行き詰まったら試そう!キャリアプランが思いつかない時の10の突破口

行き詰まったら試そう!キャリアプランが思いつかない時の10の突破口

企業で働く人は数年後の自分の目標とするものが見えてきたり、違う領域に興味を持ち始めて転職したい思いが生まれてきたりした際には、そこに至るための指針がないと前に進めませんよね。

そんな時にこそ、キャリアプランを構築する必要があります。キャリアプランはキャリア形成のロードマップです。転職の面接でもよく尋ねられます。キャリアプランを立てておくと、将来像の実現に向けてなすべきことを明確にできます。自分の成長が、企業の躍進と紐づくような職場を見つけるのにも役立つでしょう。

とはいえ、なかなかキャリアプランが思いつかない方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、キャリアプランが思いつかない場合のさまざまな突破口について解説します。

キャリアプランとは

近年では終身雇用や年功序列の考え方が後退し、成果を重視する企業が増えつつあります。また、働き方改革の流れの中で副業志向や転職志向の人が増え、仕事に対する価値観が変化しています。

キャリアプランとは仕事上で将来の理想とするゴールを定め、それに向かって進むための具体的なプランを意味します。長期的にどのような企業で、どんなスキルを身につけ、どんな仕事をすべきかをプランニングするものです。

すでに目標を持っている場合は、それを実現するためになすべきことが見えてきます。その実現に向かって、スキル習得へのチャレンジや転職などのアクションを起こすよりどころが、キャリアプランといえるでしょう。

キャリアプランが思いつかない主な原因

真面目に考えてもなかなかプランが思いつかない場合、主な原因は以下のように4つあります。

  • ゴールを決めずにプランを考えている
  • 逆算する想像力に欠けている
  • 理想を求め過ぎている
  • 行動力に欠けている

個別に内容を確認しましょう。

ゴールを決めずにプランを考えている

キャリアプランを思いつかない人の多くは、キャリアのゴールを決めていないのに一生懸命プランを考えている場合があります。しかし本来先に考えるべきはキャリアゴールです。登山でも航海でも、目的地によって周到に最適なコースを検討します。その準備があってこそ、迷わずに事故も避けながら目的地に到達できるのです。それと同じで、キャリアの目的地、あるいは途中地点を定めていないから、最適なコースであるキャリアプランが思いつかないのです。

逆算する想像力に欠けている

キャリアのゴールはあっても、どうやってキャリアプランを描いていけばよいかわからない人もいます。例えばIT企業に勤めていて、いつかITコンサルタントになりたいという目標はあるけれど、具体的にどうすればよいかわからない場合です。そういう場合は、ゴールから逆算する想像力に欠けているのが原因です。どちらかといえばプランが思いつかないというよりも、ゴールに近づくためにすべきことが想像できないというほうが近いでしょう。

理想を求め過ぎている

理想を求め過ぎる完璧主義のような考えも、プランが思いつかない要因のひとつとなります。例えば金融業界にいて、いつかアセットマネジメントの仕事をしたいので、学ぶことがたくさんありすぎて、どういうプロセスで進めばよいのか決めかねている状態です。どうしても失敗のないように考えたくなり、必要以上に細かく完璧に考えようとするといつまでもプランが完成しません。

行動力に欠けている

行動力が弱いことも、思いつかない要因となりえるでしょう。例えばマネジメントの方向に進みたい気持ちはあり、そのスキルを身につけるためのアクションも調べてわかっているのにも関わらず、なかなか行動に踏み切れないケースです。このように行動力に自信がない人は、目標はあっても「自分には無理だから」「今はまだその時期ではない」などと言い訳をして諦めているパターンが多いです。

シチュエーション別キャリアプランのヒント

キャリアプランを考える上で、まずは働いているシチュエーションを以下のように大きく分類します。

  • 若手社員:第二新卒/20代後半
  • 中堅社員:30代前半/30代後半
  • ベテラン社員:40代前半/40代後半/50代
  • 女性社員の場合の補足
  • 職種別の補足

それぞれにおいて、プランニングのヒントを見ていきましょう。

若手社員のキャリアプランのヒント

まずは若手社員の場合です。第二新卒と20代後半に分けて見ていきましょう。

第二新卒の場合

第二新卒の場合は方向性を絞り込み過ぎないほうがよいでしょう。視野を広げてキャリアの展開を想定することが賢明です。いろいろなことに挑戦していく中で、新たな適性やポテンシャルを発見する可能性が高いからです。ある程度範囲が広く、大きな的を見据えてのプランニングが適切といえます。そして実際に進んでいく中で、確信を持って向かう目的地が見えてきたら絞り込みましょう。

20代後半の場合

20代後半でキャリアプランが思いつかないなら、人脈を社外にも広げていきましょう。そして、30代の自分の理想像を広い視野で模索します。この段階であれば、現状に合わせて何度もキャリアプランを構築し直せば、一層精度の高いキャリアプランを描くことができます。

中堅社員のキャリアプランのヒント

中堅社員の場合、30代前半と後半に分けて見ていきましょう。

30代前半の場合

社会人としてそれなりの経験を積んできた年齢なので、キャリアプランを作成するにあたって改めて自己分析を行ってから、目標を定めるとよいでしょう。

自分の目標を明確に定めると同時に、所属企業や社会に対しても自分が何を目指したいかを考えてみてください。もしその目標が社内で受け入れられない場合は、年齢的には転職も視野に入れたキャリアプランにするのもよいでしょう。

30代後半の場合

この年齢になると所属企業から期待されているキャリアと、自分が希望しているそれにズレがないかをよく見極めたうえで、プランニングすることがポイントです。新しいことに挑戦するのもよいですが、培ってきた経験を活かして成功がイメージしやすい領域に取り組むほうが、人生にとって有益でしょう。

ベテラン社員のキャリアプランのヒント

ベテラン社員の場合は、40代の前半と後半、そして50代に分けて見ていきましょう。

40代前半の場合

この年代は企業から、長年積み上げてきたキャリアを活かしながら、事業を推進する力が求められます。その点を意識してキャリアプランを考えるのが賢明です。リーダーシップや問題解決力、言語化能力や分析力、突破力や持久力など、ベテランならではのさまざまな持ち味が開花するようなプランニングをしましょう。

40代後半の場合

この年齢のベテラン層には、場合によっては早期退職に関する問題も発生します。時代と自分自身の環境に応じた、プランを持つべきでしょう。所属企業や社会に、大きな変化が起こる可能性も考えに入れておくことが大切です。何が起こっても自分の力で対応できる幅がある、力強いキャリアプランは何かを考えましょう。

50代の場合

現役として積み重ねてきた豊富なキャリアや人脈を、自分の担当する仕事や企業活動で活かせるキャリアプランを考えましょう。自分自身が持っているスキルや経験、知識について客観的に評価・分析し、それらを組み合わせてできることを想像することで、新しいキャリアの切り口が見つかる場合もあります。

女性社員の場合の補足

女性社員の場合は自分自身のライフプランを見極めたうえで、歩みたい方向性に向き合うことがとても大切です。産前産後の休業であれば3ヵ月、育児休業を利用する場合は最長2年の間、職場から離れることになります。

出産後は復帰や転職、一定期間育児に専念などさまざまな選択肢が想定できて、それによってその後のキャリアの方向が大きく変わってきます。パートナーと話し合い、尊敬できる身近な人の助言も参考にしながらキャリアプランを考えましょう。

職種別の補足

職種別のキャリアプランについて、バックオフィス、営業職、技術職に分けて見ていきましょう。

バックオフィスの場合

総務や経理、人事、企画、リサーチ、マーケティングなど、企業の利益を直接生み出す営業部門をバックアップするバックオフィスのキャリアは、多くの選択肢があります。その中から興味があるものや得意な領域に絞って専門性を高めるキャリアプランもあるでしょう。また、社内の人材育成などのヒューマンリソース開発の仕事に進むキャリアも考えられます。

営業職の場合

営業職のキャリアプランで典型的なものは、そのまま営業職としてトップセールスを目指してキャリアアップするプランです。その先には営業部門のマネジメント職という選択肢もあるでしょう。ほかには営業経験を活かした企画、マーケティングなどのバックオフィスに転じるキャリアもあります。

技術職の場合

技術職のキャリアプランとして多いのは、現場やプロジェクトをマネジメントする方向のキャリアです。技術力が高い人材は専門性を極めてスペシャリストを目指すプランやCTO(最高技術責任者)を目指すプランもあります。

キャリアプランが思いつかない時の解決策

キャリアプランが思いつかない際には、以下のような解決策があります。

  • まずはゴールとなるキャリアビジョンを描く
  • キャリアの棚卸しをしてみる
  • 意志をリストアップする
  • 3年後や5年後など小刻みにイメージしてみる
  • 憧れの人物から発想する
  • 生き方の選択肢の情報量を増やしてみる
  • 転職の専門家に相談する

それぞれの解決策を見ていきましょう。

まずはゴールとなるキャリアビジョンを描く

理想が見つかっていない場合でも、仮でもよいのでとりあえずゴールを設定し、それに向けてのプランを考えましょう。そしてアクションを開始することによって違った景色が見え始めれば、本当に到達したいものが徐々に見えてくるはずです。ゴールに対して70点以上取れたらよいくらいのスタンスで、気軽にプランを立てて、進みながら修正をする方法で開始しましょう。

キャリアの棚卸しをしてみる

人材価値はキャリアの積み重ねで決まります。そのため、まずは現地点でのキャリアの棚卸しをしてみましょう。キャリアを可視化して自分の強みと弱みを知れば、何を活かしてどれを伸ばすべきかが見えてきたり、今まで気づかなかった自分の志向性や、興味の対象などが判明したりすることもあるでしょう。

手順としては、過去に携わった業務を時系列に、その時の立場や関係メンバー数、期間、成果などを具体的に書き出します。それを俯瞰すれば、さまざまなことが見えてくるでしょう。キャリアの棚卸しについては、以下の記事でより詳しく解説しています。

意志をリストアップする

自分の意志を、思うに任せてとにかくリストアップする方法もおすすめです。具体的には以下のような手順で行ってください。

1:やりたい事とやりたくない事をリストアップ
2:できる事とできない事をリストアップ
3:やりたい事でできる事とできない事を軸に思索する

個別に見ていきましょう。

やりたい事とやりたくない事をリストアップ

やりたい事と、やりたくない事を思い浮かぶままにリストアップしましょう。モチベーションはやりたい事だけに働くものではなく、やりたくない事を避けるためにも働きます。一番やりたい事がわかれば、それを実現するプランが見えるでしょう。それと並行して、一番やりたくない事がはっきりすれば、それを避けるためのプランも浮かぶはずです。

できる事とできない事をリストアップ

できることとできない事を、すべてリストアップしましょう。それによって自分の仕事上の、武器や弱点が見えてきます。するとこれまで気づかなかった方面の仕事ができる可能性も見えてきて、キャリアの幅を広げるきっかけとなることもあります。

やりたい事でできる事とできない事を軸に思索する

上記のすべてのリストを俯瞰しながら、やりたい事に関係のあるできる事とできない事にフォーカスしましょう。やりたい事に関係するできる事は最大の強みになるので、さらに伸ばすプランを立てます。やりたい事に関係するできない事は、強化するためのプランを立てましょう。それらを軸として、やりたくない事を避けるためにしておくべきプランで肉付けします。

3年後や5年後など小刻みにイメージしてみる

最終ゴールまでの通過点の中で、途中の目標をいくつか設定しましょう。これから3年後や5年後などのように小刻みに、距離(期間)の短いゴールを設定すれば逆算しやすくなります。その積み重ねの延長線上に最終ゴールがあればよいのです。

憧れの人物から発想する

目標にしたくなる憧れの人物がいるなら、その人の成功プロセスをお手本とし、自分のシチュエーションに落とし込んでキャリアをプランニングをすることが可能です。

これは有名人でなくとも大丈夫です、身近にいる尊敬できる先輩社員や上司でもよいでしょう。身近な人ならキャリアプラン作成の助言をもらい、参考にもできます。その人ができて自分にできないことを見つけ、それをクリアできるようなプランを立てましょう。

生き方の選択肢の情報量を増やしてみる

キャリアプランが思いつかないなら、生き方の選択肢の情報量を増やしてみましょう。それまで関心がなかった生き方の情報などをあれこれ集めてみるのです。なりたい自分が見つからない場合の多くの原因は、単なる情報不足です。感度は情報量に比例して上がり、情報が有機的に反応して、新しい発想も生まれます。

そのため、アンテナを広げるとあなたのやりたいことを見つけ、違和感のないキャリアプランが思いつくでしょう。直感的に「良い生き方だ」と思ったら、なぜそう思ったのかを思索しましょう。そうすることで自分の本当にやりたいことが可視化されます。

そうやって視野を広げ、一番興味があることにチャレンジしましょう。チャレンジすることで意欲が刺激され、さらに具体的に仕事の上でやりたいことや実現したいことが見えてくるはずです。

転職の専門家に相談する

上記のさまざまな方法と並行してトライするとよいのが、転職の専門家である転職エージェントのコンサルタントに相談することです。

多くの求職者のキャリアを見てきたコンサルタントは、あなたのこれまでの来し方からさまざまな示唆を与えてくれることが期待できます。費用もかからずリスクもないので、ぜひ活用しましょう。私達タリスマンも、あなたのキャリアプランの作成をお手伝いができます。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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まとめ

キャリアプランはビジネスパーソンにとって人生の方向性に関わってくるものなので、真摯に向き合って考える必要があります。特に転職を考えている場合には活動指針として大切であり、面接で尋ねられることもあるのでしっかりと作成しましょう。キャリアプランが思いつかなくて悩んでいるみなさんは、ここで紹介した解決策を試し、明確で適切なキャリアプランをぜひ描いてください。

Talisman編集部

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