外資系IT企業へ転職したいなら、知っておくべき5つの基本

自分の実力や可能性を最大限に試すため、外資系IT企業への転職を視野に入れている方もいるのではないでしょうか。外資系IT企業に転職すると高額年収が期待できることに加えて、最新のIT技術に触れる機会も多くなるので、外資系IT企業は人気のある転職先の一つです。

しかし、外資系IT企業に転職するにあたって、何から始めればよいのか疑問に思いますよね。今回は外資系IT企業に転職するために知っておくべき5つの基本を解説します。

外資系IT企業とは?

外資系と定義される企業には以下の条件があります。

  1. 海外企業が日本に進出し、100%海外資本になっている
  2. 海外企業と日系企業が共同出資して会社を設立した場合
  3. 海外企業が日系企業を買収した場合

外資系企業の詳細については以下のサイトを参照してください。

業界別にみる外資系IT企業

次に外資系企業IT企業にはどのような業界があるのかを解説します。

インターネットサービス

クラウドサービスやスマートフォンアプリの開発などを手掛け、近年ITエンジニアの間でも人気が高まっているのがインターネットサービス業界です。商品の販売を計画する際に欠かせないデータ分析やアプリ開発、UI/UXの設計などを行います。インターネットサービスは多種多様な業界と関連があるので、エンジニアやセールスなどの募集数が多いという特徴があります。

※外資系インターネットサービス企業の例:Google、Yahoo、フェイスブックジャパン、アマゾンジャパンなど

メーカー

メーカ―系のIT企業とは、インターネットサービスやソフトウェアの開発をする会社から分離して、システム開発に特化した企業のことです。メーカ業界には、ソフトウェアメーカーとハードウェアメーカーがあります。ハードウェアメーカーは情報処理機器や通信機器を製造し、ハードウェアメーカーはアプリケーションなどのシステム開発を行います。

基本的には、DELLや日本IBMなどは母体からの要望にマッチしたシステムを構築することが主な仕事になるため、仕事が途切れにくく比較的安定しているというメリットがある。

日本にある外資系メーカーの場合、本社の製品を日本の顧客向けにカスタマイズしたり、国内での販路を拡大するのが主な業務となります。

※外資系メーカー業界の例:DELL、日本IBM、アドビシステムズ、日本ヒューレット・パッカードなど

ベンダー

ベンダーとは、販売業を担当する企業のことを指し、メーカーが作った製品を顧客に販売する役目があります。ITベンダーの多くは、海外本社が開発した製品を日本のマーケットで流通させる役割を担っています。日本支社にシステム開発などの機能を据えていないことが多く、エンジニア職よりも営業やマーケティングの分野で活躍できる人材を募集しています。

※外資系ベンダー企業の例:インテル、SAP、日本オラクル、アップルジャパンなど

ITコンサルティング

ITコンサルティングは、クライアントがIT分野の問題を抱えていたり、経営上の悩みを抱えている場合、IT技術によって解決策を提示します。

IT戦略策定やビックデータ解析、ITのインフラ設計、ITに関するリスク管理やセキュリティ対策などを請け負います。クライアントの問題を的確に抽出できるか否かが非常に重要となるため、コミュニケーション能力や問題の解決方法を導き出せる能力が必要になります。

※ITコンサルティング企業の例:アビームコンサルティング、日本IBM、アクセンチュアなど

代表的な外資系IT企業

この章では、代表的な外資系IT企業を、情報処理サービス、ソフトウェアサービス、インターネットサービスの分野に分けてご紹介します。

情報処理サービス系の外資系企業

まず、情報処理サービスの外資系企業を解説します。

アクセンチュア株式会社

アクセンチュアの従業員は世界中に50万人以上いると言われており、世界最大規模のネットワークを駆使して、次世代のシステム開発を手掛けています。

アクセンチュア内の業界グループは、公共サービス、医療健康業、製造・流通業、通信・ハイテク業、素材・エネルギー業、金融サービス業に分かれています。中でも、通信・ハイテク業に含まれる、ITテクノロジーの導入や開発分野でのITコンサルにおいて、大きな力を発揮しています。コンサルティングでは、人材組織改革や営業改革、クライアントの課題に対しての問題解決の提示を行います。また、戦略コンサルタントとしてM&Aや企業変革なども展開しています。

アクセンチュアは日本国内でも成長を続けており、求人の数も多くあります。20代でも転職できるチャンスがあり、自分の可能性を試したい方におすすめです。

日本 IBM(Global Bussiness Service)

IT企業として世界規模のマーケットを持つIBMには、Global Bussiness Service(通称GBS)があり、システム開発やITコンサルティングを手掛けています。戦略コンサルティングやシステム開発などを7,000人を超えるスタッフが担当しており、オールインワンで手掛ける組織づくりを行っています。

データアナリティクスやディープラーニングなどのITコンサルも行っているので、これらの分野でスキルを伸ばしたい方におすすめです。

ソフトウェアサービス系の外資系企業

次にソフトウェアサービスの外資系企業を解説します。

SAPジャパン株式会社

SAPジャパン株式会社はERPパッケージシステムを提供するヨーロッパ最大級のソフトウエア企業です。さらにERPだけでなく、データベースなどの分野のソフトウェア開発にも幅を広げています。

従来のインターネット環境はオンプレミスが主流でしたが、昨今はクラウド化へのシステム移行が進んでおり、SAPジャパンでも「SaaS」や「PaaS」など、幅広い分野でサービスを提供しています。クラウドエンジニアやシステムエンジニアとして活躍したいしたい方におすすめです。

日本マイクロソフト株式会社

マイクロソフトといえばWindowsパソコンにおいて世界的なシェアを誇る企業です。マイクロソフトも「Microsoft Azure」をメインとしたクラウドサービスを提供しており、パソコンやタブレットの需要に停滞感が出ている中でも、サービスの多角化を推し進めています。

超一流のIT企業というだけあり、日本マイクロソフト社への転職希望者は多く、中途採用で入るためには、エンジニアとしての実務経験や実践で使える英語力が求められます。狭き門ですが、平均年収は900万円程度とも言われていますから、高額年収を目指したい方、自分の実力を試したい方におすすめです。

日本オラクル株式会社

日本オラクル株式会社は、米国オラクル・コーポレーションの日本法人として、ソフトウェアやハードウェア製品の開発・販売を行っています。日本オラクルの従業員は2000人以上在籍しており、ITコンサルやセールス、セールスコンサルタント、サポートエンジニアなどが活躍しています。幅広いポジションで募集がかけてられているで、外資系企業で働いた経験のない人でも転職できる可能性があります。

インターネットサービス系の外資系企業

次にインターネットサービスの外資系企業を解説します。

グーグル合同会社

2001年にアメリカ以外の国で初めての現地法人として設立されたのが、グーグル合同会社です。エンジニアとセールスのポジションで新卒採用を行っており、新規事業の立ち上げにも注力しています。

アメリカ本社のグーグル社員の平均年収は2,000万円を超えると言われていますが、グーグル合同会社でも平均年収は1,000万円を超えています。超一流のIT企業で自分の力を試したい方などにおすすめです。

フェイスブック ジャパン

ソーシャルメディアの代表例として世界中で20億人以上が利用しているフェイスブック。近年、日本市場でもインスタグラムの利用者が増加しており、フェイスブックの成長を押し上げる要因となっています。フェイスブックジャパンへの転職は中途採用のみとなっており、平均年収は1,100万円から1,300万円程度と言われています。

Amazon Japan 合同会社

アマゾンジャパン合同会社では、アナリスト、エンジニア、メンテナンス、プロジェクトマネジメントなどのポジションで募集をしています。採用を勝ち取るには専門性の高い経歴が求められ、即戦力として活躍できるだけのスキルが求められます。しかし、アマゾンジャパンにはカスタマーサポートなどの顧客対応や、数値管理や情報分析など未経験者でも採用される可能性があるポジションもあります。ITエンジニア以外でも転職できる可能性があるので、アマゾンジャパンの求人情報を定期的にチェックしておくと良いでしょう。

外資系IT企業に転職するメリット

外資系IT企業に転職するとどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に解説します。

高額年収を目指せる

外資系IT企業の特徴の一つは、平均年収が高いという点です。日本の一般的な社会人の平均年収は450~650万円程度と言われていますが、外資系IT企業では平均年収が1,000万円を超えている場合が多くあります。もちろん年収が高い分、多くのことを求められますが、高額年収を目指したいという人には、外資系IT企業への転職がおすすめです。

短期間でキャリアアップできる可能性がある

年功序列制度が設けられてる日系企業の場合、年収やポジションは勤務年数に応じで上がっていきます。スキルがあってもステップアップするには時間がかかるので、自分の実力を最大限に生かすことができないと感じる人もいます。

外資系企業には、年功序列制度というものはなく、入社期間が短くても優秀な成績を残せば短期間でキャリアアップできる可能性があります。さらに男性・女性関係なく管理職につける機会が開かれているので、自分の可能性を最大限に活かしたいという人には魅力的でしょう。

グローバルな環境を体験できる

人種や国籍が違う人と仕事をすると「こんな考え方もあるのか」「このやり方をすると作業効率がいいのか」など、今までに気づかなかったことを発見できます。

同じ日本人同士で仕事をすると、どうしても視野が狭くなり、イノベーションの創造性が乏しくなります。さまざまな国や環境で仕事をしてきた人と仕事をすることで、自分自身の視野を広げることができ、新たな学習の機会を得ることができます。

外資系IT企業に転職するデメリット

外資系企業に転職するデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。具体的に解説します。

結果が伴わないと、突然の解雇の可能性がある

外資系企業では明確にノルマが設定され、期間ごとにノルマを達成したか否かで査定されます。業績をアップさせることができれば年収にそのまま反映されますが、業績が振るわない場合、年収ダウンや最悪の場合、解雇の可能性もあります。

「自分のタスクを無難にこなしておけば首にはならず、給与も上がる」という日系企業での考え方は通用しません。そのため、生涯安定して同じ会社で働き続けたいという考えの人には外資系企業は向かないでしょう。

常に学習し続ける必要がある

外資系IT企業の移り変わりは非常に速く、時代に後れを取らないためには常に学習を続ける姿勢が必要です。最新の学術研究や論文に目を通して、IT技術の進歩についていかなければなりません。そのため、勉強するのが嫌いで今の知識だけで仕事を続けたいという人が外資系IT企業に入っても成功するのは難しいでしょう。

外資系IT企業に向いている人材

実際に、外資系IT企業で働くにはどのような能力が必要なのでしょうか。詳しく解説します。

即戦力として活躍できる人

外資系IT企業では、会社内で人材を育成するという概念はあまりなく、即戦力として働いてくれる人材を採用する傾向があります。そのため、前職でどのような実績を上げてきたのか、会社の売り上げにつながるスキルを持ち合わせているか否かで採用が判断されます。

外資系企業への転職を成功させるには、ライバルに差をつけることができる専門性を磨くことが必要です。エンジニアであれば難易度の高いプログラミングスキルを身につけたり、AIやビックデータ解析に使われるディープラーニングの知見を深めるなどが有効です。

書類選考を通過して面接の場でも「あなたの長所は何か?この会社でどのように活躍できるのか?」などの質問を受けることが予想されるので、今のうちから専門性を磨いて即戦力として活躍できることをアピールしましょう。

自分の意見を主張できる人

日系企業ではあれば、同僚も上司も日本人なので言葉にしなくても意思が通じる部分があります。しかし、同僚や上司が外国人となると言葉でしっかりと伝えなければ相手には伝わりません。例えば、このプロジェクトについて自分はどう思っているのか、今後のキャリアをどのように展開したいと思っているのか、などを自己発信できる人が成功しやすくなります。

IT企業の場合、市場の変化はとても速いので、外国の本社とのやり取りをする場合、日本市場の変化を分析して経営陣の意見に言う必要性も出てきます。自分の意見や考えを言語化して相手に伝えるスキルは外資系企業の場合、特に必要となります。

自己管理能力がある人

外資系企業では、業績結果が重視されるため、ハードな業務が求められたり、上司からのプレッシャーが強いこともあります。自己管理能力がないと自分をコントロールすることができず、体もメンタルも疲れ切ってしまいます。ハードな業務環境やプレッシャーのなかでも一定のパフォーマンスを維持するには、自分自身の食生活や生活習慣を整える自己管理能力が必要です。

自己管理能力には自分の仕事を客観的に分析する能力も含まれます。例えば、どうすれば業務を効率化できるのか、業績を上げるにはどこを工夫すれば良いのかなどを常に考えて解決策を出せる思考が必要です。

多様な個性に対応できる人

外資系企業に入ると国籍や文化、習慣の違う人と一つのチームとして仕事をすることになります。同じ日本人同士であれば、感じることのない戸惑いや怒りを覚えることもあります。企業が成長して業績を伸ばすためにはチームワークが必須であり、従業員ひとり一人には多様な個性に対応できる能力が求められます。

多様な個性に対応するには、柔軟な思考で物事を受け入れていく必要があります。プロジェクトの中で、自分のイメージしていたやり方とは違う方法が提案された場合、「違う方法を試してみる価値はあるかも」と、他人の価値観を受け入れることも大切です。
しかし、時には、どうしても譲れないという場合もあるでしょう。そのような時はきちんと向き合って話し合い、自分の考えを論理的に相手に伝えることで協力関係を維持する必要があります。

外資系IT企業への転職を成功させるコツ

この章では、外資系IT企業に転職するためのポイントを紹介します。

英語力を高める

外資系企業に転職すると言っても、求められる英語力は様々です。日本人のクライアントに営業をして、社員のほとんどが日本人の場合、高度な英語力はさほど必要ありません。社内情報やマニュアルを辞書を使いながら解読できる英語力があれば事足りる場合もあります。

一方で、社内言語が英語であったり、外国の本社と密に連絡を取り合う必要があるポジションの場合、日常会話以上の英語力が求められます。ネイティブの英語を正確に聞き取ることに加えて、自分の考えを論理的に相手に伝えることが必要です。

このレベルになると、TOEICや英検などの資格の点数だけでは判断できない領域となり、海外留学の経験がある人や日頃から英語を話す機会の多い人が有利になります。

外資系企業への転職を目指す際は、どの企業のどのようなポジションで働きたいと思っているのかよって、英語の学習方法を調整すると良いでしょう。

転職エージェントに登録する

インターネット上の転職サイトでも外資系IT企業の求人を探すことはできますが、マイクロソフトやアマゾンジャパンなど大手の外資系企業になると、非公開の求人を抱えている場合もあります。転職エージェントに登録すると、非公開の求人を紹介してもらうことができるだけでなく、面接までのプロセスをショートカットできる場合もあります。

転職エージェントは多数存在しますが、外資系IT企業への転職を視野に入れているのであれば、外資系に強い転職エージェントに登録しなければ意味がありません。畑違いの転職エージェントに登録しても希望する求人を見つけることはできず、ライバルに先を越されてしまいます。

まとめ

今回は外資系IT企業への転職について解説しました。外資系IT企業にも様々な業界があり、業務内容も異なります。

外資系企業で活躍するには、即戦力として活躍できるスキルを磨くことや自分の考えを率直に伝えることができるコミュニケーション能力が必要です。また、自分とは違う考え方や個性を受け入れる許容性や柔軟性も欠かせません。

外資系IT企業に転職するには、外資系企業に強い転職エージェントに登録するのが有効です。転職エージェントへの登録をまだしていない方は、今すぐ登録をして自分に合った求人を見つけましょう。

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亀田和明

コンサルタント歴:15年以上

高校卒業後に渡豪。キャンベラ大学を卒業し、外資系大手リクルートメント会社に入社。人材紹介業界でのキャリアをスタート。ファイナンステクノロジー(金融IT)、不動産、サプライチェーン、また保険チームの立ち上げや、新規ビジネス開発などに多数従事。2012年に弊社タリスマン立ち上げから参画。Fintech領域のリクルートメントに携わり、現在はIT、金融・保険・コンサルティング・製造領域の人材紹介事業を管理しております。

国内の日系企業様はもちろん外資系企業様の、CxOレベルなどのエグゼクティブからジュニア(第二新卒)の求まで、多岐にわたる転職サポートを行っております。海外での募集要件なども常時取り揃え、日本語・英語での対応が可能です。培ってきた経験をもとに採用課題に対するソリューション提案を常に心がけております。

対応言語:日本語、英語

得意な業界:IT全般、金融、フィンテック、保険、コンサルティング

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