【例文付き】選考担当者の印象に残る履歴書の得意科目欄の書き方

【例文付き】選考担当者の印象に残る履歴書の得意科目欄の書き方

履歴書のフォーマットに、「得意科目」や「得意学科」などの欄が設けられている場合があります。ここに何を記載するべきかについて、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。得意科目欄の適切な書き方は、そもそもなぜ履歴書に得意科目欄があるのかを考えれば、その答えが見えてくるはずです。

この記事では履歴書に得意科目欄がある理由から紐解き、選考担当者の印象に残せるような履歴書の得意科目欄の書き方を解説します。ぜひ転職活動の参考にしてください。

そもそも履歴書に得意科目欄がある理由

多くの履歴書用紙には学歴や職歴を記載する欄とは別に、得意科目や得意学科を記載する欄があります。そもそもその欄がある目的は何でしょうか?答えはシンプルです。得意科目欄があるのは、学歴の羅列だけでは表現できない「あなたの強み」を伝えるためです。

※学歴の書き方についてはこちらで解説しています

選考する側も、ほかの情報とともに得意とする科目や学科も知ることによって、あなたをより立体的に理解できます。せっかくの強みを選考担当者に伝えられる欄なので、書かない手はありません。自分として得意科目だといえる科目は、必ず記載するようにしましょう。

選考担当者は得意科目で何を見る?

選考担当者は志望者の得意科目が何かということ自体よりも、その科目のどのような部分が得意なのか、どのような面に興味を抱いているかなどが知りたいのです。それによって、以下のような項目を見極めます。

  • 自社との相性
  • 入社意欲

それぞれに補足しましょう。

自社との相性

まず、ひとつめの自社との相性について説明します。ただ単に個別の科目や学科、分野などが書いてあるだけではほとんど何も測ることはできません。ところが、たとえ短くても科目の後に添えられている補足の文章があれば、それによって人柄を感じ取り、自社との相性を考える材料となります。

入社意欲

次に、ふたつめの入社意欲について説明します。これも同様に補足の文章に関係しています。つまり、ただ科目名を書いて適当に流すのではなく、なぜ得意かや何かエピソードなどがきちんと補足で書いているかどうかで、その人の入社意欲の度合いを測るためです。
本当に選考を通過してその企業に入りたい人であれば、そのような小さい項目であっても丁寧に書いてアピールをしようとします。

得意科目があるにもかかわらず、「特になし」と記載したり空欄のまま提出したりすると淡白に感じられてしまい、人柄をアピールする機会をみすみす逃してしまうことになりかねません。そうなると、入社意欲があるのかどうか疑われるでしょう。

そう考えれば、小さい項目でも流さずに積極的に書いた方が賢明です。簡潔であっても、補足を添えてきめ細かく書くことは、選考通過への戦略にもなります。

戦略的に得意科目を書くメリット

選考担当者の意図を理解したところで、志望者にとって得意科目を意識して戦略的に書くメリットについて触れておきましょう。
主なメリットは以下の3つです。

  • 選考担当者の興味を惹く
  • 入社意欲を伝える
  • 面接への布石となる

個々に解説しましょう。

選考担当者の興味を惹く

得意科目に補足を添えて書くことで、まず何よりも〇〇が人より得意な人、あるいは〇〇が大好きな人という印象を選考担当者の心に刻むことが可能です。

選考担当者は、複数の志望者たちの中から内定を出す候補者を絞り、最終的に誰かを決定しなければいけません。各人が能力的に差を感じられない場合に、担当者は最も印象が強く残っている志望者を選ぶ傾向があります。

もちろん奇抜なことを書くようなやり方は良くありませんが、ともすれば適当に流されがちな得意科目などで印象を残すことができれば、最後の一押しになる可能性があります。

入社意欲を伝える

前述のように、小さい項目でもきちんと書くことで熱意を感じてもらえる可能性が高まるでしょう。その上で、得意科目欄に応募先企業の取り組みと関連した内容が記述されていると、企業研究をしている上に企業の方向性に共鳴している人だと感じてもらえる可能性があります。

面接への布石となる

得意科目が応募先企業の取り組みとは直接関連していなくても、丁寧に補足を添えた内容であれば、後の面接で話題になる可能は充分にあります。そこを掘り下げる質問にきちんと答えられて話題が盛り上がることで、面接官との距離が縮まって印象が良くなるかもしれません。

面接を視野に入れた「得意科目の選び方」

履歴書に記載する得意科目は、どのように選べばよいのか迷うこともあるでしょう。そういう方のために、ここでは書類選考の先にある面接で良い材料となることまで視野に入れた、得意科目の選び方を解説します。以下の3段階で考えることにより、選考に少しでも有利な得意科目が選べます。

第1段階:応募先企業で携わりたい仕事を想定する
第2段階:応募先企業で活かせる強みを見つける
第3段階:強みを得意科目に紐づける

各段階を解説しましょう。

第1段階:応募先企業で携わりたい仕事を想定する

まずは、応募先企業に入社が叶った場合を想定し、そこでどんな仕事をしたいのかを具体的にイメージします。「新製品の開発に関わりたい」「グローバルな案件を担当したい」「新しい顧客サービスの企画を考えたい」など、応募先企業の展開する領域の中で心から携わりたい仕事を想定しましょう。

第2段階:応募先企業で活かせる強みを見つける

携わりたい仕事が見えてきたら、自分の持っているどのような「強み」、つまりどういった知見やスキルが活かせそうかを考えてみるのです。その仕事が「新製品の開発に関わりたい」なら「論理的思考」「分析力」、「グローバルな案件を担当したい」なら「語学力」、「新しい顧客サービスの企画を考えたい」なら「発想力」「展開力」という具合です。

第3段階:強みを得意科目に紐づける

応募先企業の仕事に活かせそうな強みが認識できたら、得意科目の候補を照らし合わせましょう。どんな強みであっても、おそらく何らかの得意科目や好きな科目につながっているはずです。その強みが「論理的思考」「分析力」なら「数学」「物理学」、「語学力」なら「英語」「中国語」「ドイツ語」など、「発想力」「展開力」なら「美術」などです。

強みをできるだけしっくりいく得意科目や得意学科に、紐づけてしまいましょう。

第1段階から第3段階までの流れを、先に挙げた例から展開すると以下のようなチャートになります。

第1段階:「新製品の開発に関わりたい」

第2段階:「論理的思考」「分析力」

第3段階:「数学」「物理学」

第1段階:「グローバルな案件を担当したい」

第2段階:「語学力」

第3段階:「英語」「中国語」

第1段階:「新しい顧客サービスの企画を考えたい」

第2段階:「発想力」「展開力」

第3段階:「美術」

そうやって得意科目を選ぶと、短い文章でも熱意や自信を込めた内容になりやすく、選考担当者の心にも響きやすいでしょう。面接でその話題が出れば、いきいきと答えることができて印象アップが期待できます。

強みをアピールする「得意科目欄の書き方」と記載例

得意科目を選んだところで、強みを戦略的にアピールする得意科目欄の書き方を解説し、記載例を紹介していきましょう。

得意である理由・根拠・背景などを書く

ただ単に得意科目名を記載するだけでは、「本当にそうなのかな?」「思い込んでいるだけでは?」などと疑問を持たれてしまうことも考えられます。得意科目であることに説得力を加えるために、その科目がなぜ得意なのかという根拠や背景、その科目が好きになったきっかけなどを補足すると効果的です。

選考担当者は得意科目ひとつからでも、あなたがどんな人で自社に入ったらどんなふうに頑張ってくれるのかを想像します。よって、理由や根拠、背景は応募先企業の仕事に結びつきそうなものを記載しましょう。

さらに、その根拠が応募先企業の仕事に関係する方がより効果的です。例えば「いきものが好きだったので、生物に興味を持ちました」では仕事とつながりにくいです。「限られた情報から仮説を立てて考えることが好きだったので、生物に夢中になりました」などのように記載すれば、信憑性を高めるとともに仕事との関連性も感じてもらうことができます。

得意科目で培った「強み」を仕事につなげて締める

次に、得意科目を選ぶ際に用いた強みを、得意科目で培った強みとして表現し、それを応募先企業であなたが携わりたい仕事と関連づけて記述を締めくくりましょう。これによって選考担当者に、志望者の得意科目が自社の仕事に活かせるものであると強くアピールすることができます。

強みをアピールする得意科目欄の記載例

ここまでで説明した「得意科目の選び方」に沿って選んだ科目を「得意科目欄の書き方」によって記載した例文を紹介します。前出の3例をベースにすると、以下のような記載文になります。文章の流れは3段階のチャートをさかのぼるように文章化するのです。

例A)
私の得意科目は数学と物理学です。
小学生の頃から物事の法則性や数字に関することに興味があって、算数や理科が好きな科目となりました。成長するにつれて高度な数学や物理学に触れることで、知的好奇心を発揮しながら学んだものです。
それらを通して培った論理的思考や分析力を、ゆくゆくは貴社の新製品開発の業務に活かしたく思います。

例B)
私の得意科目は英語です。
中学生の頃、近所に英語圏の家族が住んでいて懇意にしてもらったことがあり、文化が違っても英語を通して気持ちが通じ合える喜びを知ったのが、英語を熱心に学んだ原動力です。
TOEICスコアも現在800台後半で、決して机上ではない私の英語力は貴社のグローバル案件で少しでもお役に立てればと考えています。

例C)
私の得意科目は美術です。
少年時代から絵を描いたり自作でおもちゃを作ったりするので好きで、図画工作は得意でした。中高と美術の創作で表彰されたことが10回以上あります。
創作を通じて磨いた発想力や展開力を、貴社の新しい顧客サービスの企画に活かしたいと考えております。

避けるべきNGな書き方とは?

以上のように、得意科目選びさえうまくいっていれば、チャートを遡って肉付けしながら文章にすればよいので、決して難しくありません。それだけ、得意科目選びが重要になります。ただし、書き方のうえで注意点が少々あります。以下のような書き方はNGと心得てください。

  • 具体性・客観性に欠ける書き方
  • 専門的過ぎる難解な書き方

個々の書き方の何が悪いのかを、詳しく見ておきましょう。

具体性・客観性に欠ける書き方

いくら得意科目選びが納得のいくプロセスであっても、それを表現する文章が具体性を欠いた抽象的なものになると、信憑性を与えることは難しくなります。また、具体的な書き方であっても客観性が欠けていると「独善的」「ひとりよがり」のイメージを与え、信憑性どころか社会人としての常識に疑問を持たれかねません。

誰が読んでも、具体性と客観性を感じてもらえる文章を心がけ、書いて見たものを友人知人や家族に読んでもらって忌憚のない意見をもらうくらい、慎重に進めましょう。

専門的過ぎる難解な書き方

たとえ書かれている内容が正しくて立派なもので合っても、門外漢には理解できない専門用語や難解な表現が使われていると、これもまた社会人としての常識を疑われるリスクがあります。自分が専門である分野においては当たり前のことであっても、その分野を知らない人にとってはまったく通じないことが往々にしてあります。それを配慮せずに自分の感覚のみで書くことは危険です。

せっかく高度に専門的な知見やスキルを持っていても、逆効果になってしまいますので、誰が読んでもわかりやすく書くということを徹底しましょう。

得意科目が特にない場合の3つの選択肢

人によっては、どうしても得意科目を決められない場合があるかもしれません。しかし前述のとおり「特になし」や記載しないことはマイナス材料になり、何のプラスも生まないのです。
そこで、以下の3つの対応の仕方から解決しましょう。

  • 得意科目欄がない履歴書を選ぶ
  • 好きなことから選び掘り下げる
  • 友人や家族に相談する

それぞれを補足しておきましょう。

得意科目欄がない履歴書を選ぶ

ひとつめは非常にシンプルです。そもそも履歴書に得意科目欄がなければ、読まれることも質問されることも基本的にはありません。
ただし、面接では何が起こるかわかりませんので、万が一面接時に「あなたの得意な科目や学科は何ですか?」と尋ねられたことを想定して、以下のふたつの選択肢を参考に答えを用意しておきましょう。

好きなことから選び掘り下げる

ふたつめは、あなたが現在好きなことを科目に結びつける方法です。音楽ファンなら音楽、読書好きなら現代国語、歴史もののドラマが好きなら日本史、経済に興味があるなら政経など、いくらでも結びつけることはできます。ただし、単に選ぶだけでは文章の内容や面接での受け答えが浅くなりかねません。

選んだ科目は概要をおさらいして、社会人レベルで掘り下げた考え方を述べられるくらいにしておきましょう。そこまですれば、得意科目欄を違和感なく書くことができて、面接にも自信を持って臨めるはずです。

友人や家族に相談する

最後の選択肢は、ひとりで考えていても得意科目が思いつかないなら、友人や家族に相談してみるという方法です。人は意外と自分のことで分かっていない部分があるものです。

自分では普通と思っていることが、他者から見ると羨ましいくらい上手だったり理解が深かったりすることがあります。意外な得意分野を指摘されれば、そこから科目に結びつけるのはさほど難しくはないでしょう。試みる価値はある方法です。「私の得意科目は何だと思う?」と、遠慮しないで周りの人に質問してみましょう。

まとめ

履歴書の得意科目欄が意味するものや、選考担当者がどう見るのかを紹介し、効果的な書き方を詳しく解説しました。記載しないことがなぜマイナスかも、深く理解されたことでしょう。

3段階のプロセスで選べば、あなたの得意科目欄が選考担当者の心に響き、書類選考通過と面接での好印象につながる可能性は充分にあります。思い浮かばない人も含めて、ここでの情報を参考にして履歴書を戦略的に仕上げ、内定を勝ち取りましょう。

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