マネジメント職の志望動機は一般職と一味違う?効果的な書き方を解説

転職活動においてマネジメント職は一般職に比べて給与面の条件も上がり、やりがいも大きくなると考えられます。
当然ライバルも多くなるので、差をつけるためには履歴書の志望動機がひとつのポイントとなるのです。
しかし、どう書けば効果的なのか、迷う人も多いことでしょう。
この記事では、中途採用のマネジメント職の選考においての、効果的な志望動機の書き方を、企業側が確認したいことなどを紹介した上で解説していきましょう。

企業がマネジメント職の志望動機で見極めたいものとは?

マネジメント職だからこそ、応募先企業の選考担当者が志望動機で見極めたいポイントがあります。
マネジメント職と一般職とでは、役割が大きく違います。
一般職は、取り組むべきものが担当する業務そのもので具体的です。目の前の仕事に、頭も使って打ち込むことが、おおむね成果につながりやすいといえるでしょう。
しかしマネジメント職が取り組むべきものは、組織全体の方向づけと各メンバーの仕事のクオリティを管理することで業績向上につなげるという、形に表しにくいものです。
一般職の場合は「入社意欲の度合い」や「企業との相性」です。基本的には同じ方向性ではありますが、以下のようにより具体的な内容になります。
業界構造の理解の深さ
マネジメント職としての自己評価の客観性

それぞれを詳しく解説しましょう。

業界構造の理解の深さ

選考担当者が一般応募者に対して確認したい「入社意欲の度合い」と同じ方向性です。
マネジメント職なので、入社意欲はその企業も含めた業界構造の深さに反映されるといえるでしょう。
組織をマネジメントする上で、即戦力となるためにはそれが欠かせません。
入ってから勉強するようなことではないのです。業界構造を理解してこそ、その企業の位置付けや強み弱みもわかり、組織の方向性をよりよく導けるのです。
それが志望動機の中に、多少なりとも伺えるかを見極められます。深くその企業と業界を理解した内容が反映されているのかがポイントで、そこが曖昧であればその企業でなくてはならないという意志は確認できません。

マネジメント職としての自己評価の客観性

こちらは選考担当者が一般応募者に対して確認したい「企業との相性」と同じ方向性です。
マネジメント職という立場の自分を客観的に評価できていない応募者では、求めるポジションで活躍が望めません。
きちんと組織の方向付けができるのか、個々のメンバーの仕事のクオリティを管理できるのかという自身のスキルの見極めができていなければ、マネジメント職としては不十分です。
お互いにデメリットを与えることになるのを避けるためにも、マネジメント職としての自己評価の客観性の見極めは重要です。

マネジメント職応募者が志望動機に盛り込むべき要素

履歴書の志望動機の文章量は200〜300文字の範囲内が適切とされています。そう長くない文章の中でも、採用を目指すなら必ず盛り込むべき要素があるのです。
マネジメントの経験者と未経験者で異なる部分もあるので、まずはマネジメント経験者として、志望動機に盛り込むべき要素から紹介します。

マネジメントの経験を強調するために

マネジメント経験をアピールするためには、以下のような項目を意識して盛り込みましょう。それによってマネジメント経験が、はっきりと強調されるので入れない手はありません。

  • マネジメントスキルを表現できるエピソード
  • マネジメントしていた組織の規模や部下の人数
  • 部下への指導力およびプロジェクトの貢献度を表せる具体的な数値

実務経験の中でのマネジメントスキルが示されているエピソードがあれば、ぜひ盛り込みましょう。リアリティが伝われば、印象に残ります。
また、組織の統制力や部下への指導力を、その規模や人数の面からアピールしましょう。
さらには、実務能力だけではなく、新事業や新部門を立ち上げた実績などがあるなら、そのときの手法とともに強調しましょう。
たとえ期間が短くても、マネジメント職の経験と実績は強調する必要があります。

実績アピールの注意点

マネジメント実勢の強調は必要ですが、ひとつ注意しておくべき点があります。
選考担当者が知りたいのは、アピールされたその経験をどのように自社で活かしてくれるのかという部分です。つまり、マネジメント職経験者であっても、転職先の企業では新入社員であることを認識しなければなりません。
数字やエピソードは客観性を強調するのでよいのですが、心情的あるいは感情的な表現が混じってくると、せっかく良い内容でも謙虚さを欠く独善的なイメージが出るおそれがあり、マイナスになりかねません。
そうならないように、あくまでも謙虚な姿勢で、客観的な視点での実績アピールであるようにしたいものです。

 

マネジメント職未経験者の場合

マネジメント職の未経験者にとって、経験者と比べて多少なりとも不利になるのはやむを得ません。しかしながら、マネジメント経験イコール役職経験ではありません。
応募資格としての管理職経験者などは、実際にそういうポジションを務めた事実が求められますが、「マネジメント」自体は立場を意味するのもではないのです。
リーダーシップを発揮して組織を牽引することや、後進を育てること、そして計画の進捗を管理することなどがマネジメントです。
よって、役職がなくとも以下のような経験があれば、マネジメントの資質があることをアピールできます。

  • 店舗の店長が海外研修にて長期不在時に、店舗の運営とスタッフの指導を託され、その半年間は前年実績を大幅に上回る業績を上げた
  • 人員不足の折に、小規模の開発プロジェクトを1人でやりきり、クライアントにも高い評価を得た
  • 前の工場長が突然退職した際に、後任が系列工場から赴任してくるまでの数ヶ月間代理を務め、生産数と品質を落とさずに取り仕切ることができた

このようなエピソードが過去になかったか、探してみましょう。
もしあれば、その時実績がどうなって第三者の声や評価がどうだったかを添えることで、良いアピール材料になります。
ほかには、マネジメント方面を目指すために学んだ経験、書籍の研鑽やセミナー受講、資格試験へのトライなどがあればそれも書き、真摯に目指していることをアピールしましょう。

マネジメント職の志望動機の効果的な書き方

ここまでで挙げたポイントを、実際の志望動機に効果的に反映させるための上手な書き方について解説しましょう。
選考担当者の理解や納得を得るためには、記載された内容が伝わりやすいことが必要不可欠な前提です。
いうまでもなく、内容が整理されていないと伝わりにくくなります。読み終わった後に、印象に残るのが難しくなるでしょう。
伝わりやすい文章の順番があります。それはまず「結論」を提示し、次のその「根拠」を明確にし、最後の「決意」で締めくくるのです。
この3つのステップを詳しく解説しましょう。

「結論」を提示

志望動機の冒頭の文章は、とにかく結論から入ります。読む側にとって、まず頭から結論を提示されるとゴールがはっきりしているため、その後に読む内容にストーリーを感じて、入ってきやすくなるのです。
丁寧に練り上げた文章は、それだけ伝わりやすくなります。
それにひきかえ、ゴールが見えない文章は、読み進んでも伝わりにくいものです。最後に結論を読んだ時に納得はしても、印象には残りにくいでしょう。
志望動機を凝縮して、冒頭の一文にまとめ切りましょう。詳細は後に続く部分で補足できます。冒頭から選考担当者にあなたの印象を刻みつける、強い一文にしましょう。

「根拠」を明示

次の段階は、冒頭に提示した結論の「根拠」を明示して、結論の信憑性を補強します。ここでも、具体的な内容が必要です。数字を伴う実績やエピソード、第三者の声などがあるとよいでしょう。
マネジメント職の経験や、役職がない場合も前述のような「マネジメント経験」を盛り込むことで説得力が増します。

揺るぎない「決意」で締めくくり

「結論」の提示から「根拠」の明示という流れで整理された文章により、それを読む選考担当者にわかりやすく伝わり、良い手応えを与えている可能性は高いでしょう。
そして最後は強い「決意」をもって締めくくるのです。抽象的ではダメであり、具体的な内容を踏まえた決意でなければなりません。そのあたりは、次に紹介する例文にて確認してください。

マネジメント職の志望動機例文

マネジメント職の志望動機の例文を3例紹介しておきます。これらは先に解説した、「結論」「根拠」「決意」の流れに沿っているので、ぜひ参考にしてください。

例文A

かねてから私が深く興味を惹かれていた貴社のクラウド型営業支援システムに関する、セールスマネジメント職を募集していることを知るにあたり、自己実現の機会だと考えて勇気を持って志願いたしました。
大学卒業後に業務用ソフトウェアを扱う企業に入社し、その後クラウド型人事システムを手掛ける企業の営業マネジャーとして4年間勤めた後、目標達成の責任感の重みと後進を育てる喜びを存分に味わった年月でした。
これまでのクラウドに携わったセールスマネジメント経験は、貴社の今後のクラウド型営業システム販売において必ず貢献できると確信し、志願をさせて頂きます。

例文B

アメリカ勤務の予定がある貴社のマネジメント職の採用募集を拝見して強く興味を抱き、グローバルな舞台でのマネジメントに挑戦したく、この度志願をしました。
生命保険の営業職として入社し、7年前からはマネジメント業務に携わっています。マーケット分析やスタッフの特性分析などの分析スキルで評価を受け、一昨年シンガポール支社の立て直しに派遣され、成果を上げて帰国しました。
常にマーケットの動向を把握し分析しながら、マネジメントに勤める中で磨いたノウハウを注ぎ込んで、貴社のアメリカ展開の礎を築きたく、志願させて頂くものです。

例文C

私も暮らしているこの地域で、地域密着型流通企業の代表格としての貴社の地域愛に溢れたビジネス展開に以前から感銘を受けてきた私は、この度貴社の採用募集を拝見し、ぜひ貴社のもとで働きたく、志願をさせて頂きました。
大手スーパーマーケットの部門マネージャーとして、これまで3年間勤務してきました。スタッフの個性にあわせてコミュニケ-ションを工夫し、独学によるコーチングが功を奏して部門として全国でも屈指の業績を上げて表彰も受けました。
すべてのスタッフが積極的に業務に取り組めるような組織運営を貫いてきた私のマネジメントスキルで、貴社の今後の展開に貢献したく、謹んで志願をさせて頂きます。

まとめ

中途採用のマネジメント職の募集においての、ライバルに差をつける効果的な志望動機の書き方を、盛り込むべき要素などを強調した上で解説しました。
一般職よりも好条件であるだけ、選考の基準も厳しくなるのは当然です。その中で書類選考をクリアして面接での好印象につなげるためにも、志望動機は重要となります。
マネジメント職の転職を検討しているみなさんはここでの情報を参考に、強く印象に残る志望動機を書き上げて書類選考を突破してください。

いますぐ求人を探す

タリスマンに転職相談をする

Talisman編集部

最新の転職市場、キャリアアドバイスの他、効率的な働き方やビジネス英語等のスキルアップに向けた旬な情報をお届けします。

コーポレートサイト
talisman-corporation.com/ja/

Linked In
@talisman-corporation

Facebook
@talisman.recruitment

YouTube
@TalismanCorporation

Instagram:
@talisman__corporation

関連記事

  1. 管理職なら知っておきたい36協定!改正の内容とよくある誤解も解説

  2. 今すぐ改善しよう!管理職の能力不足が起こす弊害と改善方法とは

    今すぐ改善しよう!管理職の能力不足が起こす弊害と改善方法とは

  3. 管理職に残業代はつかないの?有無の基準と外資系の残業観も紹介

  4. 面接傾向から戦略を練ろう!管理職の転職成功のための完全マニュアル

    面接傾向から戦略を練ろう!管理職の転職成功のための完全マニュアル

  5. 傾聴・承認・質問のサイクル【育成コーチング4】

  6. 相手の心に響く承認のしかたとは?【育成コーチング10】

  7. 距離を保ったコーチングをするには【育成コーチング9】

  8. 内定を引き寄せる!プロジェクトマネージャーの志望動機の作り方

    内定を引き寄せる!プロジェクトマネージャーの志望動機の作り方

  9. 心の本質を聞くコーチングその2- 達成できなかったら、どんな悪いことが?【職務記述書(JD)を書くた…

SNS

PAGE TOP

ビジネスのプロフェッショナルをつなぎ、転職を成功に導く

スカウトを受ける