中での日本の地位向上やコロナ禍に対処する経済復旧のために、政府が行っている支援あるいは助成も多いです。その中で活用できるものがないかも、ぜひ確認しておきましょう。また、キャリアプランを組み立てるのに欠かせないのは、長期的な視点です。日々の仕事の中にはゴールには無関係と思えるものもあるでしょう。遅々として進まない歯痒さを感じることもあるかもしれません。

そういう時にも、休息も交えながら、視野を広く保ってプロセスを楽しむつもりで進むのが望ましいです。なかなかプランが思いつかない場合でも、これらの4つの質問に真摯に向き合うことで、迷いが徐々に晴れて見えてくるものがあるはずです。

管理職面接に向けてのキャリアプランの書き方【基本編】

ここでは管理職面接に向けて、あらかじめ準備しておくべきキャリアプランの書き方について解説します。

キャリアプランを尋ねられる際の回答の流れを理解しておこう

まずはキャリアプランを尋ねられる際の、望ましい回答の流れを理解しておきましょう。そこから逆算すれば、キャリアプランを書くためのポイントが見えてきます。

<回答の流れ>
STEP1:目標
STEP2:リソース
STEP3:取り組み

個々のステップを補足しておきます。
【STEP1:目標】
これは何年後にどういう仕事をしているか、どういう役職を勤めているかなどの具体的な目標や理想像を伝えます。

【STEP2:リソース】
目標達成のために必要なリソース(資格・スキル・経験などの身につけておくべきもの)を伝えます。

【STEP3:取り組み】
リソースを確保するための取り組み方として、たとえば資格スクールや講座の受講、日常でブラッシュアップする方法、ボランティアへの参加、短期留学、経験すべき業務などの具体例を伝えます。

これら3つのステップの内容を、求人内容に有機的に結びつけながらストーリーを展開させましょう。曖昧な表現は避け、極力具体的に書かなければなりません。応募企業の行き方に紐づいた回答であるほど、面接官はさらに深く掘り下げた質問を投げかけてくるでしょう。そうやって面接の流れを、良い方向に向けることが可能です。そうなることも想定して、伝えたいアピール要素を語る流れを生み出しましょう。

管理職の求人内容の傾向性を知っておこう

転職関連企業のアンケート調査によると管理職の求人の傾向として募集が多いのは、従業員数が300名未満の規模の中小企業です。募集している役職としてもっとも多いものは課長級で、5割弱です。次いで部長・次長級が4割弱となっています。

管理職募集の理由としては、組織強化を目的とする新しいポストの設置が多いです。管理の対象となる組織規は6~10名の、比較的小規模なチームを率いるポストです。管理職として入社する候補者に期待するものとしては「プレイヤーとして高い実績を出す能力」と「目標達成に向けた戦略立案能力」の2つがメインとなります。

業績管理や人員管理ではなく、プレイングマネージャー型管理職が求められている傾向にあります。まずは自身が率先して高いパフォーマンスを発揮し、周囲から信頼を得て、そのうえで有効な戦略を立てて部下を率いていくタイプです。そのため、キャリアプランに率先垂範の人材を目指す流れやリーダーシップを養う要素などを絡ませると、その傾向にマッチしやすくなるでしょう。

3つの要素を必ず盛り込もう

キャリアプランを書く際には、以下の3つの要素を必ず盛り込みましょう。

  • 仕事に対する価値観
  • タイムスケジュール
  • すでに始動している事実

個々の要素を見ていきましょう。

【仕事に対する価値観】
単になりたい役職や役割を述べるだけでは、無機質な回答になって興味を惹きません。どのような表現を選ぶかは人それぞれですが、自分自身の仕事に対する価値観が反映される言葉を盛り込んだ内容にしましょう。

【タイムスケジュール】
そしてキャリアプランの達成プロセスにタイムスケジュールを盛り込んでください。たとえば〇年後に〇〇になるために、これから〇年以内に〇〇をクリアし、〇年以内に〇〇を経験する、などです。プランとは期限が重要です。企業であれば一般的に中期計画や長期計画を設定しますよね。そのうえでさらに細かく四半期や半期、通期で達成度を評価し、場合によっては見直しします。

個人のキャリアプランについても同様に考え、3年後と5年後、そして10年後などの期間設定をしましょう。そのうえで具体的な節目を3ヵ月や半年、1年というように設定し、進行過程で遅れが明らかな場合は、適宜見直しを行う必要があります。面接では「5年後」や「10年後」などの時期を指定してキャリアプランを訊かれることが多いです。それらを包含するプランを持っておけば、慌てず堂々と答えられます。

【すでに始動している事実】
キャリアプラン実現に向けて、すでに始めているか否かで全く印象が異なります。できるかぎり面接までに何かを始動し、その内容を具体的に伝えましょう。動き始めている事実があると、信憑性を与えられます。

書き上げたら客観性をチェックしよう

キャリアプランを立てたら、達成までのプロセスに実現性があるものかどうかを客観的に確認しましょう。客観的なチェックを入念に行うためには、以下に挙げる「SMART」というフレームワークが有効です。

  • Specific:具体的であるかどうか
  • Measurable:測定可能なものかどうか
  • Attainable:実現可能性はあるかどうか
  • Relevant:(応募企業の成長に)関連したものかどうか
  • Time-bound:期限が決められているかどうか

5つの項目すべてにおいて、「はい」と答えられるプランに仕上げておきましょう。

年代別の書き方と例文【応用編1】

キャリアを重ねていく過程において、時代や環境は変化します。また、自分自身も年齢を重ねるにつれてライフステージも次第に変化するものです。長期の目標に対して、必ずしも計画通りには進みません。そのため、キャリアプランにはアップデートが不可欠です。ここでは年代別にキャリアプランの書き方と、回答用の例文を紹介しましょう。

20代から35歳未満の場合

この年代に求められるのは、経験や実績ではなく将来の可能性です。やりたいことに広い範囲でチャレンジすることが許されやすい年代であることを、武器として活かす内容にしましょう。

初めての経験や新しいスキルが次から次へと蓄積される時期なので、一旦書き上げても定期的に振り返ってキャリアプランをまめにアップデート、もしくは磨き上げることをおすすめします。若い管理職ならではの、型にはまらないダイナミックなキャリアプランも、自己満足ではない客観性があれば好評価を受ける可能性が高いです。

また、10年後の目標をしっかり持っていれば、万が一軌道から外れることがあっても気付けるでしょう。定期的に振り返ることは、自分の成長や意識の変化も把握でき、長期プランへのモチベーションを維持するためにも役立ちます。

「5年後のあなたどうなっていたいですか?」と尋ねられた際の回答例

5年後には広範囲な業界事情に精通して、営業チームをバランス良く率いてチーム目標を確実に達成できるマネージャーを目指します。そのためにはまず3年後に、各クライアントに合わせた内容で満足をもたらし、成約率30%を保持できるような提案営業のエキスパートになりたいです。

現在、現職では成約率を前年比で10%以上向上させることを、常に自分の目標としております。深いヒアリングでクライアントの実情を傾聴することによって、見えている課題の奥に潜んでいる本当の課題を引き出せるような、深い信頼関係を構築することが私のやりがいです。入社後はさまざまな業界のクライアントにアプローチしながら、提案力の守備範囲を広げていきたいと考えております。

これまで毎月1業界を選んで関連する専門書を10冊読破し、業界研究ノートを作成しており、すでに10冊目に入っております。

35歳以上45歳未満の場合

社会人としてひと通りの経験をし、仕事の要点もつかんできたこの年代は、ある一定の範囲で仕事を自己完結できます。そのため、現在のスキルをより一層磨いてスペシャリストを目指すのか、マネジメントの力をつけてゼネラリストとして管理職を目指すのかという帰路に立たされがちです。

そのどちらかによって、その先に必要なプロセスが異なってきます。また、いずれの方向性にあっても、身を置く業界の情勢と動向を視野に入れて考えていくことが大切です。現時点での自身の市場価値を、客観的に把握しておくこと欠かせません。

これまでのキャリアと身につけたスキルを、最大限に活かせる仕事や領域は何かをすべて挙げてみましょう。その中で自身の価値観や興味から親和性が高い方向に、キャリアプランを見出すのが賢明です。

「3年後のあなたはどんな人材になっていたいですか?」と尋ねられた際の回答例

3年後には多くの顧客様から、ご指名を頂けるような実力あるチームをマネジメントできる人材になることが目標です。その目安として、現職においては顧客様のリピート率がおよそ5割なので、3年後は7割突破を目指します。

そのためには競合と差別化するために、担当案件とは無関係でも多くのクライアントが悩んでいるDXの進捗に役立つ助言を積極的に行います。この1年間DX領域の研鑽に励んでおり、そこから得た知識を活かしたいと考えております。

45歳以上の場合

人生100年時代と言われ、70代はもとより80代の現役も珍しくなくなりつつある現代では、40代半ばを過ぎてもまだまだ先は長いといえるでしょう。一方、この年代では、場合によっては早期退職に関する問題も出てきます。

社会や勤務先に大小さまざまな変化が起こることも想定して、いかなる事態にも柔軟に対応できるようなプランを組み立てておくことが必要です。これまでに培ってきたスキルや知識、人脈を活用して異分野にチャレンジする選択肢もあるでしょう。いずれにしてもベテランとしての人材価値をさらに高めるために、新しいことを学び続ける重要性は増しています。

「マネージャーとして最初の2年間でこれだけは部下に承継したいというものはありますか?」と尋ねられた際の回答例

はい、ございます。コンサルティングに携わり30年以上経ちますが、変化した多くのこと以上に変わらない大切な智慧があることを現在は認識しております。これからの御社を担う若い人材に、これまでに築いてきたこの業界の仕事に役立つ普遍的なノウハウやトラブルへの適切な対処のポイントなどの、書物では学べない智慧を伝え残したいと考えております。そのために、この3年間続けてきたLinkedInでの海外ビジネスパーソンとの意見交換や情報共有に、より一層真摯に取り組むつもりです。

職種別の書き方と例文【応用編2】

現職での実績や経験、身につけたスキルもキャリアプランを組み立てるうえで重要なポイントになります。また、先々に目指していく職種の違いによっても、プランの考え方は異なってきます。
ここでは職種の系統別にキャリアプランの書き方と、回答用の例文を紹介しましょう。

バックオフィス系の場合

事務や人事、総務、広報、生産管理などの後方支援の部署であるバックオフィス系のキャリアプランは、3方向に分かれます。

1つめはそれぞれの担当業務を極めていってスペシャリストを目指す方向で、2つめはその部門全体を広く把握できるゼネラリストになって管理職を目指す方向です。3つめは担当部門を軸にして領域を広げ、人材開発や財務戦略、生産企画、広告宣伝、販売促進企画、マーケティング戦略など、事務系から経営寄りのスタンスの専門性があるキャリアを目指す方向もあるでしょう。

その中でコミュニケーションスキルやITリテラシー、金融工学、マーケティング理論などを学ぶ必然性があればキャリアプランに反映させることが大切です。このようにバックオフィス系でも、キャリアプラン次第ではかなりアグレッシブなロードマップを描ける場合もあります。

「人事部門の可能性を広げるような仕事はできそうでしょうか?」と尋ねられた際の回答例

担当業務の精度を高めていき、3年を目途により専門性の高い業務をこなせるようになるのが目標です。またそれに加え、人材開発の責任者となって研修や教育制度のコーディネートなどの重要な仕事も担えるようになりたいと考えております。

1on1の社員面談を通じた課題の共有などで、個々の新入社員にパーソナルに向き合った指導で若年層のスキルの底上げができる人材になることも目指しております。その実現のために現在は、英会話とコーチングをオンライン講座で学んでいますが、今後新たにマネジメント講座も受講する予定です。

営業系の場合

営業系は転職志望の業界の動向と志望企業のプライオリティを理解し、それに沿ったキャリアプランを組み立てましょう。また、どの業界を選ぶにせよ営業職にとって最も大切な基準は実績です。現職においての実績をベースに、今後どのような営業スキルを磨くべきかを考えて、キャリアプランに反映してください。

面接で「もしあなたが営業責任者なら、今後の10年間にどういう仕事をしたいですか?」と尋ねられた際の回答例

現職の直近の4年間では数字を上げることはもちろん、その中でマーケットの動向に絶えず注目し、自分なりの仮説を立ててトライアンドエラーで修正するPDCAサイクルによって、昨年対比を平均で18%アップさせてきました。

この経験を活かし、これからの5年間で極東および中東だけでなく、南米のマーケット開拓に尽力したい希望があります。10年後には海外に赴任する人材を育成しつつ、プレイングマネージャーとして海外市場拡大の戦略を担う立場で御社に貢献したいと考えております。

そのために、これまで英語に関してネイティブの個別指導にてTOEIC900レベルはクリアしました。英語のブラッシュアップを続けつつ、南米マーケットを視野に入れてスペイン語を先月から学び始めております。

技術系の場合

近年の飛躍的なITの発展に伴い、技術系人材に求められるスキルはより多様になり、かつてなかったような職種が誕生しています。そのため、技術者としては自らが進みたい方面を明確にすることがより重要になってきました。

また、技術トレンドは変化が激しいため、海外から発信されてくる最先端情報を普段からチェックしておくことも欠かせません。そのために英語にある程度精通することも、キャリア実現の重要なファクターとして盛り込みましょう。また、業界的に今後も新たな職種が増えて自分の領域に影響を与える可能性があります。定期的に見直しをする前提も忘れずにおきましょう。

「職種にかかわらず、これからの5年および10年でITにどういう関わり方をしたいですか?」と尋ねられた際の回答例

既存技術の運用能力向上はもちろんですが、先端技術を常に吸収してスキルをアップデートしていくことが、私のキャリアの生命線になると感じております。現在はAIの重要性を認識し、ディープラーニングを徹底して学んでおります。

5年先には、おそらく現時点では誰も考えつかないような技術が生まれていると思います。その時には、それを学ぶ側ではなく使いこなして後進に教える側に立っていたいです。それと同時に次に来るであろう技術をいち早く身につけ、運用できる人材になっていたいと考えております。

時流に追随するのではなく、時流のトップ集団の中で仕事ができるように、この3年間個人レッスンで磨いた英語力を駆使して海外の最新技術ドキュメントを常にチェックして自身で試し、業務に反映しています。

またプレイヤーに終わらずプロジェクトチームを統括する仕事にも携わりたいです。今後マネジメントスキルも磨いていき、10年後には大きなプロジェクトでも信頼して任せてもらえるプロジェクトマネージャーになりたいです。

まとめ

管理職面接や社内での昇進試験の面接で尋ねられるキャリアプランは、あらかじめ文章に書いておくことが大切です。まず2つの方向性のどちらかを決め、思いつかない場合は4つの質問を自分に投げかければ何らかの答えが出るでしょう。

キャリアプランを書く際には盛り込むべき要素を意識し、書き上げたらSMARTのフレームワークで客観性をチェックしてください。年代別や職種別の応用編も参考にして、揺るぎないキャリアプランを書き上げ、面接を突破しましょう。

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