IT業界は転職回数が多くてもOK!その理由と転職成功の秘訣とは

IT業界は転職回数が多くてもOK!その理由と転職成功の秘訣とは

IT業界はほかの業界と比べて、技術職を中心に転職が多いといわれています。転職を数回経験し、現在も転職を考えている方にとって、転職回数が多いと選考に不利ではないかも気になりますよね。

IT業界において転職が多い理由や転職成功の秘訣を知っておくことで、あなたの希望に沿った転職が実現する可能性を高められます。今回の記事では、IT業界の代表的な転職理由と転職を成功させるためのポイントを詳しく解説しましょう。

IT業界の転職市場

まずは、現在のIT業界の転職市場を概観しておきましょう。IT関連技術職の長期化する人材不足は、今後さらに深刻化すると予想されています。

国を挙げて推進されるDX(デジタルトランスフォーメーション)がそれに拍車をかけ、コロナ禍がもたらした新市場(営業を含むあらゆる業務のオンライン化や勤務のリモート化など)の需要に対応するために、さらに人材が求められています。そのような状況下でIT業界としては「外国籍エンジニア」「中高年エンジニア」「エンジニア実務未経験者」を積極的に採用するケースが増加傾向にあります。

外国籍のエンジニアを雇用する場合は、比較的人件費を抑えられます。また、PC上の作業がメインの専門職なので言葉の壁がさほどネックになりません。そのあたりが外国籍エンジニアを採用しやすい要因でしょう。また、かつては30代の半ばを過ぎるエンジニアは転職が難しいといわれていました。しかし最近では、むしろ即戦力枠として悪くない条件で採用されることが増えています。実務未経験からの転職志望者も、研修制度を充実させて育てていく前提のポテンシャル採用で受け入れるケースが増えています。

そういった背景があり、ハイスキルエンジニアはもちろんとして、実務未経験でもポテンシャル採用をするくらいエンジニア全体の需要が高まっているのです。一方、IT関連の需要が全体的に伸びているので、それらを最前線で提案・販売する営業職や後方支援するバックオフィスに関しても安定した需要があります。つまりIT業界の転職市場は、技術職も一般職もかつてないほど門戸が開かれていると考えてよいでしょう。

IT業界で転職が多い理由とは

転職がIT業界で比較的多いのには、厳密に言えば技術職寄りの傾向です。一般職においては、多少人材の流動性が高いとしても技術職ほどではありません。そのため、ここではIT業界の中でもエンジニアやプログラマー、プロジェクトマネージャーおよびリーダー、ITコンサルタントなど技術職を中心に話を進めます。

彼らがよく転職するのにはさまざまな理由の中で、代表的なものは以下の4つです。

  • スキルアップのため
  • キャリアビジョンの実現のため
  • 年収を上げるため
  • 引き抜きのオファーを受けたため

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

スキルアップのため

IT業界とひと口にいっても、企業や業種によって求められるスキルは異なります。同じ企業の案件なら、たいてい同じ系統の技術を使用することが多いです。そのためいくら得意であっても、使わない種類のスキルはいつまで待っても活かせる機会はありません。また、別の系統のスキルを身に付けたい場合にも、社外に機会を求める必要があります。

同じ企業で長く仕事をしていると、使うスキルが固定化されてしまいがちなので、転職を考える際に潰しがきかなくなることもあるでしょう。そうでなくともIT業界のテクノロジーは、刻一刻と進化しています。保有スキルで楽にこなせる無難な仕事に安住していると、時代の流れに乗り遅れるのは確実でしょう。将来的にはこなせる仕事がなくなってしまうと、危機感を感じるエンジニアも少なくありません。

エンジニアは保有スキルが増えるほど、比例してアサインされるカテゴリーも広がっていきます。そのため純粋にスキルアップを見据えた転職は、ポジティブに受け取られるケースが多いです。

キャリアビジョンの実現のため

IT企業においては職種が細分化している上に、企業によって事業の方向性が異なります。そのため、手掛けたい仕事の方向性があっても、社内にそういうポストがなければその企業では実現できません。

たとえばデータアナリストやITストラテジスト、ITコンサルタントなどになりたい希望があっても、そのポストが社内になければ業務に携わることができないのです。ましてポストがあったとしても、枠が埋まっていておまけに次に控えている人もいれば、そのポストにたどり着くのはいつになるかわかりません。また待っていても、抜擢される保証などもないです。

キャリアビジョンを実現できる環境にいないことで、悩んでいる人たちも少なくありません。状況的にキャリアビジョンの実現が厳しい場合は、転職の道を選ぶエンジニアが多いのは自然なことです。

年収を上げるため

IT業界の、特に受託開発を行うSIer企業には、下請けの多重構造が存在します。案件の規模が大きくなると、二次請けどころか三次請け、四次請けとなることも少なくありません。下請けへの発注が行われるのは、基本的に発注側企業がこなせるキャパシティを超えたときです。したがって、下に行くほど報酬が低い案件になります。

そのため下請構造の下方にある企業に務めるエンジニアは年収が低くなりがちであり、仕事内容以前に年収アップのために転職を考えることが多いのです。また、そのような下請けの場合ではなくとも、自身のスキルレベルやこなしている業務内容からすると給与が低すぎると感じ場合もあります。そして評価制度に疑問や不満を抱き、転職を決意するケースも多いです。

引き抜きのオファーを受けたため

引き抜きが多いのもIT業界のひとつの特徴です。希少価値があるスキルや多方面のスキルを保有する人材は市場価値が高くなります。そういう場合は、業界内の別のIT企業からの引き抜きの話が発生することが多いです。引き抜きの場合、多くは現職の年収よりも20〜30%程度のアップの条件でオファーがあるでしょう。そして引き抜きが多い優秀な人材は、自然と転職回数も多くなります。

IT業界で転職回数が多いと選考に不利か?

他業界に比べて転職が多く見られるIT企業業界では、転職の際に過去の転職回数が多いとはたして選考に不利になるのでしょうか。転職志望者には気になるところなので、詳しく掘り下げてみましょう。

IT業界は転職回数が多くても問題ない

結論からいえばIT業界の中途採用の選考において、転職回数が多くても基本的には問題ありません。その理由を説いていきます。

IT業界の技術職の場合、そもそも一人前に成長するためには、複数の現場でキャリアを積むのが一般的です。とはいえIT業界は専門領域が細分化しており、企業ごとに専門性が異なります。そのため、エンジニアが多様な業務を経験する上では、複数回の転職が不可欠です。一定期間勤めた後に職場を変えることは、成長を目指すエンジニアにとって自然な選択だという業界としての共通認識が存在します。真摯に理想を追い求める人材ほど、転職は必然です。そのため、選考担当者は転職回数だけを取り上げてネガティブな判断をせず、候補者のスキルやキャリアの一貫性などを重視して評価する傾向にあります。

過去のキャリアストーリーや転職理由を、合理性を伴って説明することができれば、転職回数はマイナス要素にならないのがIT業界の良いところです。目の前の転職によってスキルアップできることを客観的に伝えられれば、むしろプラスに働くこともあるでしょう。

キャリアパス次第で有利か不利かが異なる

IT業界は人材の流動性が比較的高いので、キャリアやスキルを重視して人材を確保しようとする文化があります。そしてまた、どのIT企業でも人材不足が続いているため、キャリアアップやスキルアップが目的の転職志望者は歓迎する企業が数多く存在します。

たとえ転職回数が多くても、優れたキャリアやスキル、実績を持つ人材なら有利でしょう。あくまでキャリアパス次第ということになります。ここでは転職回数が多くても不利にならないケースと、転職回数の多さが不利になるケースをそれぞれ見ていきましょう。

転職回数が多くても不利にならないケース

以下の3つのケースでは、転職回数が多くても選考で不利になりません。

  • 仕事に対する軸がブレていない
  • 転職回数に比例してスキルアップしている
  • 客観的に評価できる実績を残している

これらの要素が選考担当者に伝わっている場合は、転職をポジティブに捉えてもらえるので不利になる心配はありません。

転職回数の多さが不利になるケース

以下の3つのケースでは、転職回数が多いことにより選考で不利になります。

  • 転職理由が漠然としている
  • 転職を短期間で繰り返している
  • 転職後も同じような仕事をしている

これらのような理由で転職を繰り返していると、仕事に向き合う姿勢が疑われかねません。キャリアやスキルが伴っていても、内定が出されにくくなるため注意しましょう。

転職回数が多い場合でも転職を成功させるポイント

転職回数が多くても、先に述べた不利になるケースにあたらなければ気に病む必要はありません。その上で、一歩進んで積極的に内定獲得を狙うためには、押さえておくべきポイントが以下の6つです。

  • 現在の職場を批判しない
  • 転職理由を明確かつポジティブに
  • キャリアに一貫性を持たせる
  • 自分の市場価値を客観的に評価する
  • 実績を数値でアピールする
  • 転職エージェントに相談する

個別に詳しく見ていきましょう。

現在の職場を批判しない

転職を考える際には、現在の勤務先に何らかの不満を感じていることが大半です。しかし、面接の場で現在の職場を批判するのはマイナス評価につながります。なぜなら選考担当者は、以下のように考えてしまうからです。

「この人はうちの会社に入って続かなかった場合、よその面接でうちのことをこんな感じで悪く言うのだろうな」
「同じような理由でうちの会社も短期で退職するのではないだろうか」

勤務先に不満があったとしても、それは口に出さず胸にしまっておきましょう。

転職理由を明確かつポジティブに

転職理由は人それぞれで、ネガティブな理由の場合も多いです。それでも、転職の際の応募書類に記載したり面接で回答したりする際は、明確でなおかつポジティブな表現で語れるように準備しておきましょう。

IT企業は一般的、平均的な企業に比べて、キャリアやスキルを重視する傾向があります。応募書類や面接での受け答えの中で、転職理由をすっきりと説明できて前向きに受け取ってもらえれば、それまでの転職経験もプラスに評価される可能性が高まります。転職理由をポジティブに言い換える方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひお読みください。

キャリアに一貫性を持たせる

選考担当者は、転職回数の多い候補者が転職を繰り返した理由が気になります。選考担当者がそれぞれのキャリアにストーリー性を見出すことができなければ、転職の繰り返しに必然性を感じられません。そうなると、候補者の転職理由や志望動機に説得力がなくなります。そのため転職回数が多い場合は、できるだけキャリアに一貫性をもたせることが大切です。

一見バラバラに見えるキャリアであっても、その流れを俯瞰した際に関連性があって、きちんと意図が伴えば大丈夫です。スキルアップと将来のキャリアビジョンを紐付けて説明すると共感を得やすくなります。そして応募先企業でどういう価値を創造したいのかを、ストーリー立てて表現すると印象がさらに良くなります。転職回数が多い場合は、キャリアの長期的なストーリーを作り上げましょう。

自分の市場価値を客観的に評価する

あなた自身の市場価値をできるかぎり客観的かつ冷静な評価をしておき、それを選考担当者に語ることで評価は上がるでしょう。選考担当者は、候補者が自分のことを客観視できているかに注目します。そして客観視ができていると思われる候補者を、信頼できる人材だと感じるでしょう。

だれしも自分自身のことは客観的に評価しづらく、そのため実力以上に自信過剰になったり実力があるのに卑屈になったりすることがあります。そのどちらも、良い印象は与えられません。親しい第三者の誠実な意見に耳を傾け、自分自身の客観性がある評価を認識しておきましょう。

実績を数値でアピールする

あなたがキャリアストーリーのなかで上げてきた実績を語る際に、可能な範囲で数値を添えてアピールするようにしましょう。数値を添えることは裏付けとなり、内容の説得力が増します。

例えばマネジメントした(あるいは参加した)プロジェクト案件の規模(従事した人数や期間)やクライアントがそれで得た効果(効率)などの実績を、支障がない範囲で数値化できる内容を添えましょう。

転職エージェントに相談する

転職回数が多い場合は、IT業界に強みをもつ転職エージェントに相談するのも良い方法です。転職のプロである転職エージェントに相談に乗ってもらうことで、あなた自身のキャリアを見つめ直すことにもなり、自分では気づかなかったプライオリティを発見してもらえることもあります。

また、どういうストーリーでキャリアの一貫性をもたせるか迷う場合にも、適切なアドバイスをもらえるでしょう。私たちタリスマンはIT業界に強みを誇る転職エージェントなので、あなたの転職成功のお手伝いができると考えています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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まとめ

ほかの業界に比べて転職が多いといわれるIT業界では、そうなる必然的な背景がいくつか存在します。そのため業界内の共通認識があって、前向きな転職であれば回数が多くても必要以上に気に病む必要はありません。

それを理解した上で、積極的に内定獲得を狙うために、転職回数が多くても転職を成功させる6つのポイントをしっかり押さえた上で活動に励みましょう。

Talisman編集部

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