【コンサル転職向け】ケース面接の出題傾向と解くプロセスを解説

【コンサル転職向け】ケース面接の出題傾向と解くプロセスを解説

コンサルティングファームの選考には、他の業界ではあまり見られない「ケース面接」と呼ばれるものがあります。ケース面接とは、選考基準に占める比重が半分あるいはそれ以上ともいわれる、面接のキモといえる部分です。

そのため、ファーム合格にはケース面接対策が生命線となります。ケース面接のポイントを理解し、繰り返し訓練しましょう。今回の記事では、ケース面接の出題傾向と解くプロセスをわかりやすく解説します。

ケース面接はコンサル特有の面接試験

ケース面接とは、明確な解答を出すことができない問いかけに対し、一般常識と論理によって仮説を組み立て、合理性がある解答を導き出し、面接官と議論を行うコンサル特有の面接形式です。

一般的な手順は、まず問題を個室にてひとりで解くか、面接官の前で独力もしくは助言を得ながら解きます。解が出たら、それについて面接官とディスカッションを行うのが一般的です。紙と筆記用具、あるいはホワイトボードを用いて進めることが多く、口頭で行われる場合もあります。ケース面接の課題は大きく分けると「フェルミ推定」と「ケース問題」の2種類です。

フェルミ推定:未知の値を論理的に推定

フェルミ推定とは、「日本のテニス人口は?」「東京都全域にある自動販売機の総台数は?」などの、一般的には見当もつかない数字について、資料を使わず論理的に推定する試験です。ここで見られるのは、解答の正しさではありません。論理的思考力(ロジカルシンキング)のレベルが問われます。

フェルミ推定という名称の由来は、ノーベル物理学賞を受賞した物理学者エンリコ・フェルミです。彼はそういう概算を、人一倍得意としていました。フェルミ推定は欧米の学校教育において、科学的な思考力を養う目的で用いられることもある試験です。フェルミ推定では正解があるわけではないので、とにかく思考プロセスが重要です。解にたどり着くための、確固たるロジックをアピールしなければなりません。また、ロジックの次に見られるのは、どのような切り口で解くのかという発想力です。例えば大学受験の予備校の数を求めるとしましょう。算出の手がかりについて、受験人口や大学数、教育産業市場の売上など、どんな切り口からアプローチして論理展開するのかという発想についても見られます。

ケース問題:架空の戦略を論理から構築

ケース問題はフェルミ推定の応用編で、ビジネスケースとも呼ばれます。例えば「マクドナルドの売り上げを30%伸ばすには?」のような、実際にコンサルティングファームで取り組むような課題が出ます。その際に、経営における架空の戦略を論理的に構築します。

フェルミ推定と同じく、重要なのは解答そのものではありません。論理の組み方や戦略の立て方のプロセス、着眼点の柔軟さなどの問題解決能力を見られます。それを念頭に置いて、ケース対策に取り組みましょう。実際の選考でよくあるのは、1次面接で比較的難易度が低い方のフェルミ推定を行い、2次面接で難易度が高い方のケース問題を行うというパターンです。あるいは、同じ面接でフェルミ推定にて出てきた解を応用し、続けてケース問題に発展させるパターンもあります。

フェルミ推定の傾向と対策+例題

フェルミ推定で出題される問題の傾向を紹介し、それを踏まえて例題や対策を解説しましょう。

フェルミ推定の出題傾向と例題

近年のフェルミ推定の出題傾向として、1次面接において「趣味フェルミ」と呼ばれる系統の問題が出されることが多いです。これはまず面接官に趣味を尋ねられます。あなたが答えた趣味に関して、面接官が即興で作った問題が出されるパターンです。

手元に資料がない状態で解答を導く試験ですが、趣味や特技などの関心がある分野であれば、そうでない分野よりも基礎知識があるでしょう。推定の手がかりとなる基礎的な情報を知っていることが多いので、思索に入りやすいといえます。面接官も候補者の論理展開が見たいので、不得手な分野で基本情報もなく苦しむような問題よりもそちらの方が試験としては適しているのでしょう。

ボストン・コンサルティング・グループ合同会社やA.T.カーニー株式会社などの大手コンサルティングファームにて、かなりの高確率で趣味フェルミが出されます。それを想定して解く訓練をすれば、実践的な対策になるはずです。趣味フェルミとは、以下のような流れで出題されます。

面接官:あなたはどういった趣味を楽しんでいますか?
候補者:私の趣味は映画鑑賞です。休日には大抵映画を観に行きます。
面接官:それでは首都圏の上映館の数を、制限時間5分で出してみましょう

この流れであれば、「東日本の映画産業の市場規模」や「23区内の上映館の年間総売上」などもありえます。そのような発想であなたの趣味や特技に置き換えて問題を作ることは難しくないですよね。自分で問題を設定し、解答を導き出す訓練を行うのは有効な対策となります。

趣味フェルミ以外でよく出題されるのは、以下のような問題です。

  • すき家1店舗の1日の売上
  •  〇〇市内にあるすべてのフィットネスクラブの年間総売上
  •  平均的なドラッグストア1店舗の月間利用者数
  • 関東圏のインド料理店の市場規模
  • 日本のスノーボード人口
  • JR東日本構内の立ち食いうどん店の市場規模

これらの問題でどんどん練習を繰り返せば、必ず解く力が身についていくはずです。答え方を暗記するという意味ではなく、あくまでもどのような問題でも臨機応変に、論理的な思考プロセスによって合理性がある解を導き出す訓練として行いましょう。

フェルミ推定を解くプロセス

フェルミ推定を解くプロセスを、具体例に沿って解説します。「平均的なKioskの1日の売上を推定してください」という問題が出たとしましょう。未知の数字を求めるフェルミ推定を解く作業は、以下のような手順で行います。

STEP1:前提確認
STEP2:因数分解

ステップ別で詳しく見ていきましょう。

【STEP1:前提確認】
売上を推定する前提を、最初に決めておくことが大切です。Kioskの1日の売上は、どこの駅のどういうロケーションのKioskを想定して考えるかによって、客層や利用者数、求められる商材や需要が増える時間帯などの要素がことごとく変わるからです。

あなたが知る範囲、あるいはイメージができる平均的なKioskをまず決めましょう。「〇〇駅の〇番ホームのKIosk」などのように決めると進めやすいです。

【STEP2:因数分解】
感覚である程度検討がつけられるレベルまで、推定に関係する要素を因数分解しましょう。現実的に「Kioskの1日の売上」を直感でわかる人はKiosk関係者以外ではいません。これを推定するためには、Kioskの売上の構造を分解しましょう。

Kioskの1日の売上=1日の総客数×平均客単価

まず、Kioskの平均客単価は、感覚的にある程度想定できるでしょう。ところが客数は感覚ではわかりません。そこでさらに客数を分解します。

Kioskの1日の客数=対象のKioskがあるホームの1時間あたりの平均乗降客数×営業時間×利用者率

こうやって分解していくと、漠然と客数で考えるよりも感覚で想像しやすくなるでしょう。想定した駅の想定したホームにあるKioskをイメージし、それぞれの因数に見当をつけて代入すると客数が出ます。そして平均単価を乗じて1日の売上が推定できます。

このように一見捉えどころがない数値も、あなたの知感覚や知識、常識などで大まかな見当がつくレベルまで分解しましょう。そうすれば、大きく外れることなく、論理的に合理性がある数値を導き出すことができます。問題自体は無限といえるバリエーションがあるにせよ、前提を決めて因数分解することが基本です。練習の数をこなせば、どんな問題が出ても落ち着いて速やかに解答に近づけます。日頃から、身の回りのことを題材にフェルミ推定問題を自分で作って解いてみましょう。

フェルミ推定を解くプロセス

ケース面接に臨むまでに、フェルミ推定のために覚えておくべき基礎知識を一覧表にしました。すべてを覚える必要はありませんが、概算がイメージできるようにはしておきましょう。また、人口や面積などの基礎的数値は必ず覚えておくのが賢明です。

【日本の数字】

人口 約1億2,000万人 東京の人口 約1,300万人
世帯 約5,000万戸 平均世帯人数 約2.5人
年少人口 約12% 生産年齢人口比率 約60%
生産平均寿命 約84歳 高齢者人口比率 約28%
給与所得者 約5,000万人 平均年収 約430万円
就業者数 約7,000 万人 フリーター人数 約130万人
大企業の数 約1万1,000社 中企業の数 約55万社
小企業の数 約325万社 大学の数 約800校
短期大学の数 約300校 高校の数 約5,000校
中学校の数 約1万校 小学校の数 約2万校
市の数 約800市 町の数 約740町
村の数 約180村 国土面積 38万㎢(山岳70%)

【世界の数字】

世界人口/2020年 約77億人 地球の表面積 約5億㎢
世界人口/2030年 約85億人 海:陸比率 70%:30%
世界人口/2050年 約97億人 地球の直径 約12,000km
世界人口/2100年 約109億人 地球の円周 40,000km

【世界の数式】

世界人口/2020年 約77億人 地球の表面積 約5億㎢
世界人口/2030年 約85億人 海:陸比率 70%:30%
世界人口/2050年 約97億人 地球の直径 約12,000km
世界人口/2100年 約109億人 地球の円周 40,000km

ケース問題の傾向と対策+例題

フェルミ推定の応用編ともいえるケース問題の出題傾向を紹介し、例題と対策を解説します。

ケース問題の出題傾向と例題

近年のケース問題の出題傾向は、以下の6つのパターンのいずれかであることが多いです。

  • 売上増加問題
  • 利益増加問題
  • 公共問題
  • 論点問題
  • 二者択一問題
  • 新規事業問題

それぞれの出題のポイントと例題を見ていきましょう。

【売上増加問題】
もっともスタンダードな頻出問題のパターンです。企業の特定の商品の売上を上げる戦略や市場規模を拡大する戦略を問われます。フェルミ推定で導いた解の売上額や市場規模を拡大する方法を問われるパターンも多いです。

例A)燃料電池自動車の市場規模を30%拡大させるには?
例B)すき家の1日の売上を1.5倍に増やす方法は?

【利益増加問題】
こちらも頻出問題で、売上の問題と似ていますがコストの要素が入ってきます。売上からコストを差し引いたものが利益なので、売上アップとコストダウンの両面から解いていく必要があります。ポイントはコストを、固定費と変動費に分解して組み立てることです。

例A)Uber Eatsの利益率を向上させてください
例B)信用金庫の利益を増加させるには?

【公共問題】
ビジネスではなく社会的な問題を題材とするケース問題です。視点の主体者の設定や期間の設定が重要となります。公共系も多くのコンサルティングファームで出題されるパターンです。

例A)架空料金請求詐欺の年間被害者を半減させる施策を考えてください
例B)歩きスマホをする人を減らすには?

【論点問題】
数値を導き出す問題ではなく、論点が問われる問題です。売上増加問題、利益増加問題、公共問題に次いでよく出されるパターンです。

例A)生命保険業界が改善すべき課題を教えてください
例B)通信事業者が5Gサービス展開に際し、社会に対して最も配慮すべき課題は何ですか?

【二者択一問題】
ある事案の実行の是非を判断する問題です。絶対的な判断基準があるわけではない事案について、意思決定を左右する判断軸を特定し、想定されるベネフィットとリスクを評価することが重要です。判断軸が的外れの場合は、評価が下がるおそれがあります。

マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパンほか、いくつかのファームで出題されています。頻出ではありませんが、認識しておきたいパターンです。

例A)宇宙開発への積極的な投資は必要か不必要か、またその理由とは?
例B)現在の日本の難民受け入れ体制は適切か否か、理由を含めて答えてください

【新規事業問題】
新しい事業のアイデアを出する問題です。なぜその事業で何年計画を想定するのかなどを含めて合理性がある企画を求められます。こちらも頻出ではありませんが、出る場合に備えて練習をしておきましょう。

 例A)IKEAの経営リソースを活かした新事業を考えてください
例B)ファーストリテイリングが新規参入すべき事業分野は?

ケース問題を解くプロセス

ケース面接を解くプロセスを解説します。あくまで、一般的な出題に対する解き方のアプローチであって、すべての出題に有効というわけではありません。それでも、ケース問題を解くプロセスの雛形としては参考になるはずです。基本的な手順は以下のような流れになります。

STEP1:前提確認
STEP2:課題の構造化
STEP3:ボトルネックの特定
STEP4:施策立案
STEP5:施策評価

ステップごとに解説しつつ、もっともよく出される売上増加問題の例題「すき家の1日の売上を1.5倍にするには?」をモチーフに、解き方の参考例を紹介します。

【STEP1:前提確認】
フェルミ推定と同じく、解き方の方向性を決定する重要な部分です。スタート時点の解釈を間違えていれば、決して妥当な解には至りません。

それを避けるため、この段階で誰の問題で何が問題かという問題の本質を掘り下げ、面接官と共有しておくことが大切となります。例題においては、どういうロケーションすき家なのか、広さや席数、営業時間などの前提を決めるプロセスです。〇〇駅前で実効15坪、30席、営業時間10時〜21時などのように設定します。

【STEP2:課題の構造化】
ここでは前提を把握した上で課題に関係する要素を分類し、構造化します。例題では時間帯ごとの客数や平均客単価、座席の回転率などが挙げられます。フェルミ推定の要領で感覚的、常識的に想定できまで要素を分けて、構造化しましょう。

【STEP4:ボトルネックの特定】
分類したどの要素に課題の原因が潜んでいるのかを考えます。例題では、混雑する時間帯に満席によって機会ロスを生む(座れない利用客を帰らせてしまう)ことや客単価が低いこと、時間帯によっては客数が極端に少ないことなどが挙げられます。

【STEP4:施策立案】
その要素の改善のために、想定できるかぎりの有効な施策を立案します。例題での施策として、以下のような案が考えられます。

  1. 席数を増やす
  2. 閑散時間帯を見極めてタイムサービス(その時間帯にかぎり割引もしくはトッピングサービスをつけるなど)を実施する
  3. 混雑時間でお帰りいただく利用客に、次回使える割引クーポンやトッピング無料券をお渡しする

【STEP5:施策評価】
立てられたすべての施策の評価を個別に行う段階です。期待できる効果と必要なコストを見比べ、費用対効果を総合判断してはっきりと劣るものは排除して残ったものを解とします。

例題の案では、1は改装工事が必要で、一定期間の休業と工事コストを考え合わせると「△」の評価です。2は、そのサービスにより本来の繁盛時間帯の利用客の一部が、時間帯をサービスタイムにシフトしてくれて機会ロスを免れます。その上、本来なら来なかった利用客がサービスタイムに惹かれてきてくれる分も加わり閑散時間帯の繁盛につながるのです。割引やトッピング無料でのコストを考えても、一石二鳥の効果があると考えられるので「◎」と評価できます。3は、少なくとも利用客の何割かが、時間をずらして来店してくれる可能性があります。多少割引などのコストが差し引かれても、客数が増えるので十分プラスを生むと考えられ、「〇」の評価です。

このように、一旦は考えられるだけ案を出し、その後シビアに評価して取捨選択します。この場合は2が最善策で3は次善策とするのが解として適切です。企業によって出題傾向や難易度は異なります。応募先企業の出題傾向をあらかじめ調べて、それに見合う練習問題を繰り返し解くことをおすすめします。ケース面接の過去問の情報は、書籍やネットで入手しましょう。

コンサルのケース面接対策本おすすめ5選

コンサルティングファームの選考過程におけるケース面接の過去問と対策を解説した書籍がいろいろと出版されています。解説を理解しつつ練習することで、ケース面接の解き方の引き出しが増えるとともに、論理的思考力を磨く訓練にもなるでしょう。

ここでは数あるケース面接対策本の中から、おすすめの5選を紹介します。まず、初心者向けのケース面接対策本としては、「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」の2冊が必須です。「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」は、東大ケーススタディ研究会による、フェルミ推定をわかりやすく説明した本です。「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」は、同じく東大ケーススタディ研究会による、ケース問題の入門書のベストセラーです。この2冊の解説についてはこちらの記事をご覧ください。

【中級者向け】過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

フェルミ推定とケース問題がそれぞれ10問ずつ収録されており、1冊で両方の対策を兼ねています。実際に現役の戦略コンサルタントが問題を解いた際の思考プロセス、ロジックツリー、そして結論がそのまま盛り込まれている点で、貴重なガイドブックです。

プロフェッショナルのコンサルタントがどのように問題に向き合うかが、解説を読むだけでリアルに理解できます。ただし、先に紹介した2冊よりも例題の難易度が高く、解説も基礎をわかっている人に向けて書かれているので、初級者向けではなく中級者以上の対策本です。
過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

ビル・ゲイツの面接試験—富士山をどう動かしますか?

表題の「富士山をどうやって動かすか?」や「鏡が上下でなく左右を逆転させるのはなぜか」「ビル・ゲイツの浴室を設計するとしたらどうするか」「マンホールのフタはなぜ丸いのか」などの実際に過去に出題された問題を題材にした対策本です。大きく複雑な問題には単純な答えがあることや、どんな答えが面接官に期待されているのかを対話の流れから頭の中で整理することなど、ケース問題を解くヒントが満載です。
ビル・ゲイツの面接試験—富士山をどう動かしますか?

戦略コンサルティング・ファームの面接試験 新版 難関突破のための傾向と対策

アメリカの戦略ファームに入るためのバイブルと呼ばれている、コンサル面接対策本の日本語訳版です。マッキンゼーやBCGなどの大手ファームを目指すアメリカの求職者向けに書かれています。

面接の概要に始まり、思考法やフレームワーク、36問にも及ぶフェルミ推定やケース問題などの実践問題と解説がまとめられており、網羅的な対策が可能です。ページ数も他の本の2倍ほどある重厚な1冊です。解説には候補者と面接官のやり取りも記載されており、本番の面接のイメージが再現されています。ただし本書の内容と、日本の外資系企業の面接とは異なる部分もあるので、それを理解した上であれば大いに参考になります。
戦略コンサルティング・ファームの面接試験 新版 難関突破のための傾向と対策

ケース面接本番の3つのポイント

ケース面接の本番にて、それまで蓄えた力を最大限に発揮し、なおかつ効果的にアピールするための3つのポイントについて触れておきましょう。

結論に至るまでの思考プロセスを伝える

ケース面接で見られるのは「解」そのものではなく、思考のプロセスです。いくら論理的に優れた解を導いたとしても、そこに至るプロセスが伝わっていなければ評価につながりません。非常に重要ですが、あなたの考え方の道筋をきちんと面接官に示す努力を怠ってはいけないのです。

面接官に論理的に説明できるよう、メモやホワイトボードに鍵となる数値やフレーズは必ず残しておきましょう。計算式だけを残していても、いざ説明する際にうまく説明ができず、しどろもどろになる危険性があるのでくれぐれも注意してください。

思考を楽しむ姿勢をアピールする

ほとんどのコンサルティングファームでは、基本的にポジティブな人材が好まれます。端的にいえば逆境にあっても、それを乗り越える過程を悠々と楽しめるような人材が求められるのです。そのためケース面接においても、緊張やプレッシャーで内心では必死であっても、あえて心をポジティブにして楽しみながら解くように心がけましょう。

「解くのが楽しくて仕方がない」という感じで思考プロセスを進めていけるなら、それも評価される材料になります。それが無理して演技しているようになっては不自然なので、普段の練習の時から、常に楽しんで解く習慣をつけておきましょう。

一人で解かず面接官の知恵も借りて解く

コンサルティングの現場では、ひとりの担当者だけで案件をこなすのは珍しく、チームプレーが基本です。複数のプロジェクトを同時進行で効率的にこなすことが求められるので、他者の知恵を上手に借りる技術や柔軟さも重要です。

そのため、選考でも面接官と上手にコミュニケーションをとり、面接官の知恵も良い意味で利用して解こうとする姿勢は評価されます。つまり、使えるリソースは総動員してでも、優れた解を求めることが大切となります。例えば、以下のようなスタンスは印象を良くするでしょう。

  • 難しい出題を課されたなら、素直に面接官に助言を求める
  • 一方的に話さず、面接官とのディスカッションを通して議論を進める

対話の往復を意識すると同時に、論理的な思考によって面接官が納得する筋の良い質問を投げかけましょう。

まとめ

コンサルティングのケース面接には、フェルミ推定とケース問題があり、前者は数値を求める基礎編で、後者はその数値を改善する応用編のような位置づけです。

良質な参考書が入手できるので、それを利用すれば考え方の手順や発想の仕方を学べます。そして、とにかく練習の数をこなすという訓練が必ず活きてくるはずです。この記事ではケース面接の下地となる基礎知識に触れましたが、後はここで紹介した参考書などを活用して実践のアクションを起こして鍛えることをおすすめします。

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