外資系企業のスーツの選び方とは?業界別スーツカルチャーの傾向

外資系企業の第一線で良いパフォーマンスを見せるビジネスパーソンたちは、そのスーツスタイルも洗練されていて隙がありません。これから外資系企業に転職されるみなさんにとって、仕事で着用するスーツ選びについては迷ってしまうところでしょう。
もとよりファッションは個性の発露なので、一人ひとりの装いに関する価値観は違っていてあたりまえといえます。
また、実力がすべてといわれる外資系企業で働く人には、周囲やクライアントに甘く見られないように「ダサくてはいけない」「スマートに見られたい」「仕事ができると思われたい」という意識が根底にあるようです。
それらの背景を理解したうえで、外資系企業のビジネスパーソンたちのスーツスタイルを俯瞰すると、業界別に少なからず傾向があることがわかります。
この記事は、あくまでもこれから外資系企業で働こうとするみなさんに向けての、スーツ選びの参考情報です。外資系企業の代表的な業界別で、スーツを選ぶ基準や考え方、その背後にある「装い」に対するカルチャーについてご紹介しましょう。

外資系投資銀行のスーツスタイルの傾向

まずは「外銀マン」、すなわち年収の高さや就職偏差値の高さで注目を集める、外資系投資銀行で働くビジネスパーソンのスーツ事情に触れておきます。
取引先である企業や投資家を相手に、資金調達やM&Aのサポートをする外銀社員のイメージは一分の隙もない頼れるビジネスパーソンといった垢抜けたイメージです。
彼らはスーツにせよ靴にせよ時計にせよ、良いものを身につけます。特にこのブランドを選びがちというものはありませんが、ある程度共通する「こだわり」があるのです。
それは少し逆説的ですが、こだわらないためのこだわりといえるでしょう。

こだわらないためのこだわり?

彼らはファッションについて、細かく気を遣おうとする意識は薄いようです。もちろん、ビジネスで扱う金額の単位も大きく、取引先もそれなりのステータスの人ばかりなので、つまらないものを身につけるわけにはいきません。
そこで多くの外銀マンは、ファッション的にサイズ感も含めて自分に似合うスーツスタイルをひとつ見極めたら、それで自身のワードローブを統一する傾向が見られます。
あれこれ試す時間、迷う労力は無駄とばかり、決めたら同じテイストやブランド、サイズのものでバリエーションを増やすだけです。「トムフォード」が似合うと思ったらそれで何着も揃え、「リチャード・ジェイムス」が似合うと思ったらそればかり着用します。
外資系企業の中では比較的ハードワークだといわれる外銀マンは、スーツスタイルに悩むエネルギー自体が勿体無いということでしょう。
ちなみに、バッグを持たずに手ぶらで出社する外銀マンが、意外と多いようです。その理由は、書類の持ち出しはデフォルトとして厳禁さてれているので必要はないということらしいです。
紙幣もリッチなイメージの長財布に入れるかと思いきや、マネークリップでまとめるだけというシンプルなスタイルが多く見られます。

自分自身のスタイルを確立しよう

これから外銀マンを目指すひとは、まずは自分自身に似合うスーツスタイルやブランド、サイズフィッティングを見つけましょう。
それが見つかったら、自分のスタイルとして確立させるべく、1週間のローテーションとして3〜5着揃えてしまえば後は楽です。金額的には必ずしも高額である必要はありません。水準以上であれば、あとはその人の個性を引き出すもの、際立たせるものを選ぶのがよいでしょう。

外資系コンサルのスーツスタイルの傾向

次に、外資系コンサルティングファームで働くビジネスパーソンのスーツスタイルに目を向けてみましょう。コンサルタントという業種はサービス業色が強い仕事です。全般的にはフォーマル寄りの固いイメージのスーツファッションが多いようです。
傾向としては、その人自身の「個性」よりも「クライアント」に配慮する考え方が、スーツ選びにも反映しているようです。少し具体的に説明していきましょう。

クライアントとの調和を重視したスタイル

わかりやすくいうと、クライアントが官公庁関連であればチャコールグレイのスーツに白いドレスシャツというコンサバティブなスタイルで訪問します。
相手が保守的で制服的なスーツスタイルの方々なのに、そこへ間違っても「ベルサーチ」のような鮮やかな色目のスーツを身につけて登場するわけにはいきません。
しかしクライアントが服装は完全に自由なベンチャー系企業だったりすると、コンサバなスーツは違和感を与えかねません。かといって完全なカジュアルスタイルはコンサルタントとしての威厳も薄くなる懸念があります。
その場合の彼らは、テーラードジャケットにコットンパンツやジーンズを合わせ、ノーネクタイであってもソフトな襟付きシャツを着用するくらいのビジネスカジュアルで訪問することが多いようです。
クライアントに配慮したスーツスタイルとは、単純にクライアント側の雰囲気に合わせるという意味だけではありません。相手の職場の雰囲気からすると違和感があるスタイルで訪問したとすれば、どうしても異文化が「対峙」する趣きになりがちです。
コンサルタントとして良いパフォーマンスを発揮するためには、彼らの日頃の自然な感覚や本音に近い考え方を知ることが重要となります。ところが、対峙して構えさせてしまうとそういう部分が感じられにくくなるのです。
つまり、相手と調和するスーツスタイルは、ソリューションのためにリアルな情報を引き出すテクニックのひとつといえます。しばしば見られる、コンサルが常駐するようなケースなら、なおさらでしょう。

数パターンのスタイルを持っておこう

これから外資系コンサルティングファームで働くみなさんは、あらかじめ自分が訪問することが想定される業界のファッション感覚を企業メディアやSNSなどで調べておくことをおすすめします。そして、それに見合うスタイルを何種類か持つことが役立つでしょう。

外資系メーカー・商社のスーツスタイルの傾向

さて、外資系企業の中で比較的一般的な仕事ともいえるメーカーや商社のビジネスファッションを見てみましょう。この業界の外資系企業は自由度が高いようです。企業の雰囲気というよりは各人が個性的なファッションで働く傾向があり、必ずしもスーツスタイルが必須ではありません。

結果が出せればどんな格好で仕事しても構わない?
極論からいえば、結果としての数字が上がっていれば、基本的にはどんな格好をしていても問題ないということでしょう。だからといって、「じゃあ似合っていればなんでもいいや」という判断は違うのです。
数字を上げるためには欠かせない存在、仕事のうえでの相手が必ずいます。クライアント、あるいはカウンターパートにあたる人たちとの関係の中で、いくら個性を表現するといっても、個性的過ぎる奇異な服装で違和感を与えてしまうのは得策ではありません。
サービス業であるコンサルほどではないにせよ、より良いパフォーマンスのためには、ある程度相手との調和も意識しつつの個性の表現であるべきでしょう。

好感が持てる表現で個性をアピールしよう

今後外資系のメーカーや商社で働くこと目指すみなさんは、個性を表現するスタイルを基本と考えておけば間違いないでしょう。しかし、いくら個性的でも仕事上で相手や周囲に奇異な感じを与えては何にもなりません。
我が道を行くような孤高のスタイルなどではなく、好感を持たれたり愛されキャラになれたりするような個性の発揮の仕方を研究するのが賢明だと考えましょう。

外資系IT企業のスーツスタイルの傾向

最後に外資系IT企業に関しての、スーツを含めた服装に対するカルチャーについて触れておきましょう。彼らの仕事着は、シリコンバレーの企業イメージのように、自由でラフなスタイルが浸透しています。
彼らにとってはスキルや知見こそが重要であり、ファッションに関しては個性を全開するような人や全く無頓着な人(それも個性)などさまざまです。よってスーツを着用しない人も多いですが、まったくいないわけでもありません。
いずれにしても、アイテム云々以前に各人が個性的な服装で仕事をする業界であると総括できます。ただしクライアントにSE(システムエンジニア)が常駐する場合は、ある程度相手の雰囲気に合わせることもあるでしょう。

石油王を彷彿とさせるスティーブ・ジョブズの服装哲学

この業界の象徴的な存在であるスティーブ・ジョブズは、一貫して同じシンプルなスタイルを続けることに哲学を持っていたようです。
トレードマークの「イッセイ・ミヤク」のタートルネックや「リーバイス」の501ジーンズ、「ニューバランス」のスニーカーにこだわって、基本的には他のものを身につけませんでした。それこそが彼のスタイルとして、目に焼き付いている人も多いことでしょう。
これは実は、昔の「石油王」と呼ばれた、大実業家であるジョン・ロックフェラーの服装哲学に通じるものがあります。彼はまったく同じ濃紺のスーツ、黒のプレインキャップ・トゥ(ストレートチップ)のドレスシューズ、白のドレスシャツ、ワインカラーのネクタイを常に何点も所有していました。
消耗すれば補充するという着回しだったのです。つまり、いつ誰に会っても、完璧に同じスタイルの「ジョン・ロックフェラー」像を構築しており、決してブレることがありませんでした。
※この事実はネット情報にはありませんが、実際にさまざまな文献に見られます。必ずしもネット情報が、全てを伝えるわけではありませんので悪しからず(筆者)
とはいえ、スティーブ・ジョブズも金融機関を訪れる時は、クラシコイタリアの一流どころ「ブリオーニ」のスーツを見事に着こなす男前ぶりだったといわれています。ジョン・ロックフェラーであっても、マイアミビーチにダークスーツを着ては行かなかったでしょう。
でもそれが意外に思えるくらいに、徹底したイメージを築き上げたことは驚嘆に値します。

自分らしさを表現するスタイルを見つけよう

将来外資系IT企業に転職したいと考えているみなさんは、スーツも含めてファッションそのものが自分らしさを表現するものと捉えるのがよいでしょう。
その結果スーツがあなたらしいのならそれもアリといえます。スポーティなカジュアルスタイルがあなたらしいのなら、それがあなた自身のスタイルに相応しいでしょう。
そして、「ここぞ!」という時のために、文字通り「一張羅」として上質なスーツを1着は持っておきたいものです。

まとめ

これから外資系企業で働くみなさんに向けて、外資系企業の代表的な業界別に、スーツスタイルに関して触れたうえでスーツの選び方をご紹介しました。各業界のカルチャーが仕事の服装にも反映していて、ある意味わかりやすいともいえるでしょう。
また、スティーブ・ジョブズやジョン・ロックフェラーのような一流の人たちの服装哲学も、それを真似る必要はありませんが、大いに参考になるのではないでしょうか。
ここでご紹介した情報もぜひ参考にしていただいて、あなたの個性を活かせて、なおかつ業界風土に馴染むスーツスタイルを見つけてください。

Talisman編集部

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