転職1年目エンジニアはキャリアプラン実現のため何を目標にすべき?

転職してエンジニアになった1年目の人や今後エンジニアの道に入ることを検討したり、そのための準備をしたりしている人にとって、どのような目標を掲げたらよいのか、迷ったり悩んだりすることもあるのではないでしょうか。
「1年目で読むべき参考書や目指すべき資格があるのか」や「どういったスキルから身につけていくべきなのか」などの迷いもあるでしょう。
この記事ではエンジニアに転職して1年目の人が立てるべき目標について、目標設定の際に役立つポイントや注意点にも触れながら解説し、具体例もご紹介します。

エンジニア1年目の仕事とは?

まずはエンジニア1年目の、基本的な仕事内容を確認しましょう。転職してエンジニアになった場合も、新卒でエンジニアとして入った場合と同様に、当初はおおむね以下のような仕事内容がメインとなります。
●各種研修
●資料作成
●テスター(納品前の成果物のテストをする役割)
●先輩社員の業務補助
新卒で入ったエンジニアの場合は、以上の内容をスケジュールに落とし込んだカリキュラムのようにこなしていくことが多いのです。しかし転職で中途採用として入ったエンジニアは、レベルに合わせて臨機応変に進んでいくことになるでしょう。
いずれにしても1年目のエンジニアには、プログラムをゼロから作らせてもらう機会は少ないのは間違いないです。先輩エンジニアの業務補助やテスターの仕事ばかりであれば、成長が感じられずに焦る場合もあるかもしれません。
しかしエンジニアにとって1年目は、スキルや知識をどんどん吸収しやすい時期です。与えられた仕事を粛々とこなしつつ、自ら求めて積極的にいろいろな業務にトライさせてもらう気概も成長には必要だと考えられます。
そういうことが許される時期が1年目の強みなので、考えて様々な仕事に関わっていくチャンスととらえる姿勢が望ましいでしょう。

エンジニア1年目の早い段階でクリアしておきたい2つのこと

1年目のエンジニアには、目標とは別にできるだけ早い段階でクリアしておきたいことが、ふたつあります。ロジカルな思考回路の確立と、自分に合うエディタを見つけることです。
それぞれについて、少し詳しく触れておきましょう。

ロジカルな思考回路を確立しよう

1年目のエンジニアが意識すべきことのひとつに、ロジカルな思考回路の確立があります。つまり、エンジニアの思考回路は論理に基づくものでなければ、さまざまな局面に対応できません。
1年目のエンジニアとして仕事をするうえで、何かトラブルに遭遇した場合を想定しましょう。そのときパニックに陥らずに冷静に原因を究明できるかどうか、対応策を効率よく見つけることができるかには、論理的な思考ができるかどうかにかかってきます。

自分に合うエディタを見つけよう

エディタはご存知のように、プログラミング言語で構成された文字列であるコードを編集するツールです。多くのエンジニアはコードを書くにあたって、エディタを通して作業を進めます。
エディタには様式を整えるフォーマット機能や、コード内での言語検索機能などさまざまな機能が搭載され、多くの種類が存在するのです。
1年目の自分にとって、最も作業がしやすいエディタを見つけられるかどうかは、目標の達成度にも大きく関わってきます。

目指すキャリアプランからの逆算がキモ!エンジニア1年目の目標の立て方

右も左もわからないエンジニア1年目であっても、漠然と「成長したい」「優秀なエンジニアになりたい」などと思っていても、具体性のないところにドラスティックな成長などありえません。
エンジニア1年目においての目標を掲げることは、将来歩んでいきたいキャリアプランを実現するための「スプリングボード」としての重要な意味を持っています。
前提として覚えておいていただきたい点として、1年目のエンジニアが目標を立てる際に注意したいのは、目標達成にこだわりすぎないことです。仮に期限を切って何かの技術の習得を目標にしていて、結局その期限内には習得できなかったとしましょう。
その場合、結果だけ見れば目標を達成できなかったことになります。しかし、それでも目標に向かって努力してきたプロセスの中で、成長した自分を認めることが絶対に大切です。
これは1年目の目標を立てる際に、特に重視すべきポイントとなります。
また、1年目のエンジニアはともすれば勢いで大きな目標を立ててしまうことがありがちです。大切なことは、背伸びせずにできるだけ等身大で自分に見合った目標を立てることといえるでしょう。
大き過ぎず小さ過ぎない現実的な目標や、短期の目標をいくつも達成することで、自分自身の大きな目標が見えてくることがあります。また、その将来の大きい目標の達成に、確実に一歩ずつ近づくという意味合いがあるのです。

押さえておきたい!目標に関する4つの注意点

目標を設定するにあたっての、注意しておきたいことが以下のように4項目あります。
●情報源を厳選する重要性
●実践と学習の優先順位
●目標をアップデートする柔軟性
●自分の領域を意識し過ぎないこと
各項目に、少しく詳しく触れておきましょう。

情報源を厳選する重要性

1年目のエンジニアには、技術に関する豊富な情報をインプットすることが必要不可欠です。とはいえ、必要としている情報に関するものならばどんなものでも押さえればよいというわけではありません。
まず、情報の鮮度は重要です。できるかぎり新しい情報を取得しましょう。そのうえで、時には古い情報の中に重要な示唆が含まれていることもあります。
よって、基本スタンスとしては新しい情報を参考にしながら、腑に落ちないときや行き詰まったときは、古い情報も参考にしてみるのが賢明な情報の取り方といえるでしょう。
また、1年目のエンジニアには、いろいろな面において不安があるもので、迷う局面も多々あります。そういう点では、触れ合う人たちも働き方や考え方に関する貴重な情報源です。
そういった場合には、できるだけレベルが高いと思える人たちと接してみるのがよいと考えられます。そういう人たちと考え方や努力の仕方、働き方について語り合えば、よい刺激を受けて自身の目標を立てる参考となるでしょう。

1年目は「学習」より「実践」を優先しよう!

1年目のエンジニアにとっては、参考書を読むことはもちろん大切ですが、それ以上に実践することを優先したいものです。
エンジニア1年目のうちに資格を取ることを考える人もいるでしょう。それも意味があることです。しかし、資格取得のためだけの勉強になってしまっては意味が薄れていきます。
エンジニアにとって最も成長しやすい1年目は、実務経験を通じて成長するプロセスを大事にしたいものです。実践の中で必要に応じて参考書を学ぶことは知識の内在化につながります。
資格も大事ですがそれよりも先に、コードを実際に書けるようになること、プログラミングスキルを着実に身につけることは、将来のキャリアプランの実現にも役に立つでしょう。
また、スクールとは違って職場では自分から求めなければ誰も教えてくれません。若いうちから貪欲に他のエンジニアの知見を共有させてもらい、自分の中に取り込みましょう。

目標をアップデートする柔軟性

さまざまな目標達成に向けて同時進行で向かっている途中に、違和感を覚えたとしたら思い切って軌道修正を図ることも必要です。すでに立てた目標にとらわれすぎる必要はありません。
1年目の目標は、立てた後も躊躇せずにアップデートを繰り返す柔軟性が求められます。自分に見合っていない目標を達成しようとすることは、却って自らの成長を妨げてしまうおそれがあるからです。

自分の領域を意識し過ぎないこと

エンジニアは比較的、個人でこなす仕事が多いので、自分の領域からできるだけはみ出してはいけないと意識することも多いでしょう。
しかしながら、エンジニア1年目で領域を意識しすぎることは、進むべき方向性が狭くなるおそれがあり、成長に逆効果です。
逆に自分の仕事とは無関係に思えても、仕事の中で触れた内容に対して興味を持って調べてみたり、先輩に話を聞いたりするのはよいことだといえます。そうやって蓄えた知識が、将来の仕事に活きてくることもあるでしょう。

エンジニア1年目の目標例を紹介

人によって、さまざまな目標の立て方があるでしょう。ここではあくまでも参考として、目標の例を3つほどご紹介しておきます。

プログラミング言語の習得

プログラミング言語は、主なものを挙げただけでも以下のように多くの種類があります。
●Java
●C++
●C#
●JavaScript
●jQuery
●Html
●CSS3
●PHP
●Ruby
●Python
●Objective-C
●Swift
それぞれの特徴や特性を理解した上で、まずは現在携わっている業務に関して必要な言語を最優先で習得しましょう。
そのうえで、今後自分が活躍するフィールドを広げるために、得意な言語をひとつまたひとつと増やしていくことが賢明です。

チーム目標達成のための自己目標を設定

会社組織に所属するエンジニアはチームのメンバーで、仕事を分担して仕上げることもあります。そして、チームとしての大きい目標を掲げることも珍しくありません。
チームで一丸となって目標の達成を目指して各自が仕事に取り組むことで、成果物のクオリティーを高める効果があります。そこで、チーム目標が決まったら、一歩進んでそれを達成するための自分の目標を立てましょう。
チームの大きな目標を睨みつつ、そこに行き着くまでの過程に自分の身近な目標を置くと、仕事に対するスタンスは大きく変わっていきます。

副業で実績と経験を積みつつスキルを磨く

1年目のエンジニアに与えられる仕事は、当然ながら簡単な内容であることが多いです。これには、もし成果物が中途半端な仕上がりであった場合のクライアントの信用問題があるので仕方のないことだといえます。
しかし、簡単な仕事ばかりをこなしていては、自分の成長や位置付けが分からず、不安になることもあるでしょう。そんなときは、環境的に問題がなければ、スキルを身につけるために副業を始めてみることもひとつの方法です。
エンジニアは、リモートワークやフレックスタイムが比較的導入しやすい職種といえます。会社に迷惑を掛けない前提で、スキマ時間に副業をこなして経験を積むのはよいことといえるでしょう。
もちろん、参考書での学習もレベルアップのひとつの方法です。しかし、実践の中で鍛えられるほうが、より短期間でスキルそのものをアップできると考えられます。
副業でのメリットは、もちろん業務委託料も得られますが、それ以上に優秀な先輩エンジニアたちからレビューを受けられることが大きいのです。
コーディングや設計の仕事において、レビューを受けることは自身の視野を広げ、知見を深める得難い機会となります。
よって、可能であれば副業をすることがおすすめであり、取り組むからには形としていくら稼ごうという目標を設定して、モチベーションを上げていきたいものです。

まとめ

エンジニアに転職して1年目の目標について、目標を立てる際の注意点にも触れながら解説しました。
エンジニアにとって1年目という時期は、あらゆる点においてまさに手さぐりで進んでいる状態です。1年目において大切なのは、自分の領域を意識し過ぎて方向性を限定せず、柔軟に貪欲にさまざまな知見を吸収するスタンスといえます。
そのスタンスで、将来のキャリアプラン実現を見据えた目標を掲げましょう。転職して1年目のエンジニア、あるいはエンジニアを目指すみなさんは、ここでの情報も参考に、将来の大きい目標に通じる、現状に向き合った等身大の目標を設定してみてはいかがでしょうか。

Talisman編集部

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