プロジェクトマネージャーを目指すなら読むべき!おすすめの本まとめ

プロジェクトマネージャーを目指すなら読むべき!おすすめの本まとめ

ITエンジニアのキャリアパスの代表的なもののひとつが、開発プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーです。多くのエンジニアが、社内でのステップアップや転職を視野に入れたキャリアアップで目指しています。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを成功に導く責任を負うので、ITの知見だけでなくプロジェクトマネジメントのスキルを身につける必要があります。とはいえ、マネジメントの対象となる領域は幅広く、エンジニア経験だけでは到底カバーできません。

今回の記事では、プロジェクトマネージャーを目指す人や、なったばかりの人に向けて、多岐にわたる領域を担当するプロジェクトマネジメントの手法を体系的に理解するために役立つ解説本を厳選して紹介します。

プロジェクトマネージャーとは?

プロジェクトマネージャーとは、「PM」や「プロマネ」とも呼ばれます。主にITシステムやWeb関連のサービスの開発を統括し、予算内で品質が一定基準をクリアする成果物を納期までに完成させる責任者のことを指します。

具体的にはプロジェクト全体の進捗、成果物のクオリティ、予算、納期、参加スタッフ、リスクも含めて多岐にわたる対象をマネジメントする立場と言えるでしょう。IT業界においてのプロジェクトマネージャーは平均年収も高く、SEやプログラマーとして経験を積んだエンジニアが目指すキャリアパスとしても人気がある職種です。

プロジェクトマネージャーに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもぜひ参考にお読みください。

プロジェクトマネージャーが読むべき本11選

ここからはプロジェクトマネージャーを目指す人や、すでにプロジェクトマネージャーとして一歩踏み出した人が読むべき本として、おすすめしたい11冊を紹介します。

世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント 第4版

プロジェクトマネジメントに関する国際基準の知識体系「PMBOK」に準拠した入門書として、初心者におすすめできる一冊です。実際に世界のプロジェクトマネジメントのプロたちが推薦しており、アマゾンジャパンの「オールタイムベストビジネス書100」にも選出されています。

プロジェクトマネジメントにおける各フェーズで起こりえるリスクを想定し、それをクリアしてプロジェクトを成功に導くためのノウハウやツールが紹介されています。また、プロジェクトマネジャーとしてチームを率いていくためのアイデアを実践的に提供しています。国内だけでなく、PMBOKに完全準拠しているのでグローバルなプロジェクトに対応できる知見が詰まっています。

専門用語に解説がわかりやすくほどこされているので、出てきた用語を理解しながらスムーズに前に進むことが可能です。プロジェクトマネージャーを目指す人のための、本格的入門書の決定版と言えるでしょう。

これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ

本書は最前線の現場で使えるノウハウが、豊富な図解によってビジュアル面で補強して解説されています。単なる知識でなく、業務にどう落とし込んでいくかも含まれているので、とても実践的で役立つに違いありません。

また、プロジェクトの成功は当然大事な目標ですが、本書では「失敗しない進め方」のアウトラインが理解できるという意味で、ユニークかつ価値がある一冊です。本書の主張としてプロジェクトマネジメントを「先読み技術」であると結論づけています。ストーリー部分で小説仕立ての具体例を挙げ、講義部分で分かりやすく説明されます。プロジェクトの大まかな流れをストーリーに乗せて紹介し、講義で実際はどのように進行させるべきかをなるべく具体的に解説しています。

先読みしてプロジェクトを進めれば、いかに無駄な手戻りをしなくてよいかが解説されていておすすめです。

ゼロから始めるプロジェクトマネジメント大全

本書は入門書より一歩進んで、駆け出しのプロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトのリアルな流れがわかって、現場で困ったときに役立つ知識が詰まった一冊です。

巨大企業から官公庁まで、多くの大規模プロジェクトを成功させ、前出の入門書「これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」を書いた著者が、さらに上の実践レベルにおける知識の宝庫として書いた完全ガイドです。

はじまりである企画立案から計画の策定、スケジュール管理や情報共有の方法、リソースの動かし方、失敗の回避法に至るまで、成果を出すためのあらゆる情報を網羅しています。基礎はある程度理解できている中級レベルの人が、実践に取り組んでいる段階で非常に役立つおすすめの一冊です。

プロジェクトマネジメントの基本 この1冊ですべてわかる

本書は、そもそもなぜプロジェクトにするのかという基本命題から、あるべき体制、プロジェクトマネージャーの役割、成功させる要因などのポイントについて、わかりやすく説かれています。

プロジェクトをどう企画立案し、実行していくのかなど、現場でやることがひと通り紹介されているので、プロジェクトマネジメントの基本部分は本書で理解できるでしょう。

あくまで初心者が、全体を把握するための教科書的位置付けで読むのがおすすめです。

担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座

本書は入門書ではありますが、最初ではなく2冊目くらいに読むと学びが深まる、幅広さと網羅性がある一冊です。

項目が広範囲にわたっており、実践で直面するさまざまなケースで疑問解決に役に立ちます。そのため、辞書のように常に手元に置いて、何かあれば読み返すように使うのが向いています。タイトルにある「担当になったら知っておきたい」が示すように、実践的な部分に言及されており、最低限押さえておくおくべきポイントがわかりやすく解説されています。プロジェクトマネージャーになったばかりの人に最適なガイドです。

ケーススタディもあって、前出の「プロジェクトマネジメントの基本」と併用すれば、より効率的に学べるでしょう。

アート・オブ・プロジェクトマネジメント

マイクロソフトで数々の大規模プロジェクトを成功させた著者が、キャリアを通じて得たノウハウが詰まっており、そのまま開発現場で活用できるおすすめの一冊です。

何かを成し遂げるためにすべきことや、してはならないことという実践面からプロジェクトを捉えた考え方が、マネジメントの対象と関連するさまざまな角度から解説されています。

プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーのみならず、プログラマー、コーダー、テスターなどプロジェクトに参加するそれぞれのパートの担当者にとっても読む価値があるでしょう。

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

本書はやや異色の入門書で、『シンデレラ』や『三匹の子豚』などの幼少期から親しみのある童話をモチーフにして、プロジェクトマネジメントの基本がわかるようになっています。

プロジェクトマネジメントの大切な部分が強調されており、現実の組織に応用するための心構えができます。PMBOK関係の解説書から入ったものの難解さに挫折した人や、プロジェクトマネジメントが専門的で難しそうと二の足を踏んでいる人におすすめです。

ITエンジニアのためのプロジェクトマネジメント入門

現時点(2021年7月)におけるPMBOKの最新版である第6版に基づいた、ITエンジニア対象に書かれた本格的な入門書です。

現場でプロジェクトマネージャーのスキルを、実践的に身につけるための教科書というスタンスで書かれています。演習問題が豊富に掲載されており、解きながらプロジェクトマネジメントの基礎となる知識が身につくように配慮された一冊です。

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない

プロジェクトマネジメントに関するものとして、過去に最も多くの人が読んだといわれる、古典あるいは原典とも言える一冊です。

ITシステムの開発がいかに大変な作業であるかが論理的に明らかにされ、「人月」という労働単位では測ることができない本質的な難しさを理解できる内容となっています。

1975年の書籍なので背景となる情報が古くなっているにもかかわらず、現在でも通用する普遍的なセオリーや価値観が光る良書と言えるでしょう。

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2021年版

本書はプロジェクトマネージャーの国家資格「プロジェクトマネージャ試験」に合格するために役立つ知識や学習方法などの、有益な情報を網羅した対策本です。

必須知識の解説はもちろん、具体的な解答テクニックや学習プランの立て方、モチベーションを上げるためのコラムなど、合格を意識したコンテンツが満載です。また、毎年アップデートされて最新の傾向に対応しているだけでなく、19年分の過去問題も徹底的に解説されています。これらも、志願者にとっては心強いでしょう。

実際に、この本から多くの合格者を輩出していて、合格体験記も多数記載されています。プロジェクトマネージャ試験を目指す方なら、ぜひ手元に置いておきましょう。

図解即戦力 PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書

本書も先の「ITエンジニアのためのプロジェクトマネジメント入門」同様、PMBOK第6版に基づき、そこで提唱されている10の知識エリア​や5つのプロセス群の要点をわかりやすく解説しています。

プロジェクトをマネジメントするために現実的に必要な知識と手法がよく理解できて、プロジェクトマネージャーの国際資格「PMP」試験の対策本としても有効な一冊です。

プロジェクトマネージャー向けの本を読んだ後にやるべきこと

ここまでで紹介した本を読んだ後に、実際にプロジェクトマネージャーの道を歩むため、そして資質を磨くためにやるべき具体的な実践の例を紹介しましょう。

あなたがIT業界未経験者の場合

業界未経験者の場合は、とにかく何らかのプロジェクトに参加しなければ、何も始まりません。プロジェクトの経験なしでプロジェクトマネージャーには決してなれないのは当然です。

まずはプログラマーとして、業界デビューを果たすのが妥当な選択でしょう。そのためには、独学あるいはスクール、オンライン講座、勉強会などで基礎を身につけて転職するか、入社後に研修制度でスキルを身につける前提のポテンシャル採用で働き始めるなどな方法でステップアップしましょう。

また、プログラマーとしてプロジェクトをいくつも経験し、SEにキャリアアップして経験をさらに積み重ねます。次にプロジェクトマネージャーの補佐であるプロジェクトリーダーの経験を経てプロジェクトマネージャーになるケースが多いです。

この流れの中で大切なのは、それぞれのフェーズにおいてできるだけさまざまな経験を積むことになります。

あなたがプログラマーの場合

プログラマーとしてプロジェクトマネージャーを目指していく場合、まず自らが担当する案件の仕様の理解を徹底しましょう。バグの少ないプログラムの作成を目標に、努力する必要もあります。

また、担当するプログラムの作成だけでなく、プロジェクト全体を理解しようと努力しなければなりません。他にも、所属するチームのプロジェクト内での役割やその中での自分の位置付けの把握、他のチームとの関連性の理解に努めることも大切です。

あなたがSEの場合

SEとしてプロジェクトマネージャーを目指していく場合、まず自分が担当する仕様書のわかりやすさに注力しましょう。それは実装を担当するスタッフが読み違いを起こさないようにしなければ、成果物のクオリティが担保できません。

また、SEはプログラマーに説明する役割ですが、それだけでなくプログラマーからフィードバックを受けることも重要です。仕様書がわかりやすいかどうか、誤解を生む可能性がある曖昧な表現がないかなど、直接意見を聞きましょう。フィードバックを受けることにより、仕様書がブラッシュアップされていきます。

さらに、担当する設計作業だけでなく、他のスタッフや他のチームが何をしているのかも意識して、プロジェクト全体の動きを把握しましょう。チーム内で、タスクの抜け漏れがないかもチェックするくらいの気持ちでプロジェクトに向き合います。

そういった視点が身についてくれば、プロジェクトマネージャーにつながるプロジェクトリーダーへの道が開きやすくなるでしょう

あなたがプロジェクトリーダーの場合

プロジェクトリーダーはプロジェクトの中の個々のチームのまとめ役です。チーム内の人間関係、スキルレベル、コスト、成果といったいくつものトレードオフを抱えます。

プロジェクトマネージャーになるためには、チームの内情に敏感であることが大切です。とりわけスタッフの様子は、最大限気にかけましょう。
スキル面、精神面、チームワーク面などを一人一人見ていくことで、業務上や人間関係のトラブル、あるいは納期遅れの兆候を察して、リスクを未然に避けるのも大事な仕事です。「チーム内だけでなく、他チームとの良好な関係や役割分担なども、注意が必要です。ここを怠ってしまうと、ネガティブな責任のなすり合いが発生します。
これらを含めて、実際にトラブルが発生したら被害を最小限に食い止める対応ができるようにしましょう。

また、チームを超えてプロジェクト全体に影響を与えかねない問題は、躊躇なく明らかにして対策を施さなくてはなりません。そういう諸問題に常に先手を打つことができ、数々のトレードオフに折り合いがつけられる人材になれば、プロジェクトマネージャーに抜擢される日も近いでしょう。

まとめ

ITエンジニアのキャリアパスとして代表的なプロジェクトマネージャーを目指す人や、プロジェクトマネージャーとして一歩踏み出した人に向けて、プロジェクトマネジメントを体系的に理解するために役立つ解説本を紹介しました。

いずれ劣らぬ内容が濃い本ばかりですが、読む人のその時点の理解レベルやタイミングによって最適な選択が異なります。各本の概要をよく検討してあなたの状況にふさわしいものを選んで読みましょう。

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