コンサル(コンサルティング)業界は中途採用と新卒ともに、求職者に人気が高くなっています。仕事として面白そうで、年収は高いあたりが人気の理由です。そんなコンサル業界への転職で内定を獲得するためには、志望動機が非常に重要とされています。今回の記事では志望動機が重視される理由を掘り下げ、有効な志望動機の作り方を解説しましょう。
目次
コンサル業界とは
コンサル(コンサルティング)業界とは、主に企業の経営課題や官公庁が取り組む社会問題などに対して、原因を調査・分析して解決策の提案および実行のサポートなどのサービスを扱う業界です。
個々の企業は「ファーム」「コンサルティングファーム」などと呼ばれ、取り組むテーマや領域によって、いくつかの系統に分かれています。代表的なものは戦略系ファーム、IT系ファーム、総合系ファームなどです。
コンサルティング業界の最近の傾向
SDGsやESGなどの考え方の普及やコロナ禍の影響によって、最近のコンサルティング業界は大きく変わりつつあります。具体的には以下の3つの変化が顕著です。
- 解決策の提案プラス実行支援まで業務領域が拡大
- DXによってあらゆる領域でデジタル案件が急増
- タイムチャージではなく成果ベースの報酬体系が増加
それぞれを見ていきましょう。
解決策の提案プラス実行支援まで業務領域が拡大
従来コンサルティングファームに期待されていた役割は、経営課題を分析してボトルネックを見極め、解決策を提示することでした。ところが現在では、クライアントは解決策を提案するだけのサービスに価値を認めない風潮があります。近年ではインターネットによる知識と情報の標準化によって、専門知識に容易にアクセスできるようになったからです。以前はコンサルタントのみが知っていたような分析ノウハウなども、簡単に手に入るようになりました。
もちろん、社内のリソースだけで解決できない課題も多いです。それでも、必ずしもコンサルティングファームに高い報酬を払わなくとも、ネットでスペシャリストを探し、スポットでアドバイスを受けられるようになりました。
また、クライアント側の人材水準も上がっており、MBA取得者などの経営に関するスペシャリストを社員に抱えていることも珍しくありません。そんな中でコンサルティングファームは、プロジェクトの解決策の提案からもう一歩踏み込んだ実行支援や成果の検証も求められています。
DXによってあらゆる領域でデジタル案件が急増
国を挙げてのDX(Digital Trasformation)は、コロナ禍による非対面化、リモート化、オンライン化などの需要急増が影響し、大幅に加速しています。その結果、コンサルティング案件のおよそ半数はデジタルが絡むといわれるほどになりました。ただし、IT系ファームのみ発注が増えているという訳ではなく、あらゆる領域の経営課題に対して、デジタルベースで戦略を講じることが必要な時代になっています。
タイムチャージではなく成果ベースの報酬体系が増加
コンサルティングファームの報酬体系は、かつて一般的だった「時間単価×稼働時間」というタイムチャージから、実際に出た成果に対して報酬を支払う成果ベースにシフトしつつあります。クライアントとともにリスクを取らない仕事には、報酬を支払えないという考え方に立つクライアントが増えています。
コンサルティングファームの4つの基本タイトル
コンサルティングファームには多くのタイトル(職位)がありますが、その中の基本タイトルである以下の4つを紹介します。
- アナリスト
- コンサルタント
- マネージャー
- パートナー
【アナリスト】
コンサルティングファームに入社すると、ほとんどの場合はアナリストから始まります。アナリストは情報の収集・分析やプレゼン資料作成を担い、情報処理のセンスと能力が求められます。
アナリストの提供するデータにもとづきコンサルティングが進められるため、クライアントに寄り添う仕事でもあります。先輩に同行することが多く、議事録作成やクライアントへのインタビューなどのベーシックな仕事もあり、コンサルティングの基礎を身に着ける段階です。
【コンサルタント】
コンサルタントは、アナリストによって集計・分析された情報をもとに、実際にコンサルティングサービスを提供します。クライアントが抱える経営課題を突き詰め、仮説検証を通して解決策や改善策を見出し、提案と実行支援を行う仕事です。コンサルタントは柔軟で論理的な発想力、思考力、問題解決力が求められます。
【マネージャー】
マネージャーはプロジェクトの責任者として運営全般に深く関わり、案件とリソースをマネジメントします。プロジェクト全体を俯瞰してチームを指揮統括し、予算管理やクライアントとの折衝などを行います。
【パートナー】
パートナーは、案件の獲得など、コンサルティングファーム自体の経営を担います。コンサルティングファームのキャリアパスのゴールともいわれます。パートナーは役員である場合も多いので、コンサルティングの豊富な経験や幅広い知識、グローバル感覚が求められます。
コンサルティング業界で求められる人物像
コンサルティングファームには多種多様な系統とタイトルがありますが、共通して求められる人物像があります。その特徴は、以下の通りです。
- 地頭が良い
- メンタルが強い
- 成長意欲が高い
- 上手に周囲を巻き込む
それぞれを見ていきましょう。
地頭が良い
コンサルティングの仕事には個別の専門知識以前に、「地頭」の良さが求められます。これは、手元に資料や予備知識がない問題でも、論理的な思考によって仮説を立てる能力です。その源泉となるのは論理的思考力(ロジカルシンキング)で、情報を合理的に整理して再構築し、解決策を見出すことができる思考力です。クライアント企業は、社内で解決が難しい経営課題や自社のリソースだけでは見出せない事業展開の方向性など、複雑なテーマの解決を望みます。複雑な事実関係を解きほぐして、深い洞察力をもって課題に向き合うために地頭の良さは欠かせません。
メンタルが強い
コンサルティングファームは基本的に成果主義です。そのため、アサインされたプロジェクトにおいて、クライアントから期待される結果を一定期間内に出さなければなりません。プレッシャーもあり、ハードワークやさまざまな配慮、細かい調整も求められます。神経をすり減らす仕事が続くので、メンタルの強さは欠かせません。
成長意欲が高い
コンサルティングファームの仕事は、正解のない問題の答えを見つけるような作業の連続です。また、アサインされるたびに初めて扱う業界もあります。そのため、コンサルティングファームの仕事を進める人には飽くなき成長意欲の高さが求められます。常にレベルアップを目指し、旺盛な好奇心を持って仕事に向き合う人こそが成果を上げられる業界です。
上手にステークホルダーを巻き込む
コンサルティングのプロジェクトはクライアントだけでなく、社内の関係部署のスタッフやパートナー企業のスタッフなど、社内外のできるだけ多くのステークホルダーを巻き込みながら推進していく方が、良い結果を出しやすくなります。プレゼンで資料に記載した解決策を見せるだけでは、クライアントが望んでいる成果を得ることはできません。個々のステークホルダーと良好な関係性を築き、皆を巻き込んでいく人材がコンサルティングファームに求められます。
ストイックで粘り強い
コンサルティングファームは、外から見る印象では面白そうで華やかですが、実際は地味であるけれど欠かせない仕事が膨大にあります。そのため、妥協せず地道に黙々と必要な作業を、手を抜かずに取り組むストイックな粘り強さが必要です。なお、コンサルティング業界に向いている人については、以下の記事でより詳しく掘り下げていますので、ぜひ参考にご覧ください。
コンサル業界の転職で志望動機が重視される理由
コンサルティング業界で働く人は、熱意を持って案件に取り組まなければ、難易度が高い課題の解決はできません。そのため、この業界の中途採用においては志望動機が大いに重視されるのです。
コンサルティングの仕事に向き合う動機や、そのファームを選んだ動機を見極め、入社意欲の強さや入社後に継続できるかを選考担当者は判断します。まずは書類選考を通過するために、応募書類に記載する志望動機が重要です。この段階で、合理性と入社意欲がしっかりと伝わる志望動機に仕上げておきましょう。
コンサル業界に多く見られる志望動機
コンサルティングファームの選考時に、多く見られる志望動機のパターンは主に以下のとおりです。
- 活躍の舞台
- 業務内容への適性
- 成長速度
個別に見ていきましょう。
活躍の舞台
多くのコンサルティングファームでは、グローバル案件のプロジェクトを扱っています。外資系だけでなく、日系のコンサルティングファームでも、海外マーケットへの進出のサポートや、逆に海外からの日本進出などのグローバルなプロジェクトが増加しています。そのように活躍の舞台が世界規模であるところに、魅力を感じて志望動機となるケースが多いです。
【例文】
私はグローバルに事業展開されている御社(もしくは貴社)の、国内にかぎらず国際舞台で仕事ができる環境に大きな魅力を感じ、この度の応募を決意いたしました。
大学時代の海外留学の経験を活かして、海外案件で発展途上国に社会貢献ができればとの希望を抱いています。
御社でのコンサルティングの仕事は、世界経済の成長にも寄与する仕事と考えております。
私はこれまで培ってきたコンサルティングのスキルを御社で活かし、世界の舞台で活躍したく、応募させていただきます。
業務内容への適性
クライアントの成長の実現や課題の解決のために、考え抜いて解決策を見出す仕事には、思考力の高さや思索を厭わない性質が求められます。コンサルティングファームの業務内容へのそういった適性を持つ人が、それを志望動機にする場合があります。
【例文】
私は多くの企業の課題をスピーディに解決する御社の業績に感銘を受け、応募することを決めました。
私はクライアントが抱える課題を発見して知恵を絞って解決し、企業に発展をもたらす仕事に強く惹かれています。
現職において昨年、部署内の利益率の改善の立案を行い、自ら取り組みました。その結果前年に比べて利益率が15%改善し、社長表彰を受けました。この経験により、考えることによって組織の問題を解決することへの関心がいっそう高まり、コンサルティングの仕事を目指す決意をしました。
IT系企業をクライアントに多数の実績を上げてこられた御社にて、私も多くの企業課題の解決に取り組みたいと考えております。
成長速度
コンサルティングファームの仕事では、汎用性の高い多くのスキルを短期間で身につけることができ、人材としての成長速度が早い業界です。
理由の第一は、コンサルティングの仕事では、難易度が高い案件に対して期限を決めて成果を出すことが求められるからです。そのため、情報の収集や分析、プレゼン資料作成などのタスクを集中して繰り返し行うことになります。
理由の第二は、他の仕事であればなかなか議論する機会が持てないクライアント企業の経営幹部クラスと、日常的にやり取りができるからです。彼らに提案を受け入れてもらうためにプレゼンスキルも磨き上げなければなりません。
これらの理由により、コンサルティングファームでの1年の成長が一般企業の3年分、コンサルでの3年で得るものは一般企業の10年分などといわれることがあります。このようなコンサルティングの仕事における成長速度の速さを、志望動機にする場合があります。
【例文】
私は人材を成長させる環境で知られる御社に、今回求人があることを知り応募を決意いたしました。かつて御社のコンサルティング案件の成功事例を現職においての顧客から伺ったことがあり、大いに興味を抱き続けてきました。
コンサルティングの仕事を始めると、最初の2〜3年は成長が大変早いとも伺っておりますが、中でも御社に入った人材の成長には眼を見張るものがあると聞いております。
私は金融関係には深い知識を持っているので、御社への入社が叶った場合は1年の間にコンサルティングの基礎をしっかり築いて、いち早く金融に関係する案件にて業績に貢献できる人材に成長したいと考えております。
コンサル志望動機の作り方3つのフェーズ
コンサルティングファームを志望する際に、内定獲得の確率を上げるために効果的な志望動機の作り方について解説します。手順としては、以下の3つのフェーズに沿って進めてください。
フェーズ1:「望み」を書き出してみる
フェーズ2:「応募先企業の発展」に紐付く「望み」を軸にする
フェーズ3:「PREP法」に沿って整理・再構築する
順を追って見ていきましょう。
フェーズ1:「望み」を書き出してみる
転職を検討するにあたっては、誰もがいくつかの「望み」を持っていますよね。その望みは大きさもさまざまなものが混じり、内容は個々の志望者によって異なるでしょう。それらを一旦、1つ残らず書き出しましょう。例えば以下のような内容です。
- 将来のキャリアアップ転職のためにスキルを身につけたい
- 高額報酬を得たい
- 自信がある英語力を活かせるグローバルな業務にトライしたい
- クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を保てる柔軟な働き方がしたい
- 経営に苦しむ企業の問題を解決したい
- 世間に名が通っている企業で働きたい
- いつか起業するための人脈を築きたい
- マネジメントする職種に昇格したい
次に書き出したものに優先順位をつけて、半分程度に絞り込みましょう。
第1位:高額報酬を得たい
第2位:自信がある英語力を活かせるグローバルな業務にトライしたい
第3位:マネジメントする職種に昇格したい
第4位:経営に苦しむ企業の問題を解決したい
フェーズ2:「応募先企業の発展」に紐付く「望み」を軸にする
フェーズ1で書き出し、優先順位で絞り込んだ「望み」の中で、その実現が応募先企業の発展に紐づくかどうか、あるいは社会に価値を与えることができるかどうかという視点で、当てはまるものを見つけてください。前者は実現により、直接応募先企業に貢献できるものです。後者はその実現が結果的に企業価値に反映されるので、間接的に応募先企業に貢献できるものと解釈できます。それらに当てはまる「望み」を用いて、インパクトがある志望動機を作成しましょう。
先の例でいえば、第1位は自分自身の利益に帰着するので当てはまりません。第2位は応募先企業の発展に紐づくと解釈できるので当てはまります。第3位は、自己実現にはなりますが当てはまりません。第4位は社会に価値を与えることができるので当てはまります。
そこで、第2位と第4位を軸にして、志望動機を組み立てましょう。まずそのままの表現で文章にすると、以下のようになります。
「私は強みである英語力を活かして、経営課題を抱える途上国の企業や国内の外国籍企業の問題を解決したいと考えております」
これでも悪くありませんが、「応募先企業の発展」を強調できるように手直しすると、以下のようになります。
「ビジネスのグローバル化は、現代のすべての企業にとって重要課題となっています。私のこれまで培ってきた英語力を活かして国内外の外国籍企業の経営問題解決に取り組み、御社が向き合うグローバル化に尽力させていただきたく願っております」
この2つの表現では、選考担当者から見てどちらの方が良い印象を与えるでしょうか。前者も前向きで悪くありませんが、主に「自分の視点」だけしか伝わりません。後者のように表現すれば「自分の視点」に加えて「第三者の視点」「企業の視点」も伝わり、選考担当者により良い印象を与えます。
フェーズ3:「PREP法」に沿って整理・再構築する
フェーズ2で文章化したものを「PREP法」に沿って整理・再構築しましょう。
選考時に強いインパクトを選考担当者に残すためには、志望動機に説得力を持たせて「確信ある入社意欲」を伝えなければなりません。そのために、「PREP法」に沿って文章を構築しましょう。PREP法とは、論理的な文章を作るためのフレームワークです。PREP法のPREPとは、文章の流れの中で意識すべき要点である「Point」「Reason」「Example」「Point」の頭文字で、これに沿って文章を整理・構築すると論理的で伝わりやすく、説得力がある文章になります。PREP法を用いて文章を整理・再構築する具体的な手順は以下のとおりです。
- P:Point/結論:冒頭で結論を簡潔に述べます。
- R:Reason/理由:結論に至った理由を説明します。
- E:Example/具体例:理由を裏付けるエピソードや事例を挙げます。
- P:Point/再び結論:あらためて結論を強調して意欲を示します。
このPREP法に沿って、先の例文を用いて整理・再構築しましょう。
<P:結論>
「私は日系ファームの中で積極的にグローバル展開をする御社に惹かれ、応募を決意いたしました」
<R:理由>
「現代のすべての企業にとって重要課題であるグローバル化について、私のこれまで培ってきた英語力を活かし、国内外の外国籍企業の経営問題解決において貢献できると確信しています」
<E:具体例>
「過去にビジネス上で合計3年間の海外経験があり、クライアンと英語によって良好なコミュニケーションを図る技術を磨いて仕事に反映してきました」
<P:再び結論>
「御社が向き合うグローバル化に、私のビジネススキルと英語スキルを最大限に活かし、尽力させていただきたく願っております」
このように、PREP法を用いると、主張の論旨が明確で説得力を与えやすい文章になります。注意点としてはR(理由)とE(具体例)はそもそも連動しているので、文脈上順序が逆転したり、一文の中で双方が述べられたりするほうが自然な場合もあります。そのため、その趣旨さえきちんと押さえていれば、RとEの順序は柔軟に変化させて問題ありません。
ちなみに、PREP法で主張を文章化する効果は、あらゆる類いのメッセージに有効です。応募書類の志望動機以外の長文になる箇所や、面接での回答の仕方にもぜひ応用しましょう。
コンサル志望動機のファーム系統別例文
コンサルティングファームの系統別に、志望動機の例文を紹介します。それぞれのバリエーションはいずれもPREP法に沿った形になっているので、構造を認識して、志望動機を作る際の参考にしてください。
総合系ファーム向け志望動機例文
【例文】
国内企業の海外進出の支援で実績を誇る御社にて日本の産業発展に貢献したく、志願することを決めました。
私は企業のサプライチェーンの次世代化や海外の新マーケット開拓によって、技術力に優れながらも長期にわたる停滞期にある日本産業の発展に貢献したい想いがあります。
御社のこれまでの実績と、これから展開されるDXを伴うサポート戦略が国内企業の発展に与える効果は、計り知れないと強く感銘を受けております。
過去4年間に中小企業の経営サポートで培ったスキルを活かし、御社の戦力として、クライアント企業の意思を汲み取りつつ進出国の地域特性に合ったビジネスを提供する場に臨みたく志願いたします。
戦略系ファーム向け志望動機例文
【例文A】
私は御社の卓越した人材力と人材を育てる環境に強く惹かれ、応募することを決めました。
私は国際社会の中で国内企業の存在感を高めることが、コンサルティングファームの持つ大きな使命であると考えています。
御社の持つ人材の力とそれを育てる環境は、その難問題ともいえる使命に向き合う上で欠かせないものと感じております。
日本の企業が世界で活躍するサポートをする大いなる仕事に、御社の一員として身を投じたい気持ちから応募させていただきます。
【例文B】
私はかねてから働く上で重要と考えていた2つのことが叶えられると考えて、御社を志願しました。
1つめは20代でもさまざまな経験を積めるという点で、2つめはあらゆる意味で成果を実感できることです。御社はその2点を満たせる成長環境を、持っておられると考えております。
現職での過去3年の経験と育んできたスキルを、御社の環境でさらにレベルアップして、御社の今後の新時代の展開に貢献できる人材を目指すつもりです。
どのような領域でも成果を上げてそれを実感し、さらなる大きな仕事に向かえる御社の環境で経営の本質を極めゆく仕事に励みたいと考えて志願いたします。
IT系ファーム向け志望動機例文
【例文】
ITに関して圧倒的に高い専門性を持つ御社で、そのリソースと自身のスキルを駆使して企業の経営課題解決に貢献したく応募を決意いたしました。
御社のクライアント企業の多彩さには大きな感銘を受けており、そんなあらゆる領域の困難な経営課題を解決していきたいと心から願っています。
私はプログラマーに始まり、システムインテグレーターで3年間プロジェクトマネジメントを経験してきたことを活かし、経営課題に向き合える自負があります。
御社の対応力に自身の知見も加えて、多彩な企業の深刻な課題を次々と解決できる人材として貢献するべく、応募させていただきます。
シンクタンク系ファーム向けの志望動機例文
【例文A】
私は御社の幅広い領域の企業をクライアントとして、長期的な事業戦略を策定していくビジネスの方向性に強く感銘を受け、そのフィールドで持てる知見を活かして貢献したいと考えて応募を決意いたしました。
変革の時代といわれて先行きを予測することが大変困難な時代ですが、その中で御社はクライアントのニーズを正確に吸い上げて有効なサポートを展開しておられます。
そんな御社のコンサルティング事業の展開のもとで、私がこの8年間で深めてきた専門知識と現場の経験が、必ずお役に立てると確信しております。
クライアントに必要なものが何かを常に問いかけ、求められた以上の良質な答えを出せる人材を目指し、御社の開拓するフィールドで今後の価値ある10年、20年を積み上げたく応募させていただく次第です。
【例文B】
私は御社が手がける案件の中でも、流通機構の仕組み改善への取り組みに心から共感し、応募させていただきました。
私は以前から官公庁に進言できるシンクタンクにおいて、専門性の高い業務を行いたい希望がありました。
御社は基本的に希望するセクションで仕事に就けるということから、ぜひ流通関連の案件を担いたいと考えております。
私が現職の流通系の事業で育んできた知識を活かして、流通機構の仕組み改善に携わるチームの一員として尽力させていただきたく応募いたします。
特化型ファーム向けの志望動機例文
【例文A】
私は地域社会の未来を見据え、地域を豊かに暮らしやすくすることをミッションに掲げる御社の方向性に強く感銘し、応募させていただきます。
現職では農業の企業型の発展や、付加価値をアピールすることによる介護サービスの雇用機会の創出などを地域に提案してきましたが、提案だけでは環境を動かすことが難しいことを経験しました。
御社では提案からさらに深く踏み込んだ実行支援に取り組んでおり、地域と事業者に寄り添った形で地道に進めているところに感動すらおぼえております。
これまで培った知見を、御社のように実行に移せる環境で活かしたい気持ちに抗えず、この度応募させていただくことになりました。
【例文B】
私は中小製造業者の発展にフォーカスして真摯に向き合う御社のスタンスに共鳴し、中小製造業者のDXをサポートすることで社会貢献したく応募を決めました。
近年ではITの発展に伴い、業務のデジタル化による効率化やオンライン中心の海外展開などの新しいビジネススキームが期待されていますが、中小製造業者には献身的なサポートがなければ困難な面が多いのも事実です。
そんな中で御社の行き方は利益追求だけなら業界や企業規模にこだわらずに案件を受ければ良いものを、あえて中小製造業者の経営サポートに徹底している点で、私の進みたい方向性と軌を一にしております。
御社の中小製造業者の発展を期するミッションに、私が現職で培ったDX導入に関する知見を最大限に活用し、戦力の一人となれることを強く願っております。
コンサル志望動機でライバルと差別化するポイント
コンサルティングファームを志望する際の志望動機においては、ライバルである他の候補者と差別化することで選考に有利となります。そのためには、以下の3つのポイントを押さえた志望動機に仕上げましょう。
ポイント1:コンサルティングの仕事を志望する背景に触れる
例)私は企業のサプライチェーンの次世代化や海外の新マーケット開拓によって、技術力に優れながらも長期にわたる停滞期にある日本産業の発展に貢献したい想いがあります。
ポイント2:応募先企業を選んだ理由に触れる
例)国内企業の海外進出の支援で実績を誇る御社にて日本の産業発展に貢献したく、志願することを決めました。
ポイント3:自分のキャリアやスキルが応募先企業に役立つことに触れる
例)過去4年間に中小企業の経営サポートで培ったスキルを活かし、御社の戦力として、クライアント企業の意思を汲み取りつつ進出国の地域特性に合ったビジネスを提供する場に臨みたく志願いたします。
これら3つのポイントが、それぞれ独立完結した文章になっている必要はありません。今回挙げている志望動機の各例文においても、3つのポイントについて、必ず文章のどこかで言及しています。文脈の流れの中に、それら3つの要素がきちんと盛り込まれているかどうかに気をつけて仕上げましょう。
まとめ
コンサルティングファームに転職を志望する際には、難易度が高く地道な作業も厭わず取り組めるかどうかを見極めるために、志望動機が重視されます。効果的な志望動機に仕上げるためには、自身の「望み」と「応募先企業の発展」が連動する項目を軸にして、PREP法を用いて文章にすると伝わりやすく説得力が生まれます。
コンサルティング業界への転職を検討しているみなさんは、志望動機においてここで紹介した情報を参考にして、他の候補者と差別化できるよう力強く仕上げてください。