コミュニケーション苦手なエンジニア必読!対処&克服法や転職の戦略

現代社会では、コミュニケーションに苦手意識を感じている人はたくさんいます。職業の中では、エンジニアにも多いといわれているのです。
「人に話しかけにくい」
「黙々とひとりの作業が多いので、話がうまくできない」
「人になかなか、理解してもらえない」
エンジニアには、たとえば上記のような悩みを持つ人が多いようです。
この記事では、コミュニケーションが苦手と感じているエンジニアに向けて、まずはその原因を掘り下げ、対処法を提案します。そして一歩踏み込んで、克服するための方法も解説し、さらに転職活動においての戦略も解説していきましょう。

エンジニアがコミュニケーション苦手な場合の主な原因と対処法

まずはエンジニアにとってコミュニケーションが苦手な場合の代表的な原因に目を向けて見ます。

会話そのものに関するもの

他者との会話そのものと、その相手に対するものとを分けて解説します。最初に会話そのものに潜む原因から見ていきましょう。

意識してしまい緊張する

コミュニケーション苦手なエンジニアが人と話す場面で緊張してしまい、うまく言葉が出ない場合や場違いな発言をしてしまうということがあるようです。

【対処法】
会話で緊張するのは、ともすれば必要以上に自分をよく見てもらおうとする心理が働いている場合が多いようです。自覚はなくとも、自意識過剰ということが考えられます。
多くの人は他者と会話した内容の大半を忘れてしまうものです。よって、「こう発言したらどう思われるだろう?」などとこまごまと考え過ぎないようにして、なんでもよいから普通の感覚で話すことを心がけましょう。

会話のやりとりができない

エンジニア同士の会話の流れに沿って話そうとするのにもかかわらず、いつも会話がぎくしゃくしてしまうことがあるようです。特にテーマのない雑談が苦手な人に多い傾向があります。
マンツーマンでなく数人で話しているときにも、あなたの発言で会話の流れがおかしくなったり、「それは別の話だね」などといわれたりする経験があるのではないでしょうか。

【対処法】
会話に参加しているつもりでも、心のどこかで「自分とは関係ない」と思っていたり、「それはすでに知っている」などと考えていたりすると、会話に溶け込みにくくなるものです。
ともかく日常で接する人たちに、もっと関心を持ってみてください。できれば相手のことを尊重し、会話を交わすことを嬉しいと思えるようになれば、会話のやりとりが自然にできるようになるでしょう。

相手に関するもの

次に、会話する「相手」にフォーカスした、コミュニケーション苦手の原因に目を向けてみましょう。

意図がくみ取れない

会話をしていて、相手の話のいわんとする意図をくみ取るのが苦手なエンジニアも多いようです。真意がわからないので、相手とも話が弾まず気まずくなってしまいがちになります。

【対処法】
相手の話の意図がくみ取れないという感じる人は、相手の話が自分の考えと違うという理由で、はなから共感しようとしていないことが多いのではないでしょうか。
いろいろな考え方があるので、たとえ自分の考えとは違っていても、まずは相手の話にきちんと耳を傾けて理解し、共感できる部分を見つけよう向き合うことにより、相手の意図がくみ取れることができるようになると考えられます。

気を遣い過ぎる

自分の発言で相手にどう伝わるのかが不安になり、嫌われたくないためにおどおどしてしまうエンジニアがいます。これは相手に気を遣いすぎるのが原因と考えられるでしょう。

【対処法】
人と人との関係というものは常に変化しています。知り合った当初は気を遣い合うこともあるでしょう。しかし、付き合いが長くなるにつれて本音を言いやすくなっていくものです。
ところが、いつまでも気を遣い続けていると相手も心を開きにくくなり、表面的な付き合いが続いてしまいかねません。
どんなに気を遣っても、全員に好かれることなど至難の技であり、中には嫌われる場合もあるのだと割り切ることも大切です。
嫌われたくないという気持ちを前面に出さないほうが、相手もあなたのよいところをみてくれる可能性が高まります。

コミュニケーション苦手なエンジニアにおすすめの克服法

ここまではエンジニアにとってコミュニケーションが苦手になる原因を掘り下げ、考えられる対処法を紹介しました。ここからはもう一歩踏み込んで、自らのアクションでコミュニケーションの苦手を積極的に克服する方法について解説します。

あなどれない「笑顔」がもたらす2つの効果

第一に挙げたいのが「笑顔」を常に見せることです。表情をほぐして、自分の気持ちを顔に出せるようにしましょう。まずシンプルにいっても、笑顔はコミュニケーションにおいてとても大事であることは、皆がわかっています。
聞く相手が笑っていると、話し手としても楽しい気分で話すことが可能です。でもそれだけではありません。実は、笑顔にはあなどれない2つの効果があります。

作り笑いでもポジティブになれる?

私たちは楽しかったり嬉しかったり幸せを感じたりなどのポジティブな気持ちになると、自然と笑顔になります。実は無理して作り笑いをするだけでも、精神がポジティブに向かうことが明らかになっているのです。
笑顔を無理に作るだけでポジティブな気分になるということは、一見信じ難いと思われるかもしれません。しかし、これは科学的にも証明されているのです。
意識的に笑顔を作ることでも心から笑った時と同様に、ネガティブな感情である抑うつや疲労感の減少効果、α波の増加とβ波の減少などによりリラックス効果がもたらされるとされています。
あるいは幸せを感じる脳内物質が分泌されるともいわれ、いずれにしても気持ちが先行して笑顔になるだけでなく、笑顔が先行してポジティブな気持ちが湧く効果があります。

ミラー効果で相手もポジティブに

目の前にいる他者の行動に反応し、自分の脳内で相手と同じような感情を再現するということが「ミラー効果」と呼ばれます。
つまり、人の表情や態度、声のトーンなどは、相手に対して良くも悪くも「鏡」のように反映するとされるのです。要するに硬い表情で相手と向き合うのではなく、笑顔で向き合うだけでも、相手が感じる印象はまったく変わります。
同じ反映するなら、ネガティブではなくポジティブな感情を反映させたいものです。つまり笑顔で対峙することの大切さは、この意味からも証明されています。馬鹿馬鹿しいとは思わず、口角を上げる練習をしてみましょう。まずは自分の気分転換にもなります。
笑顔を作ることに慣れてくれば、会話も弾みやすくなり、コミュニケーションの苦手意識が徐々に消えていくでしょう。そして、まわりの人から話しかけてもらえることも増えます。

自分から積極的に話しかける

いかなるコミュニケーションも「あいさつ」からスタートします。あいさつを率先して自分から行うことを徹底すれば、やがて良質なコミュニケーションが取れるようになるのです。
実はエンジニアに限らず、このあいさつというコミュニケーションの基本が、案外とできていない人が多いといえます。
上司や同僚とすれ違う瞬間にたったひと言、優しい声で「お疲れ様です」というだけでも、良いコミュニケーションになるのです。
そしてあいさつをする事で、自ら話しかける抵抗感がなくなります。当初はあいさつだけでもかまいません。徐々にひと言ふた言、会話につなげられるようになっていきます。
エンジニアは単独作業の時間が多い分、自ら積極的に話しかけに行かないとコミュニケーションのきっかけが作りにくいという面は否めません。そのためにも、自らあいさつをすることを徹底しましょう。

多くの人と話す

コミュニケーションが上手な人は、多くの人と対話した経験があるものです。さまざまなタイプの人と語り合うことで、あらゆるパターンのコミュニケーションを理解しているといえるでしょう。
そうなれば特に意識していなくても、会話をしながら「このタイプの人にはこういう話し方をしたほうが伝わりやすい」などという考えが自然に浮かび、上手に対応できるのです。
まずは社内、社外を問わずできるだけたくさんの人と話をする機会を作りましょう。たとえわずかな時間だけであっても、きちんと向き合って会話をするだけで、相手への理解力も深まります。

相手に興味を持つ

会話をするときには相手のどんな些細なことでも、興味を持つように努力してみましょう。ただし、身体的なことに触れるのはマナー違反であることは認識しておいてください。
良識に沿った範囲で、仕事や出身地、趣味など話題が広がりそうなことを見つけてみましょう。
初対面の人にただちに興味が持てないのは当たり前ですが、会話の中で相手を知っていくと興味が湧いてくるものです。まずは多くの人に共通する観点から相手を見て、だんだんと深掘りしていくとよいでしょう。
また、相手の仕事や考え方に、共感できるものを感じたら言葉にしてください。そういう言葉を添えるだけでも、心が通いやすくなります。
また、会話の中であなたと相手の共通点を見つけることも、コミュニケーションの役に立つものです。同郷であったり同じ趣味を持っていたりすれば、マニアックな話題やローカルな話題で盛り上がれてお互いの距離も一気に縮まることでしょう。

聞き役に徹してみる

自分は話し下手で、話を振ることがどうしても難しいと感じるのであれば、いっそ徹底的に聞き役になってみましょう。必ずしも自ら語りかけるだけがコミュニケーションではありません。相手の話に真摯に耳を傾けることも、立派なコミュニケーションです。
もちろん、黙って相手の話を聞くだけではいけません。真摯に傾聴すれば、自然に「あいづち」が打たれます。それは相手からすれば、あなたがしっかりと話を聞いてくれている姿勢を感じる要素なのです。
もちろん心がこもっていない「へぇ」「ほぉ」などのあいづちは、おすすめできません。「そうなのですか!」「すごいじゃないですかあ」「なるほど……そういうことなのですね」などのような、話を聞いていることが伝わるあいづちにしましょう。
あいづちに合わせてボディランゲージ、つまり首を振ったり、驚きを表す身振りを加えてみたりするのもよいことです。
また、聞き役に徹するとはいえ、相手の話をどんどん引き出しましょう。相手が話しやすいように、自分から適切な「質問」をしてみてください。相手は話しやすくなり、また興味を持ってもらっていると感じて好感を抱いてくれるでしょう。
適度に問いかけることで相手から自然に話を引き出せれば、自分が話し下手でも、長時間の会話が苦もなく成立します。

コミュニケーション苦手なエンジニアの転職時の戦略

最後に、コミュニケーションが苦手なエンジニアでも転職活動に成功するための戦略について触れておきましょう。

面接(Web面接)は話し下手でもOK!準備で勝つ

自分は話し下手だと思っているエンジニアは、面接(Web面接も含む)に関しての苦手意識も強いのではないでしょうか。しかし心配は要りません。話し下手であろうが面接で見られる本質はそこではないのです。
企業側はあなたがどういう人材であるかの情報を求めています。たとえ饒舌であっても、あなたがどういう人かが伝わらないのであれば意味はありません。
話し下手であっても、充分な準備をして望むことで、相手が欲しい情報を伝えることができればよいのです。採用面接では、限られた時間であなたのことを見極めなくてはならないため、採用担当者も準備をして面接当日を迎えています。
あなたが準備不足であればすぐに露呈するので、面接対策は入念な準備が欠かせません。自己分析や企業研究を徹底し、自己PRや想定される質問への回答を可能な限り周到に用意しておくのです。

職務履歴書やポートフォリオは全力で仕上げる

職務経歴書やポートフォリオはエンジニアの選考において、非常に重要な判断材料となります。それまでの経験や実績、誇示できるキャリアやスキルを最大限に、かつ分かりやすく記載しましょう。
面接担当者は主に職務経歴書やポートフォリオを参考にして、質問内容を組み立てるケースが多いといわれています。
つまり、職務経歴書ならびにポートフォリオから逆算すれば、質問される内容がある程度想定できるということです。また、具体的な数字を裏付けとして挙げることも重要となります。
記載したプロジェクトに関係した人員の数や予算、開発に要した期間などの数値を挙げておくと、先方は規模をイメージしやすく、とても伝わりやすい職務経歴書となるでしょう。

エンジニアならではの分かりやすい話し方を実践

面接においては、質問に応じて相手に伝わるように答える必要があります。話し下手と感じるエンジニアは、それが心配に思うかもしれません。しかし、悲観する必要はないのです。
自分は話が下手だと感じていたとしても、エンジニアである限りは傾向として論理的な思考回路を持っているでしょう。そして「わかりやすい話し方」の本質は、伝えたいことを整理して正確に伝える論理性です。
もし情報が整理されていないと、「結論がわからない」「話がとりとめない」「脈絡がない」「ポイントがわからない」というように、わかりにくい話し方になります。
しかしあなたはエンジニアだから、情報を論理的に整理することが得意なはずです。いうべきことを頭の中で整理したうえで、論理的に伝えましょう。

ポイントは話をロジカルに整理すること

たとえ話し下手であったとしても、整理されたわかりやすい話し方ができるかどうかという意味では、人より優れている要素を持っているのがエンジニアでもあるのです。
なぜなら、コンピューターシステム自体がとてもロジカル(論理的)なものといえます。仕事でそれに携わるエンジニアは誰よりも論理的な思考ができるので、それを話し方に応用するだけです。
いわゆるわかりにくい話し方というのは、本質と関係ないことから話が始まり、だらだらと続きます。
一方、わかりやすい話し方の要諦は、冒頭に話の全体像を示唆することから始めるのです。開口一番、これから述べることのポイントを挙げましょう。
「ご質問の〇〇に関して、私が取り組んできたことを2点に絞って説明します。1点目は〇〇のために身につけたスキルに関しての説明です。2点目は〇〇を実践したときの具体的な成果を、数字を基に説明します」
こういう始まりかたをすれば、聞く側の受け入れ態勢を整えることができ、話が伝わりやすくなります。あとは項目ごとに整理した情報を簡潔に伝えるだけです。
これは一例ですが、ほかのバリエーションでも論理的に整理して話せる能力をエンジニアだからこそ持っていると考えられます。
コミュニケーションが苦手なエンジニアは、面白い話や延々と喋ることは難しいかもしれません。しかし、論理的な話し方は、ほとんどの人ができるのではないでしょうか。

まとめ

エンジニアでコミュニケーションが苦手と感じる人たちに向けて、苦手の原因と対処法、そして克服するための方法や転職活動においての戦略も紹介しました。
エンジニアに限らずコミュニケーションに難しさ感じる人はたくさんいます。ここで挙げた苦手の原因は、エンジニア以外の人にも通じるものともいえるでしょう。
コミュニケーションが苦手と感じるエンジニアのみなさんが、ここで紹介した対処法や克服法もひとつの参考にして、まわりと良好なコミュニケーションがとれるようになり、転職活動に成功されることを願っています。

Talisman編集部

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