外資系企業の面接では、電話面接があると聞いたことがあるかと思います。
キャリアが浅いうちは、面接も日本法人の方との直接面談が基本になりますので、電話での面接は少ないかと思います。しかしある程度のキャリアになって来られた方や、スタートアップの会社などの場合、電話やWeb-EX, Skype, Zoomといったツールを使ってビデオ会議形式で面接を行うことは珍しくありません。
しかし初めて電話面接を受ける方は対面との違いがイメージできず、十分な対策ができないことも。
今回は、30年に渡り10社ほどIT業界の外資系企業に勤務してきた経験を持つ筆者が、外資系企業の電話面接を攻略するポイントをお伝えします。
外資系企業の電話面接の面接者はネイティブ社員
なぜ外資系企業では電話面接が行われているかと言うと、国外にいる本社マネージメントや入社後に関連業務を行う社員との面接が必要になるためです。
企業側としても、対面の方がより候補者を理解できるとの認識はありますが、本社からわざわざ面接のために来日することは難しく、多くの候補者と効率的に面接を行うため、このような方法をとるわけです。
また最近では各種ツールも揃ってきているので、その数は増えているのが実情です。
そして面接者は本社のマネージメントや、国外のスタッフですので、多くは英語での面接となります。
これから外資系の企業にチャレンジしてみようという方にとっては、一見ハードルが高いと感じるかと思います。実際、私も当初は大変緊張しましたし、まごまごしてしまうことも多かったと記憶しています。
では、どのような対策をすればよいのでしょうか?
外資系企業電話を攻略する3つのポイント
電話やビデオ会議であっても、直接の面接であっても、質問内容や面接の流れに変わりはありません。
最も異なる点は、やりとりする情報量が対面での面接に比べかなり制限される点です。
例えば、その場の雰囲気、動作、表情が伝わりにくい点、また言葉も電話やリモートでは伝わりづらくなります。
従って、そのような少ない情報量をカバーする努力が必要です。
ここでは3つのポイントをお伝えします。
- 言葉は力強く、より明確に、明るく伝える
面接においては、その第一印象は大変重要です。それは対面での面接も電話・リモートでも全く一緒です。対面の面接では、当然、服装、髪型、表情が見えますので、第一印象はそのまま受け取られます。しかしながら、電話やリモートではそうはいきません。
その代わりに「言葉の力」が、あなたの第一印象として相手に受け取られます。
ですので、いつもに増して言葉ははっきりと、明るく、やや大きく発声する必要があります。慣れない母国語以外であればなおのことです。 - 応募する企業、組織、職種、採用の背景、面接者など情報の事前入手
どのような面接であっても、事前の情報入手は一番大事といっても過言ではありません。
なぜなら、どんなに優秀な候補者であっても、企業が採用する目的に合う人材でなければ採用に至らないからです。例えば部門の新設、強化、補充など、そのフェーズにより課題が異なり、その課題を解決できる人材が求められます。
電話面接の場合、実際には時間や、伝えられる内容の情報量に制約があるため、より的確に、企業が望むに臨む人材像を把握しておく必要があるのです。
また可能な限り、面接者の情報入手も必要です。最近では大変便利なことに、LinkedInなどに多くのビジネスパーソンが自分のキャリアをアップしています。
ですので、どのような経験の持ち主なのか、どのような業務責任をもっているのかなどを簡単に入手することができます。うまくすれば、過去に同じ会社に勤務していたり、学校が同じ、などの共通の話題が見つかるケースもありますので、一気に近しい雰囲気を作ることができるかもしれません。 - 自分の伝えたい情報の十分な事前整理
多くの場合、通常と同じパターンで面接は進みます
1. 面接者からの自己紹介
自分の職務(Role)と、どんなポジションの業務なのかの簡単な説明
2. 応募者の自己紹介
これまでの経歴の紹介と、応募の動機など
3. 面接者からの質問
4. 応募者からの質問
上記の4つの流れで大概のケースが進むわけですが、日本人以外の面接者はNative Englishで容赦なく話してくる事が多いです。
慣れないうちはその状況に面食らい、自分が伝えたいこと、相手から聞きたいことが飛んでしまいます。
電話面接は、限られた時間、制約のある環境、Native Englishという3重苦が待ち構えているのですから、当然十分な準備として、対面の面接以上に自分が伝えたい内容の整理が必要になります。
また1.で記載したように、その内容を力強く、自身をもって、明るく伝えることが必要になるわけです。
別途重要な点として何事も経験が必要ですので、外国人の友人、同僚、またはエージェントの方に依頼をして、事前になんどか電話面接の実地練習を複数回行うことを強くお勧めします。
最後に、私は候補者としても採用側でも数えきれない面接を経験してきました。
その経験でいえば、採用したいなと思う候補者は、ほとんどの方が、自信をもって(過剰や根拠がない人は論外)、明るい印象で、かつ応募する企業にとにかく興味をもっているため内容のある質問を沢山してきた人です。
また自分が応募する際には、面接側で培った経験を使っていますので、現在では面接で落とされることはあまりなくなりました。
今回は私の経験をもとに、電話面接の対策をお伝えしましたが、少しでも読者の方のヒントになれば幸甚です