転職回数は多いと不利!?転職可能にする5つの成功術

「またこの会社でもか・・・。」
今日もどこかで、誰かがつぶやいている。
転職の相談を受ける時、TOP5ぐらいにはいつも入る候補者からの相談フレーズがある。
「私、転職回数が多いのですが、転職できるでしょうか。」
正直申し上げると、この質問への回答は、50/50だ。
えっ!結構転職できるんだ!と、思われた方が多いかもしれない。
あくまでも、私であれば50/50であって、他のコンサルタントであれば50/50かどうかは未知数である。正直もっと確率は低い可能性が高い。
殆どのエージェントは経歴書を見てNGを出してくるのではないだろうか。
しかし転職回数と、退職理由によっては不可能も可能にひっくり返す事ができる。転職エージェントはここをしっかりとヒアリングしてくる。あなたがご自身の転職回数が多いことによって自信を失っているのであれば、それを払拭できる材料は十分にあるのか。
今回は、転職回数が多い人の為の成功術を、「転職市場の現状」、「採用側の見解」、「候補者側の言い分」、「それでも転職できるようにする為のノウハウ」「実例からみるポイント」と4つのパートに分けてご紹介したい。

まるで芸能界!低年齢化が進む。若手を欲しがる企業達

昨今、どの業界も若手獲得への熱量はとどまることを知らず、なおもヒートアップしている。
まさに芸能界なみだ。もちろん新卒から第二新卒、中途採用と採用するので、芸能界のように10代の採用とまではいかないが、とにかく“若手!若手”とこぞって若手を採用している。
ただし、ただただ若手が欲しい!という訳ではない。若手と言うと新卒や、第二新卒などの20代!をイメージしがちだが、各案件によっては対象年齢が変わってくる。その案件で最もふさわしい若手を企業は欲している。例えば部長クラスでも30代前半を欲する企業も増えてきた。昔で言うと40代前半ぐらいが対象であったのにも関わらず、30代でも優秀な候補者を探せ探せと。。。正直、転職エージェント泣かせだ。その中で転職回数は必ずジャッジの対象になってくる。転職回数が少なく、優秀な若手。。。こうなったら絶滅危惧種を探すも同様。
欧米のように、個人の価値/スキルを上げる為、個人の能力を活かす為、出世がしたい、年収を上げる為、などとアグレッシブにどんどん働きの場を変えていくことは日本ではまだ少ない。
欧米では採用企業側も、特に転職理由はそこまで問題視せず、候補者のスキルが即戦力として使えるのかという事を重視している傾向がある。
日本ではまだまだレジュメ美人が美とされている。私はどちらも否定しない、しかし企業側は転職回数の多い候補者を懸念とし、なかなか面接ステージにまで上げてこない。

あえて言わせて頂きたい、企業側の見解。採用基準

もう既に耳が痛い。。。と、お思いの方が殆どではあると思うが、あえて言わせて頂きたい。企業側の見解と採用基準。我々転職エージェント側も、耳が痛いほど採用企業側からリクエストされている内容だ。残念ながらエージェント側もその内容を死ぬほど聞かされているから、嫌でも候補者に対して小うるさくなる。またこちらから選り好みしてしまうのは事実としてある。
企業が欲しい年代別の転職回数と求めるスキル

年代 回数 採用基準
20代 2回まで 今回の転職が3社目 ポテンシャル重視
20代 3回ぐらいまで 定着しているか、専門性があるか、実績を残しているか
20代 3~4回ぐらいまで 既にマネジメント経験があるか、専門性のあるシニアレベル、エグゼクティブクラスを担えるか
20代 4~5回ぐらいまで 残念ながら50代になってくると案件自体の数がグッと減少する。ほとんどはエグゼクティブクラスの案件を占めてくる。だがその類の案件は年間を通しても非常に数が少なく、狭き門となる

番外編:
40代でまだ1回も転職経験がない。
一見経歴が良いので、すぐに転職できるのではないか!採用側から引っ張りだこなのではと思われがちだが、実はNGにされる可能性が残念ではあるが結構高い。
懸念点はこちらだ。

世の中の荒波に揉まれていない➔いわゆる平和ボケ、箱入り娘型
企業カルチャーに合わす事ができない➔入社してからついて行けず脱落する可能性が高い
ずっとYesマンだったのではないか➔合わす事は得意だが、自ら発信する力が乏しい
生え抜き社員➔エスカレーター式で、やはり温々した印象。しかし人柄は良い印象
転職でスキルアップや自分の能力を開花させたいなどの意欲がない➔チャレンジ精神がない

という理由で書類で落とされるケースも多々ある。
なんともワガママな話である。

企業側に知って頂きたい、転職回数が多かった理由

さあここからは私も含め、我々転職組の言い分をブチまこうではないか。ここでは転職回数の多い皆様の声に変わって、わたくしが皆様の言い分を代弁したい。過去の記事でも、「実は私も転職組で、魅力的な経歴ではない」とお伝えしているとおり、皆様の気持ちは重々承知だ。
早速いってみよう!

ケース1 知人の紹介で入社。知人の顔を立てる事に気が行ってしまい、どんどん話が進み、断れなかった。結果、入社後しばらくして自分の求めている事とは違い、転職活動を再開
ケース2 企業から直接スカウトされ、是非来て欲しいと言われて入社。誰も仲介に入っていないため、契約書等は個人と企業で交わした為、確認しきれず、入社後話が変わりトラブルに
ケース3 問題なく入社したにも関わらず、入社後社内の方針が変わったり、グローバルから事業縮小を言い渡され、退職せざるを得なかった
ケース4 担当していたプロジェクトがクライアントの都合で中止となり、担当するプロジェクトがなくなってしまったため退職せざるを得なかった
ケース5 ライフイベントや親の介護でUターン、家業を継ぐ、配偶者サイドの家族の状況変化などの家庭の事情
ケース6 早期退職制度や会社の首切り、既存企業では可能性を感じなくなり、他社で活躍の場を探すため転職
ケース7 会社の業績が悪化。給与が大幅減少
ケース8 正直ベースで言うと、声をあげてはなかなか言えないが、やはりまだまだ多い、上司と合わなかった。いわゆるパワハラを受けていた。それが原因で精神的な病気になってしまった人もかなりの数でいる

とまあ色々と挙げてみたが、正直、致し方ない状況も多々あるという事も、採用側にも知って頂きたい。たまたま運悪く続いてしまい、自分の運命を恨んでしまう事もある。
一言でいうと、しょうがなかったんです!
もちろん求職者側もより良い環境で、自分の経験や実績を活かしたい気持ちはなんら変わらない。だから1度会って話をしたい、面接に話を進めて欲しい!会って話をしてからジャッジして欲しい。そう願うのです。

過去は変えられない。未来に向けて今やるべきこと。払拭材料はこれだ!

厳しい企業側の意向は今後も変わらない。転職エージェントもあなたを見放すかもしれない。
しかしそれでも人は転職し、新たなステージで奮起している。
ここでは、転職回数が増えてしまった過去は変えられない。しかし今できる事は、今後どのように転職活動を展開していけば良いのか。そこを絞り出してみたい。
変えられない過去の言い訳を言うつもりはないが、ご自身が、これだけはやった。こんな専門スキルを持っている。自己都合ではない、会社都合が重なったからだ。。。と払拭材料をしっかりと把握し、材料は何か、なぜそうなったかを炙り出す事が必要だ。
下記、主なリストを上げてみた。是非参考にして頂きたい。

明確な退職理由を記載➔過去の一企業ずつ、詳細を記載する
有力なリファレンスを複数確保➔2~3名。過去の上司やエグゼクティブクラスをお勧めする
転職エージェントに会う➔企業との面接までにこぎつける為、自ら転職エージェントに自分を売り込む。転職エージェントに会う前に、見向きもされない可能性もあるからだ
己の過去の栄光を次、どのように活かせるか➔経歴書を隈なくアップデート
己の市場価値を知る➔多すぎる転職回数は、いくら優秀でも魅力は低下。そこは再度認識する
己の立ち位置を改める➔魅力は低下している、じゃあどこを攻めればいいか転職エージェントと戦略を練る
己のプライドを見直す➔この期に及んで選り好みしない。だからと言ってなんでも受けろとは言ってはいない
人のせいにしない➔転職回数が増えたのは会社のせい、転職エージェントのせい、知人のせい、と何かにつけて人のせいにする候補者も多い。こうなったらただのクレーマーだ。誰がクレーマーのサポートをしたいと思うか、改めて考えて頂きたい。志向が後ろ向き。前を見よう

間違っても、血迷ってむやみやたらに書類選考に進めないこと。そして転職エージェント任せにしない。任せるときは信頼できる転職エージェントを見極めてからにしよう。

リアルな過去の転職成功例

45歳 男性 大卒 MR職(マネジメント経験あり)転職回数6回
最後の企業の退職理由は事業の閉鎖で会社都合
MR職として約30年間従事 開業医から基幹病院、大学病院を担当
過去の転職理由は知人の紹介、事業部立ち上げでスカウトされた、家業を継いだ後MR職に復帰など。
殆どの転職エージェントは経歴書を見てNG。会ってくれることすらしてもらえない状態。仮に転職エージェントとコンタクトが取れ、案件の紹介をされて書類選考に進めても全てNGの結果に。
NGの殆どの理由は転職回数。
最後の砦で私に相談にやってきたこの男性の風貌は、爽やかで清潔感に溢れており、非常に地頭が良く、コミュニケーション力の高い男性だった。
彼に行ったコンサルテーション

1.過去の退職理由を掘り下げ。ズレが無いようにヒアリングをとことん行う。
2.今後の希望、要望確認。
3.過去の実績、専門性、スキルの徹底確認。売り筋を掘り出す。
4.仕事でやりたい事とできる事の確認。
5.リファレンス確認。

上記の項目をしっかりやる事により、私が持っている案件、また案件は無くても企業とのコネクションを使い、逆にこの候補者を売り込む事ができる企業が浮かび上がった。
企業側に売り込む時、中には匿名で企業側にニーズがあるか確認し、慎重に話を進めるケースもある。もちろん、他エージェントから既に書類選考に話を進めていないかの確認を行い話を進めた。
私がこの候補者は転職ができると思ったのはタマタマではなかった。
転職回数は多いが過去の経歴や人柄、しっかりとした退職理由等確認していくうちに、この候補者のセリングポイントが明確にできた。
結果時間はかかったが、この候補者が専門としている領域で新規ポジションが出て、無事、転職する事ができた。給与や待遇等は少々前職より劣ってしまったが、彼のスキルをいかんなく発揮できる新たな場所で今も充実して働いている。

まとめ

転職回数が多くても転職はできる。この私もできたのですから。私が記憶する限り、20代で既に4回転職しており30歳前半にして5回目の転職、その仕事も1年ほどで新たに転職活動を行い、そして6回目の転職が天職(転職エージェント)となり今に至る。その職種も雇用形態も様々。アパレルから教材販売、不動産、紡績検査。アルバイトから派遣、契約社員、正社員等、全て経験済みだ。転職をしていくうちに、自分の売れる業種や職種を見極める事ができるようになった。自分の売り方のコツみたいなものがわかるようになったのは事実ある。自分で言うのもなんだが、適材適所を自分で探しだした。
払拭材料と何度も言っているが、料理でも、良い材料をしっかり揃えれば、良い出汁がでる。
そんな感じだ。
良い材料をしっかりと厳選し、どの調理法で調理するかを吟味し、自分にしか出せない出汁で転職を成功させよう。

Talisman編集部

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