内定を引き寄せる!プロジェクトマネージャーの志望動機の作り方

内定を引き寄せる!プロジェクトマネージャーの志望動機の作り方

IT系の職種の中でプロジェクトマネージャーは、ITコンサルタントと並んで人気があります。転職にあたって、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指すエンジニアやプログラマーの方も多いでしょう。また、マネジメント経験を活かして異業種からの候補者も少なくありません。

ライバルが多い中で内定を獲得するためには、志望動機が重要になります。今回の記事では内定を引き寄せるための志望動機の書き方について解説します。

プロジェクトマネージャー(PM)の仕事内容

まずは、プロジェクトマネージャーの仕事内容について基本情報を押さえておきましょう。

プロジェクトマネージャー(PM)とは、シンプルに言えば「予算内で納期を守り、品質基準をクリアする成果物を完成させる責任者」です。具体的にはITシステムやソフトウェア、アプリケーションなどの開発プロジェクトを統括する総責任者を指しています。仕事内容は、成果物のクオリティや納期、予算枠、関わるスタッフ、起こり得るリスクなど多岐に渡ります。

IT分野以外でも商品開発やイベント、プロモーション活動などのプロジェクトに、プロジェクトマネージャーを置くことも珍しくありません。プロジェクトマネージャーの仕事内容をもっと詳しく知りたい場合には、以下の記事で詳細に解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。

プロジェクトマネージャーの志望動機に盛り込むべき要素

プロジェクトマネージャーの求人に応募する際の志望動機に、ぜひとも織り込むべき内容があります。それを以下の3つの立場に分けて解説しましょう。

  • マネジメント経験者
  • マネジメント未経験者
  • IT業界未経験者

マネジメント経験者の場合

あなたがマネジメント経験者、あるいはリーダーの経験者である場合は、選考担当者も即戦力と期待して選考します。そのため、現場での実力のほどを伝えられるような「エピソード」や「実績」を盛り込みましょう。できる限り数値を伴って伝えることにより、自慢や手前味噌になることを避けて客観性があるアピールができます。

また、プロジェクトマネージャーは条件が良い求人なので、競争率は高めになることが多いです。そのため、同じ募集に応募してくるライバルとの差別化を意識しなければなりません。どの候補者も自身のスペックやアピールポイントは、表現をよく練ってくるので差をつけにくい面があります。そこで、志望動機の中で「本気度」を表現して差別化しましょう。熱意が伝わる内容を意識してください。

マネジメント未経験者の場合

あなたがマネジメントやリーダーの経験がない場合には、社会人生活の枠を超えて考えてみてください。学生時代のクラブやサークルの活動、ボランティア、アルバイトなどにおいてメンバーをまとめたり、指導したりなどのマネジメントに類する経験があれば、ぜひ盛り込みましょう。

それもない場合は即戦力としてのアピールは難しいので、「コミュニケーション力の高さ」や「入社意欲の強さ」を窺わせる内容を盛り込んでください。

IT業界未経験者の場合

IT業界自体が未経験の場合でもIT関連は売り手市場なので、ポテンシャル採用の枠で転職できる可能性は充分あります。

そこで業界の垣根を超えて通用する「ポータブルスキル」を持っているかを確かめましょう。ポータブルスキルとは「持ち運び」できる汎用的なスキルである、英語スキルやPCのオフィスツールのスキル、コミュニケーションスキルなどを指します。マネジメントスキルはもちろんとして、業界を問わずに使えそうなものがあれば必ず盛り込んでください。また、少人数のチームであってもリーダー経験があれば、アピールできる要素なので忘れず盛り込みましょう。

プロジェクトマネージャー志望動機の有効な作成法とコツ

プロジェクトマネージャーの求人への応募にあたって、志望動機は内定獲得に影響する大切な要素です。志望動機は応募書類と面接のそれぞれで、アピールする機会があります。選考担当者の関心を得ることができる志望動機を、あらかじめ用意しておきましょう。

ここではプロジェクトマネージャー志望動機の、有効な作成の手順とコツを解説します。

プロジェクトマネージャー志望動機の作成手順

プロジェクトマネージャー志望動機の作成は、以下の5つの手順に沿って進めます。

手順1:転職決意に至る背景を書き出す
手順2:転職で実現したい願望を書き出す
手順3:ポジティブな背景・社会貢献的願望およびそう変換できるものに絞り込む
手順4:絞り込んだものを応募先の発展に紐づけてストーリー立てする
手順5:PREP法で文章として再構築する

各手順に沿って解説しましょう。

<手順1:転職決意に至る背景を書き出す>
まず、あなたが今回転職を決意するに至った背景にある要素をすべて書き出しましょう。ここではポジティブかネガティブかにかかわらず全部取り上げます。

<手順2:転職で実現したい願望を書き出す>
次に、転職によって実現したいことを、素直に書き出してみましょう。個人的なことも社会貢献的なことも全部取り上げてください。

<手順3:ポジティブな背景・社会貢献的願望およびそう変換できるものに絞り込む>
続いて、これまで書き出した要素の中で、ポジティブなものと社会貢献的要素をまず残します。それ以外の中で、ネガティブな要素でもポジティブに、個人的な願望でも社会貢献に、それぞれ解釈の仕方で変換できるものがないか探してください。意外とあるかもしれません。ひと通り確認して、ポジティブな要素と社会貢献的要素、およびそれらに変換できる要素に絞り込みましょう。

<手順4:絞り込んだものを応募先の発展に紐づけてストーリー立てする>
手順3で絞り込んだ要素を、応募先企業の発展に自然な形で紐づくよう、ストーリーを組み立ててください。この段階で、どのように解釈しても紐づけられない要素は捨ててしまって結構です。無理ない範囲で紐づくものだけでストーリー立てしましょう。

<手順5:PREP法で文章として再構築する>
組み立てたストーリーを、論理的な文章作成に役立つフレームワーク「PREP法」を活用して「志望動機」として再構築します。PREP法にもとづいて文章にすると伝わりやすく、説得力も加わります。

具体的には「Point/結論」「Reason/理由」「Example/具体例」「Point/再び結論」の順に論旨を構成する手法です。これらの頭文字からPREP法と名付けられています。手順の概略は以下のとおりです。

  • 冒頭で結論を一文程度にまとめる
  • 結論に至った理由を補足
  • 理由を裏付ける具体例を挙げる
  • 再び結論を強調

PREP法の技術的な詳細に関しては、以下の記事を参考にすれば理解が深まります。ぜひご覧ください。

プロジェクトマネージャー志望動機作成のコツ

プロジェクトマネージャーの志望動機作成のコツを、2つ紹介しておきましょう。

ひとつは、あなたのキャリアビジョンを志望動機に乗せることです。キャリアビジョンとは将来の仕事上の理想像であり、キャリアの目標のことです。注意点としては、具体的な役職名を目標で上げるのではありません。どういう領域でどのような活躍をしたいのかをアピールします。

また、応募先企業が関係する分野の知識や、入社後に活かせるであろう経験を踏まえて、プロジェクトをどのようにマネジメントしたいかの考え方を盛り込みましょう。そこまで踏み込んで発信する候補者は少ないので、強い印象を与えることができます。

プロジェクトマネージャー志望動機の例文

プロジェクトマネージャーの求人に応募する際の志望動機の例文を、以下の3つのシチュエーション別で紹介します。

  • プロジェクトマネージャー経験者
  • マネジメント未経験者
  • IT業界未経験者

プロジェクトマネージャー経験者の例文

例文)
私は御社(貴社)のように、プロジェクトマネージャーがクライアントニーズの見極めや要件定義の段階から一貫して参加できる環境で開発に関わりたい想いから、志望を決意しました。
現職でこの3年間プロジェクトマネージャーを務めており、自社およびパートナー企業のメンバーも含めたマネジメントを担い、やりがいを感じてきましたが、上流工程にはタッチしておりません。かつてSEとしてクライアントのヒアリングや要件定義のサポートを通して培ったスキルによって、一貫した開発のマネジメントが担えるとの確信を持っております。

プロジェクトマネージャーの経験とSEとしてのスキルを最大限に活かして、御社のダイナミックなプロジェクト展開に貢献させていただきたく、志願いたします。

マネジメント未経験者の例文

例文)
私は御社が優位性を誇る決済システムの開発では、常に最先端技術をサービスに落とし込んでユーザーにいち早く快適さや利便性を提供し続けていることに感銘し、応募することを決心しました。

現職ではSEとして金融業界の案件をメインに、システム開発を担当しています。マネジメントの経験はありませんが、上流工程には参加してヒアリングや要件定義のノウハウを身につけてきました。プロジェクトマネジメントに関しては、国家資格プロジェクトマネージャ試験の資格を目指しての学習を昨年から継続しており、年内に取得することを目標にしています。

これまで培った開発スキルと、現在学んでいるプロジェクトマネジメントの知見を、御社が取り組むさまざまな業界の広範囲にわたる開発案件に活かしたいと考えております。

IT業界未経験者の例文

例文)
私は御社においては社員の成果が適正に評価される環境である点や、御社のもっとも得意とするシステム開発の分野が保険関連である点に強く惹かれ、応募させて頂きました。現職では損害保険会社のソリシターを4年経験して、保険に関する知見には自信があり、また直近の2年はマネージャーも兼任してきました。

私はIT業界に関して未経験ではありますが、私なりの研究ではシステム開発プロジェクトのマネジメントの核のひとつにリスクマネジメントがあると感じており、それは私の専門分野です。現職で培った保険のノウハウやリスクマネジメントのスキルを、御社の保険関係のシステム開発案件のマネジメントに役立てたいと切望しております。

面接官が志望動機の裏付けとして見る7つのポイント

IT業界のプロジェクトマネージャーの求人において選考で重視される志望動機ですが、その裏付けとして面接官にチェックされるポイントが以下の7つあります。

  • 過去5年間のキャリア
  • 今後5年間のキャリアプラン
  • 技術レベル
  • コミュニケーションの鍵となる論理的思考
  • 主体性
  • 業界の知見の深さ
  • ビジネスセンス

それぞれを見ていきましょう。

直近5年間のキャリア

プロジェクトマネージャーの求人の面接では志望動機と前後して、キャリアに関して質問されることがありますが、これはキャリアストーリーと志望動機との一貫性を確認しています。

つまり、志望動機の裏付けを取られていると思って回答しましょう。この時、多くの場合「直近5年間」のキャリアが注目されます。10年前までさかのぼると開発手法や技術環境などが現行のものと大きく異なる点も多いです。とはいえ、直近2〜3年のキャリアだけでは候補者の実力の見極めには情報不足です。

そのため、これまでのキャリアに関して尋ねられた際には、直近5年間のキャリアを中心に答えましょう。どのような業界向けのシステム開発に関与したか、どのような役割で参加したか、どのような技術環境で作業を行ったかなどを簡潔に話せるのが望ましいです。異業種の場合でも、同様にどういう関係の仕事にどういった役割で取り組んだかを伝えるのが適切です。

今後5年間のキャリアプラン

今後の3〜5年後のキャリアプランを持っているか、そのための研鑽や訓練などの努力を行っているかが、志望動機の裏付けとしてチェックされます。 面接官は候補者が入社したことを仮定して、その志向性や強み、適性を判断して自社内にうまくフィットするポストがあるかどうかを判断するでしょう。よって、自身のしっかりしたキャリアプランを持っているかが重要な評価ポイントとなります。

また、キャリアプラン実現のために勤務以外の時間を使って、自主的かつ計画的に学習する姿勢は評価されます。プロジェクトマネージャーとしての力を高めるためのアクションだけではなく、ビジネススキルや英語スキルのブラッシュアップなどが評価されます。なお、キャリアプランの立て方については以下の記事で特集しています。そちらもぜひお読みください。

技術レベル

スマホアプリの開発やWebシステムの小規模な開発においては、少人数でプロジェクトを進めることが多いです。そのため、プロジェクトマネージャーも自ら手を動かすプレイングマネージャーのケースも珍しくありません。

また、最近増えつつあるアジャイル開発においても、同様にプレイングマネージャーが多いです。もちろん一般的な開発でも、プロジェクトマネージャーに技術力がなければ、スタッフをまとめるのは困難です。そういった背景から、プロジェクトマネージャー候補者の技術レベルが注目されます。得意なプログラミング言語および技術環境、よく使うフレームワークなどを伝えましょう。

また、技術トレンドにキャッチアップしているかどうかも評価のポイントであることを、認識しておいてください。

コミュニケーションの鍵となる論理的思考

プロジェクトマネージャーは多くのスタッフやステークホルダーとやりとりしながらプロジェクトを進めます。当然ながらコミュニケーションが円滑にできなければなりません。しかもIT開発という専門性が高いカテゴリーの業務なので、単にコミュニケーションが上手であるだけでは適いません。スタッフやステークホルダーは技術系の人たちです。

そのため、開発プロジェクトにおけるコミュニケーションの鍵は、論理的思考=ロジカルシンキングができるかどうかです。面接官とのやりとりで、思考が浅いとか話に論理性が欠けるなどと思われれば、開発プロジェクトにおけるコミュニケーションに難があると判断されるおそれがあります。

限られた面接の時間の中で、本質の周辺のことをあれこれ話すのはNGです。そのような懸念を抱かせないためには、常に話題の中で本質的な課題について、簡潔に話すように努めましょう。

論理的思考をアピールできる答え方の要点

受け答えの中で論理的思考をアピールするためには、以下の3点に気をつけて話しましょう。

  • もっとも本質的なトピックにフォーカスする
  • 課題・解決のアプローチ・結果を簡潔に伝える
  • 専門用語の使用を避ける(使う場合は補足する)

それぞれを補足しておきます。

【もっとも本質的なトピックにフォーカスする】
たとえば過去に担当したプロジェクトの話題になった場合、単に経験してきたプロジェクトを時系列であれこれ紹介するのはあまり賢明ではないです。その中でどういう働きをしたのかが知りたい面接官に、余計な情報も織り交ぜて話すことになり、貴重な面接時間の無駄遣いになりかねません。経験したプロジェクトの中でもっとも主体的に取り組み、クライアントや社内から評価を得たプロジェクトにフォーカスして伝えましょう。

【課題・解決のアプローチ・結果を簡潔に伝える】
次に、絞りこんだトピックの最大の課題、解決のためのアプローチ、最終的な結果の3つを簡潔に述べましょう。この方法は大変シンプルですが、プロジェクトの成果の本質を浮き彫りにしてアピールできます。例えば以下の例文のような流れです。

例文)
〇〇〇関連のシステム開発における最大の課題は、非常に複雑に入り組んだ〇〇〇の業務プロセスのシステム化でした。
それをクリアするために、クライアント企業を訪問し、実地で対象プロセスの講習を受けて実際に手順を体験してみようと考え、実行に移しました。
その結果、プロセス全体を俯瞰できるようになり、複雑に思えた手順を整理して簡略化でき、システムに無事反映できました。

【専門用語の使用を避ける(使う場合は補足する)】
また、専門外の人にも理解できるよう、専門用語を使わずに話しましょう。なぜなら面接官は技術畑ではない可能性も高いからです。うっかり現職の社内用語や難解な専門用語を用いて話していないか、気を付けましょう。どうしても専門用語が必要な話になった際には、平易な解説を交えながら話すのが賢明です。

主体性

仕事に対して自発能動的に関わり、提案や改善を働きかけるような主体性がある人材かどうかをチェックされます。応募先企業としては、プロジェクトのマネジメントを任せる人には、事務的なルーティンワークではなく役割を強く自覚して主体的に関わり、自らプロジェクトの精度を上げようとする人材を望んでいます。以下のようなポイントを面接官にチェックされると考えてください。

  • どのようなマネジメント対象に関わったことがあるか
  • 課題の解決法を自身で考案・発信・実行してきたか
  • プロジェクトの開発環境やツールを理解しているか

業界の知見の深さ

プロジェクトを円滑にマネジメントするためには、業界に対する知見の深さも重要です。業界の成り立ちや構造、動向などの深い認識があってこそ、自社とプロジェクトの業界内での位置付けや価値を冷静に判断できます。

それによってリソースの投下やステークホルダーとの交渉、トラブルへの対応などにおいて、プロジェクトマネージャーとして的確な采配ができるでしょう。そのため、選考対策としては業界の生きた情報を学び、借り物ではない自分の知見として語れるようにしておくのが賢明です。

ビジネスセンス

プロジェクトマネージャーは技術者の面も必要ですが、ビジネスパーソンとしての面がより重要です。極論で言えば手を動かす作業に長けていてもビジネスセンスがない人材よりも、手を動かすことは苦手でもビジネスセンスがある人材の方が向いています。

もちろん、手を動かす作業もそつなくこなせる上で、ビジネスセンスを持つことが理想的です。そのためには刻々と進化するテクノロジーに関するキャッチアップと同様に、IT業界を中心にグローバルレベルでのビジネスの動きも常にキャッチアップしておきましょう。

まとめ

プロジェクトマネージャーの求人に応募するなら、書類および面接という選考をクリアするために志望動機が重要な役割を果たします。そしてその裏付けとして確認される、数々の質問にも備えが必要です。

転職でプロジェクトマネージャーの選考を受けるみなさんは、ここで紹介した情報を参考にそれぞれの立場でのベストな志望動機を作り、裏付けの対策も準備して内定獲得の可能性を高めてください。

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