転職の不安を払拭!ほとんどの人が経験する転職の8大不安と解消法

転職は大きな転機です。また転職に関わらず、新しい事にチャレンジする時、その過程で多くの不安を感じるのも自然なこと。ここでは、転職における一般的な不安要素と不安を解消するための秘訣を紹介します。

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転職が「不安・怖い」と感じる理由

転職を考える際、多くの人が不安や恐怖を感じるのは、「未知の環境への移行」、「安定した現状を変えるリスク」、「自己の選択に対する自信の欠如」などが原因です。これらの不安を理解し適切に対処することで転職成功への第一歩を踏み出すことができます。以下に挙げる転職の不安要素とその解消法があなたの参考になれば幸いです。

まずは、「転職活動への不安」がどのくらい一般的で、ある意味当たり前であるのか、可視化してみましょう。
以下の総務省データによると2023年に転職を希望した人の数は1007万人と過去最高を記録しました。一方で、実際の転職者数はそれほど伸びていないのが分かります。この差分が、転職希望者が抱える不安や迷いの大きさと見ることもできるでしょう。終身雇用や年功序列といった昔ながらの制度や気質がなくなりつつあり、転職に対する社会全体のハードルは下がったこの時代だからこそ、逆に転職に対する不安が一般的になってきていると言えるのではないでしょうか。
逆に言えば、転職にはある意味「つきもの」といえる不安や恐怖を漠然と感じたり、過度に意識するのではなく、きちんとその不安の理由に向き合うことで軽減できるはずです。

表:総務省 令和5年 労働力調査より、転職者数と転職希望者数の推移
表:総務省 令和5年 労働力調査より、転職者数と転職希望者数の推移)

ほとんどの人が経験!転職の8大不安と解消法

1.時間がなく、仕事と並行して転職活動をしていけるか不安

忙しい日々の合間での転職活動では時間管理と優先順位の設定が鍵となります。転職活動では、複数社の選考を同時に進めるのが一般的ですが、個人で転職活動する際はそれらの調整・管理が大変になってきます。転職エージェントを使うと、エージェントや担当者が進捗を見ながら面接日程などの調整や管理をサポートしてくれるので必要に応じて利用しましょう。ただし任せっきりにしないように注意です。

2.転職活動といっても何をしたら良いかわからず不安

まずは転職に関する情報収集に徹することが大切です。出たとこ勝負、計画無しの転職活動は不安が強いだけでなく非効率です。市場調査から始め、自己分析を行い、履歴書や職務経歴書の準備を進めましょう。自己分析を行う際には、自身の「外的キャリア」「内的キャリア」の双方に焦点を当てることが非常に重要です。これまでの職務や業績と、獲得した能力や磨き上げた特性を整理し理解しましょう。自己分析はウェブで検索すると、沢山の情報が出てきますが、書店で本を購入、転職エージェントに登録し相談など、転職活動のツールや選択肢はたくさんあります。その中から自分に合ったやり方を見出しましょう。また、Linkedinやリアルのネットワークを活用し転職活動をすることも有効です。

3.転職して自分が何がしたいかわからない

転職はしたいけど「自分は将来何がしたいかわからない。」「何が自分に向いているかわからない。」と思っている方は意外と多いです。そのような場合は、キャリアコンサルタントや転職エージェントとの面談を通じて、自己理解を深め、キャリアプランを明確にしましょう。現職の経験が長いと意識することが少なくなっているかもしれませんが、「働くことでの喜びは何か」や「どんな業務にやりがいを感じるか」のような職業的な価値観を基盤とした「内的キャリア」の深掘りは重要です。これにより、あなたのキャリアの方向性を再度明確にすることができるはずです。もしその結果「今すぐには転職せず現職にとどまる」という結論になったとしても考えた時間は無駄ではありませんし、転職やキャリアに関しての自分の考えや希望をクリアにすることは大切です。

4.転職先が見つかるかどうか不安

1回のプロセスで内定が出る人はほとんどいません。何度かトライして内定に結びつくものなので、初めから過度に期待せず、諦めないメンタルを持って挑みましょう。採用面接は回数をこなすほど、経験から学ぶことができます。見直すべき点を見つけ、自分の強みや改善すべき点を把握することで次のステップに進みやすくなるはずです。そういった意味で、複数社の選考を同時進行することも大事になってきます。「ここがダメでもまだ他がある」という気持ちでいる方が心に余裕ができます。日本には170万社以上の法人企業が存在します。色々な手段を用いて求人を探し、応募の幅を広げることと、失敗を恐れず積極的にチャレンジすることで、条件の合う企業と出会える可能性は高まります。さらに業界イベントやセミナーに参加することで、企業の代表者やリクルーターと直接コンタクトが取れる機会も広がるでしょう。積極性と柔軟性を持って継続しましょう。

5.転職を家族に反対されたり、上司に引き止められたらどうしよう

会社や上司からの引き止めの場合では、給与や労働条件の改善を前提に交渉される場合もあると思います。ですが冷静に判断材料を並べて考えましょう。「そもそもなぜ転職をしたかったのか」、「現職に残って原因は改善されるのか」、「転職せずに望んでいる結果が得られるのか」などが判断のポイントです。現職に対して情や負い目を感じて残る必要はありません。家族に関しては、事前にしっかりと転職の意思を伝え、納得してもらことが大切です。転職エージェントのキャリアコンサルタントに聞いたところ、「内定後に家族に話したものの反対され、内定を辞退する人も一定数はいる」とのことです。「自分に限って家族から反対されるようなことはない」と、たかをくくらず、事前に根回しをしておきましょう。

6.転職して年収が下がってしまわないか不安

厚生労働省が実施した「令和2年転職者実態調査」によれば、転職により賃金が「増加した」割合は39%、「減少した」は40.1%でした。この結果から、転職による年収アップが大半を占めている訳ではないということが分かります。年齢層別にみれば20代~30代前半までは年収アップの期待値が比較的高いようですが、全年齢層を通じ、「減少」「変わらない」が過半数を占めています。
厚生労働省令和2年転職者実態調査
特に未経験の職種・業界に転職する場合では、短期的な収入の減少を伴うことがあります。ですが、転職先で経験とスキルを積めば、長期的にはキャリアアップと収入増に繋がることも多いです。応募企業の年収モデルケースなどを確認できると数年先の給与や年収がある程度想定でき、参考にすることができます。また年収のようなデリケートな話題は自分で交渉に臨むよりも、相場や市場価値をよく理解している転職エージェントに任せるのがオススメです。仮に年収が下がる場合、どの程度であれば転職を決断できるのかなども事前に相談しておきましょう。給与等の条件だけでなく、やり甲斐や価値観の一致にも一定のウェイトを置きながら企業を選ぶことは、この先の長いキャリア全体の満足感にもつながります。

7.転職して後悔しないか不安

転職後の後悔の原因は、給与などの金銭的な条件、働き方や環境、遣り甲斐や成長実感、人間関係などに集約することがきます。優先順位として転職に何を求めるのか、をじっくり考え、企業を吟味することで、後悔は防ぐことができます。
前述にもあるように十分な情報収集と自己分析などの転職準備をしっかりと行いましょう。さまざまな条件を比較検討することで、ミスマッチを防いで納得のいく転職ができるはず。
転職は新たなスタートであり、成長の機会です。新しい会社でできるだけ長く活躍する為にも慎重に選択しましょう。

8.新しい仕事や職場に馴染めるか不安

これに関しては「入社してみないとわからない。」というのが正直なところです。新しい環境には適応期間が必要ですし、入社してみて初めて気づく事ももちろん出てくるでしょう。オープンマインドを持ち、積極的にコミュニケーションを取ることを意識しましょう。
ただし、「実際に起きた事実」と「未実現の期待」をきちんと区別し、転職活動を始める前から不安に駆られるような事態は極力避けましょう。新しい職場に馴染めるかどうか、どうしても不安な時は、現職に入社した直後のことを思い出してください。その時期を乗り越えているので、転職を考える今の自分がいる、と考えれば、多少は心が軽くなるのでないでしょうか。
また、仮に入社後に思っていたものと違っていたと感じたとしても、最終的には自身が決断し、納得のいく条件や職務であれば、入社してからのモチベーションは全く変わってくるはずです。そういった意味でも後悔のない転職活動を行いましょう。

漠然とした転職への不安の裏に「現状維持バイアス」があるかも?

転職をした方がいいと、薄々感じているものの、行動に移せずモヤモヤしてしまう。もしあなたがそんな状況なら、それは「現状維持バイアス」が原因かもしれません。
現状維持バイアスとは、簡単に言えば、将来の「得(メリット)」よりも現在の「損(デメリット)」に大きく反応してしまい、変化を恐れることで合理的な判断を狂わせる人間の心理傾向です。得られるものより失うものにフォーカスしてしまう「損失回避バイアス」などの認知バイアスが関係していると言われています。「現職の仕事内容や環境に慣れているし、新しい会社で上手くやっていけるか不安で、転職の一歩を踏み出せない…」これは正しい不安でしょうか?
転職による得られる将来的なメリットよりも、現職環境を失うデメリットの方が本当に大きいのでしょうか? 正体が分からないモヤモヤした不安により行動を起こせずにいるのであれば、「変化をせず、現状を維持するという選択が正しいのか」、客観的に考えてみる必要があります。紙などに転職によって得られるメリットとデメリットを書き出して、どちらがより優先されるのかを検討してみましょう。その紙を見ながら、転職エージェントに相談してみることもお勧めします。なぜなら、経験豊富なキャリアコンサルタントであれば、多くの転職者の悩みを聞いてきた実績があり、その転職者が転職後、「転職して良かった」のか「転職を後悔している」のかをデータとして蓄積しているからです。複数のデータから、成功確率の高い選択をアドバイスしてくれるでしょう。

冷静に考えよう!自分は転職すべきか、しないべきか

8つの不安要素をそれぞれ解説しましたが、不安は解消されたでしょうか。
人によってプロセスの在り方、スピードは様々なので「こうあらなければいけない」、「こうしなくてはいけない」などと最初から期待値のハードルを上げて転職活動をしないように意識しましょう。
また、自分の位置確認も重要です。自分が今どのステージに立ち、どのプロセスに向かっているか客観的に見ることができるかどうかが鍵となります。
以下は転職の際に目指すべき領域を示す一般的な集合図(ベン図)ですが、実際には様々な要因がからみこのようなシンプルな形にはなりにくいのが実情です。

転職の際の理想のターゲット領域を表すベン図(タリスマン株式会社作成)
転職の際の理想のターゲット領域を表すベン図(タリスマン株式会社作成)

まずは転職に関する漠然とした不安を払拭し(払拭とまではいかないまでも上手に恐れることが大事)、現在の職場での不満、キャリアアップの可能性、市場の需要などを冷静に分析し、柔軟性を持ちながら自分にとって最善の選択をしましょう。

以下に、「転職すべきか、転職しないべきか」の判断軸となるポイントをいくつか挙げたので参考にしてみてください。

転職した方が良い人

  • 明確なキャリアアップの目標があり、現職ではその目標を達成できない人
  • 職場環境や人間関係に問題があり、改善の見込みがない人
  • 新しいスキルを身につけ、自己成長を望む人

キャリアアップを考えているなら、まずは転職について色々調べてみることをお勧めします。市場の状況や自分の市場価値など転職活動してみてわかる事もたくさん出てきます。“自分リサーチ”と思って取り組んでみましょう。

転職しない方が良い人

  • 単に現状に不満があるだけで、具体的なキャリアプランがない人
  • 短期間で何度も転職しており、履歴書が不安定に見える人
  • 現在の職場での成長機会や昇進の可能性が高い人

特にお勧めしないのは、「辞めたい」だけのモチベーションで転職活動をしようとしている方。面接に進んでも採用担当者に「この企業で働きたい」という熱意が伝わらければ、内定は期待薄です。自分の武器を見直してから転職活動に挑みましょう。
 

キャリアコンサルタント 根津氏
キャリアコンサルタント 根津氏からのコメント
新しい一歩を踏み出そうとする勇気、素晴らしいです!転職は成長と挑戦の始まりです。
過去の経験や学びを胸に、自信を持って前進してください。未知の道が待っていますが、そこには新たな可能性と出会いが溢れています。
困難もあるかもしれませんが、それらは成長のチャンスです。
自分の経験と才能を信じ、挑戦を楽しんでください。それをバックアップするために我々がいます!

まとめ

本記事では転職が「不安・怖い」と感じる理由と、多くの人が抱えている具体的な8つの不安について解説し、解消法を紹介しました。また転職に関わる漠然とした不安の裏にある人間の心理「現状維持バイアス」についても触れ、どうしても転職に踏み切れない方への客観的なメリットとデメリットの捉え方を紹介しました。
転職は大きな決断ですが、適切な準備と正しい心構えを持つことで、不安を乗り越え、成功に導くことができます。自分自身の価値を信じ、前向きな姿勢で転職活動に臨みましょう!また、一人で全てをやろうとせず、自身のネットワークや転職エージェントを利用してサポートを頼むことも大切です。心の余裕や安心材料を持った状態で転職活動ができるようにしましょう。

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