【管理職向け】失敗しない目標設定方法とシートの記載例

管理職の仕事の中で目標管理は最も重要な仕事といえます。企業や個人の成長に欠かせない指標であり、成果を達成する上で必須のものです。そのためには職種ごとに適切な目標設定が重要になります。具体的な事例を含めて、目標設定の方法や、目標設定シートの書き方を紹介します。

管理職が作成する目標設定シートとは

管理職が目標設定を行うときに必要になるのが目標設定シートです。目標設定シートを作成するときは、基本のフォーマットがあると書きやすく、方向性がぶれません。

目標設定シートの基本の型が以下になります。

・目標項目
・達成基準
・期限
・達成する過程
・成果

何を、どの基準まで、どのような方法で、いつまでに達成するかを記入します。
今回の記事は目標設定の中でも管理職に向けた書き方を紹介します。

管理職の目標設定の方法

目標設定は具体的な数値の指標に従って決定するため、現在地の把握と達成するためにどの要素が足りないのか、明確になります。また、目標があると、チーム全体の仕事に取り組む意識や向上心を刺激することができます。

目標の難易度に関しては難しすぎると、チーム全体のモチベーションが下がるため、現実的な目標に設定する必要があります。

目標設定には大きく分けて2つの方法があります。

ベーシック法

達成すべき目標の基準を数値で決め、期限とプロセスを詳細に決める方法

三点セット法

ベーシック法の発展版。三点セットの項目はテーマ・達成レベル・達成時期で、どのレベルまで達成するかをスケジュールも含めて決める方法

よくある目標設定の間違い事例

一般スタッフと比較して管理職は、経営陣から求められる成果の基準が高いですが、部下がいることや経費支出を認められていることで、活動の自由度が高いです。適切な目標設定を立て、与えられた資源を効率よく利用できれば、成果を一番出しやすい立場にあります。

しかし、管理職が求められているものを把握せずに目標設定をしている方もいらっしゃるので、失敗の事例も紹介します。

・一般メンバーの能力の向上のため、研修を○回実施する
・マネジメントに関する参考書を10冊読む
・部下を営業担当者に○回同行させ、クライアント先への訪問回数を増やす

上記は活動的テーマを目標としており、一般社員であれば問題ないですが、管理職の目標設定としては落第点です。

上記は達成するための手段であって、成果とは異なります。管理職の目標設定では、コスト削減、効率向上、売上達成などの具体的な成果が目標となっていなくてはいけません。

では、どういう目標設定が効果的なのか、職種別に事例を踏まえて紹介します。

目標設定シートの記載例

目標設定シートに記載する目標は、業種ごとに異なりますので、今回は、コンサルタント、マーケティング職、管理部門に関して紹介します。

コンサルタントは、クライアントへの提案数を目標に設定する場合が多いです。顧客の売上に貢献するにはどんな数値が必要か。また、クライアントへの満足度を高めるために資格取得も目標になりえます。

マーケティング職は、企画の提案数、採用された企画数を設定します。
製品の認知度向上と売上アップにつながる目標が適しています。

管理部門は、業務内容は直接の売上につながりませんが、社内システム導入などで効率化を図ること、離職率やコスト削減を数値として設定するのが一般的です。
つまり、社内の課題をいち早く見つけ、それを数値に落とし込むということです。

管理職は、マネジメントや統率力、育成が求められるので、メンバーの特性を把握し、売上の達成や人件費コストの削減など、企業の数字に大きく影響する数値を目標とするのがおすすめです。

ここまでで目標設定の概要と数値目標はだいたい決まってきたと思います。

その次の段階として、具体的に何をすれば目標が達成するのか、その根拠となる、部署毎にある損益計算書、貸借対照表や、 営業管理表等の会社の現状が数値でわかる資料を用意します。

目標を達成するための資料が揃ったら、現状の人員、設備、システムで実現できるのかを考えます。次に冗長と相談し、部署を横断して調整を行います。他部署との調整をしても実行が難しい場合は再考しましょう。

今回は先ほどご紹介した三点セット法の以下の3つの条件を含んだ型で、事例を紹介します。

1.期限(いつまでに)
2.行動目標(何を)
3.成果(結果はどうなるのか)

営業職の事例

年度末までに、高額セミナーを年に2回開催し、100件の新規顧客を獲得し、来期の売上を2,000万→3,000万円にする。
来期までに週3回の営業ロープレを続け、成約率を30%から40%に上げる

マーケティング職

来期までに各部署のデータ分析を終わらせ、戦略の進捗を確認しながら、目標達成の可能性を60%→80%に上げる。

今期末までに海外のエンジニアと協力し、自社独自のCRMを作成し、全体の業務効率化と人件費削減を図る。

年間で動画の新部署を立ち上げ、販路の拡大を行い、セミナー集客、検索数の認知度を20%UPする。

今期末までに担当者がツイッターやインスタのアカウントを開設し、ノウハウを発信し、公式アカウントのフォロワー数と採用希望者数を20%増やす。

管理職の場合

今期末までに、月1回の部長会議を行い、各部署の目標の達成率を60%→80%にする。

半年後までに、マネージャー候補社員を5人確保し、来期の採用人数を15人→20人に増やす。

来期までに、月1回部長とマネージャーミーティングを行うことで、部署の達成率を70%→90%に上げる。

まとめ

目標設定というと、会社が期待することを実践ベースで具体的に落とし込むこととと思われがちですが、実際は一般スタッフが仕事を通して自己実現したいことにつなげるとも重要になります。

会社が求めることを愚直にこなそうとすると、一般スタッフからするとやらされ感が強く、主体性を失い、離職につながりかねません。

かといって、一般スタッフがやりたいこと、低い目標を掲げては、会社の売上は伸びません。それをうまく調整していくことが管理職の目標管理になります。

目標設定の基本テンプレート、条件を満たすことも重要ですが、管理職が行う目標設定は一歩進んで、一般スタッフへの計らいも重要になるので、その点も意識して作成するといいでしょう。

Talisman編集部

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