【決定版】これで面接官の心を鷲づかみ!管理職採用面接の傾向と対策例

【決定版】これで面接官の心を鷲づかみ!管理職採用面接の傾向と対策例

転職の面接でも求めているポストが管理職クラスの場合は、面接官を経営幹部や上位管理職などのエグゼクティブが務めることが多いです。よって、一般職の面接と同じような準備では充分とはいえません。管理職の選考は、そもそも書類選考も通常より厳しく、通過率10~20%といわれています。その第一関門を突破すれば、あとはその企業のエグゼクティブが担当する面接でいかにアピールできるかがポイントです。

この記事では、管理職クラスの採用面接の質問傾向や回答のポイントおよび回答例を交えて、面接の準備や対策について詳しく解説します。

一般職とは違う管理職採用面接の質問傾向とは?

一般職の面接は、多くの場合に人事担当者や現場の責任者などが面接官を務めます。しかし募集しているのが管理職クラスの場合、一次面接から部長や取締役クラスが担当することが多いです。そのような面接での質問に共通する傾向があります。詳しく見ていきましょう。

形式的な質問ではなく具体的な質問

一般職の面接では、自己紹介や志望動機、自己PR、転職理由などの形式的な質問も多いですが、管理職採用面接の場合は少し違います。そのような、形式的な質問よりも対象業務を想定したスキルや、現場でのリアルな課題に関する具体的な質問が多いです。

そのため、面接準備としても実際の業務に関するさまざまな項目を、上手に説明できるように日頃から練習しておきましょう。

マネジメントの姿勢に関する質問

これまで経験したマネジメントについての突っ込んだ質問や、どういう姿勢でマネジメントを行ってきたかなどの質問が多いです。候補者のマネージャーとしてのイメージや立ち振る舞いから察せられる人柄を含め、求めている人材像に叶っているかを面接官は見極めようとします。

また、管理職に必要な改善能力や提案能力の有無も確認されるポイントです。過去の業務改善を行った実績について、具体例を挙げて簡潔に答えられるように準備しておきましょう。

退職理由についての質問

退職理由を尋ねられることは多いですが、それに答える場合はすべてをポジティブな表現に置き換えて伝えることが大切です。また、謙虚であることも必要で、他者や環境を退職の理由にして自分にまったく非はないという立場で話すと、マイナスの印象を与えるおそれがあります。「私にも至らぬ面があり」などと、他責ばかりでなく自責の部分も添えておくことが賢明です。

また、退職理由と志望動機が違和感なくリンクしていることが理想的でしょう。たとえば、前職ではやりたい仕事ができないと判断して退職を決意し、応募先企業ならそれができると確信し志望を決意したなどです。

ただしその場合にも、具体的な理由を突っ込まれる傾向があるので、答えられるように準備しておかなければなりません。それが伝われば、退職があなたにとっても応募先企業にとっても、前向きな決断の意味を帯びるので印象は良くなるでしょう。

応募先企業の理解の深さを見極める質問

応募先企業の事業内容やサービスをどれだけ深く理解した上で志望しているのかを試されるような質問がなされます。面接準備として、徹底的な企業研究が必要です。答える際には表面的なコメントではなく、できるだけ具体的な回答ができる準備をしましょう。

経験者であるからこそ業界の知見があり、それを活かして応募先企業で何ができるかまで語るような、深い話が期待される傾向があります。

管理職採用面接の5つの頻出質問と回答例

管理職クラスの採用面接においてよく尋ねられる5つの質問があります。ここではその頻出質問に対する回答例を紹介し、答え方の要点を解説しましょう。

チーム内の意見の不一致にどう対応しますか?

この質問では、あなたがそのような状況にどのように対処するかや、ポジティブな方向にチームを動かせるかどうかが見られます。意見の不一致は結束を不安定にしてしまって、失敗につながりがちです。そのため、チームとして高いパフォーマンスが発揮できるか、目標に向けてチームのメンバーをまとめ上げるマネージャーの資質を質問しています。

【回答例】
「メンバーの中で意見が別れる場合には、まずは全員が一歩引いて、互いの考え方を正しく理解できるようにディスカッションを進めます。その上で各意見の良い部分を活かして、皆が納得できる新案を練り上げるように促します」

チームの実績はどういう基準で評価しますか

企業が管理職に期待する役割は、データの分析に基づいてチームの生産性を高めることです。そのため、勘や経験だけで意思決定や評価をするのはNGとなります。数字の裏付けをもってパフォーマンス向上に必要な対策を施し、出た成果に対しても数字によって適切に評価する姿勢が必要です。

身内びいきにならないように、第三者の目で見ても同じ評価になる基準を持っていることをアピールしましょう。

【回答例】
「管理職はデータに裏打ちされた、生産性を高められる有益な情報を引き出すことが重要であると考えております。そのため、チームのパフォーマンスに対しては質と量と時間の3つの軸で総合評価します」

チームスタッフをどういう方法で指導していますか

優れた管理職は座して指示を与えるだけの存在ではなく、自ら積極的に動いてチームメンバーを鼓舞し、フィードバックを与えて建設的な提案をします。この質問ではリーダーシップについてのあなたの考え方や実践のスタイルを見ようとするものです。

【回答例】
「私は、リーダーとは優秀なスポーツコーチのような役割を果たすべきものだと考えております。そのためトップダウンの指示は避けて、フィードバックや対話などを通じてチームのメンバーが才能を開花させ、実力を発揮できるように努めています。メンバーのことをよく理解し、成長と向上をサポートするビジネスのコーチとして強いチームを作っていきたいと考えております」 それが伝わりやすいように、スポーツコーチなどの他の分野にたとえることで、指導の様子がリアルにイメージしてもらえるような工夫があると効果的でしょう。

チームスタッフ候補の面接はどのように行いますか

多くの企業で、チーム編成の際の参加希望者の選任プロセスに管理職が参加します。望ましい回答は、あなたがそのような立場になった場合に、チームメンバーに重視する明確な視点を伝えることです。
そして、例であるような想定外の質問などの、参加希望者が気負わない状態での素の声を引き出す工夫も交えれば、なお良いでしょう。

【回答例】
「チームへの参加希望者が、必要とされるハードスキルを備えていることはもちろんですが、ソフトスキルにも注目します。それは話す力や聴く力、書く力、ロジカルシンキング、柔軟性やきめ細かな配慮、責任感などです。面接では経験やスキルを確認する質問に加えて、考え方を確かめる質問や相手が想定外の質問もし、飾らない本音の意見や臨機応変に対応できるかなども見極めます」

プロジェクトに問題を発生させないようにするにはどうしますか

管理職にはチームの目標をメンバーに、明確に伝える責任があります。そしてクライアントが満足する品質で、なおかつ納期通りに仕事を完了させることが必要です。この質問ではあなたがどのようにプロジェクトをマネジメントし、課題を見極めるかが見られます。そして、チームが企業のビジョン実現に貢献するためにどのように指揮するかも見られるでしょう。

抽象的な精神論ではなく、具体的なマネジメントの手法や考え方を述べることが大切です。

【回答例】
「私なら、まず経営陣からチームメンバーに期待されている働きとは何かを、明確に伝えます。次に、チームが予定通りにパフォーマンスの高い仕事を、予算の範囲内で進めているかを常に確認するでしょう。そして、プロジェクトが完了するまで、常に個々のメンバーとコンスタントにコミュニケーションを取ります。こまめに評価を与え、細かい部分で違和感や不安要素はないかに注意し続けることで、問題発生のリスクを軽減させるでしょう」

管理職採用面接に向けて施すべき8つの対策

管理職採用面接には周到な準備をして臨みたいものです。施しておくべき対策は以下の8つとなります。

  • PDCAが伝わるように話す訓練をする
  • 数字を交えて具体的に話す訓練をする
  • 企業研究はIR情報と業界情報もカバーしておく
  • 企業の方向性と志望動機をリンクさせておく
  • 経営トップのインタビュー記事をチェックしておく
  • 求められる人材像に応えられる自己PRを準備する
  • 末尾にひと言加えてバランスを取る訓練をする
  • 転職エージェントを活用して、情報収集と模擬面接の練習をする

個々の対策を解説しましょう。なお、この記事の内容も合わせて読んでおけば、より対策は万全になるに違いありません。

PDCAが伝わるように話す訓練

面接官に具体性を感じてもらえるように話す方法として、PDCAサイクルが伝わる話の展開を心掛けましょう。面接で自己紹介や志望動機などの定型質問以外の突っ込んだ質問に答える際には、簡潔さは必要です。

しかし、実績や成果を概要としてまとめる答え方をすると、あなたがどこをどのように工夫して成果を上げたのかが面接官にはうまく伝わりません。どう仮説を立て(Plan)どう実行し(Do)どう検証し(Check)どう改善(Action)したかを語りましょう。面接官が幹部クラスならPDCAサイクルを回す様子が眼に浮かぶように伝わり、評価されやすくなります。

数字を交えて具体的に話す訓練

管理職採用面接の受け答えは、抽象的な語り口はできるだけ避けるために数字を交えて語るように訓練しておきましょう。そのために、過去の実績やリーダーシップを示すエピソードなどから面接でアピールしたいことを3〜5種類ほど用意しておくのが賢明です。実績の棚卸しを行って実績を数値化しておくことで、面接時に話しやすくなります。

書類で実績の興味を引くことができれば、面接で先方から訊かれることもあります。このため、応募書類にはやや強調気味で記載しましょう。

企業研究はIR情報と業界情報もカバーしておく

企業研究のためには応募先企業の公式サイトの確認は必須です。特に上場企業であれば投資家向け情報である「IR情報」にも注目しておきましょう。IR情報をつぶさに読むことで、応募先企業をとりまく市況や抱えている課題への対応を知ることができます。また、数字からくる客観的な経営状況を把握することも可能です。

そして、企業情報だけでなく業界の現況も充分に把握しておくことが必要です。応募先企業の業界内における位置付けや同業他社、応募先企業のサービスと類似したものを扱っている企業なども調べておきましょう。面接時の話題を広げる可能性が高まります。事前によく研究していることも伝わるので、入社への意欲を感じてもらいやすいともいえるでしょう。

企業の方向性と志望動機をリンクさせておく

多くの企業は今後の展開や方向性に関して、公式サイトに記載していることがあります。その内容をよく咀嚼した上で、志望動機につなげるのも効果的でしょう。例えば、以下のような発言ができます。

「御社のサイトを拝見した折に、今後の方向性として〇〇〇〇領域への事業展開が掲げられていたことに大変共感できました。それは私がいつか携わりたい分野だからです。その時点で御社に志願しようという気持ちが固まったのです」
「御社の〇〇〇〇というビジョンを実現させるためのプロセスにおいて、微力ではありますが、私がこの5年間で培ってきた〇〇〇〇〇の知見をお役に立てたいと考えて志望を決めました」

このように応募先企業の方向性を把握した上で、あなた自身の今後を絡めていくのはポジティブな評価を生むポイントになるでしょう。

経営トップのインタビュー記事をチェックしておく

応募先企業の経営トップのインタビュー記事などがあれば、できるだけ目を通しておくのも良い対策になります。多くの場合、その経営者のバックグラウンドやキャリアなどについて書かれていることがあるので、面接時に話題として生きてくるかもしれません。

あなたに経営トップと同じ業界経験や同じ趣味があるなどの共通項を見つけて、面接で話題にするのも良いでしょう。

求められる人材像に応えられる自己PRを準備する

自己PRは、応募先企業から求められるミッションやスキルを想定して準備することが大切です。企業はミッションを解決してくれそうな人材を求めて選考活動を行っています。そのため、企業の抱えている課題や事業内容の理解にもとづき、任されるであろうミッションを求人票から読み取らなければなりません。

そのうえであなたのキャリアを振り返って、ミッションの解決に結びつく自身の強みを見出しておきましょう。

末尾にひと言加えてバランスを取る訓練をする

管理職には主体性が重視されます。ただし、主体性を主張しすぎるとこだわりが強くて柔軟性に欠けると見られるリスクがあります。そのため、求められるミッションを充分に理解したうえで、主体性と柔軟性の双方のバランスを取れる発言を心掛ける必要があります。

具体的には主体性を主張する際に、受け答えの最後に柔軟性のある言葉を付け加えるとバランスが取れます。たとえば以下のように付け加えましょう。

「〇〇〇〇であるべきと考えますが、状況に合わせて適切な対策を講じます」「〇〇〇は当然ですが、それだけでなく刻々と変化する顧客ニーズに応じて戦略を微調整することも必要であると考えます」

このように、主体的な考えを述べる際に言い切りで終わらせず、最後に柔軟性を表現するひと言を足すのがポイントです。

転職エージェントを活用して模擬面接の練習をする

管理職採用面接は、ここまで見てきたように一般職の面接よりもハードルが高いと考えて臨まなければなりません。そんなときに、あなたの味方となってサポートしてくれるのが転職エージェントです。転職エージェントの目指すものは、候補者と企業の理想的なマッチングです。そのため、当然ながら応募先選びの段階から真摯に相談に乗ってもらえます。

特に管理職採用のようなハイクラスの求人は、企業も慎重なのでエージェントの方からも応募先企業にあなたの選考に関してフォローしてもらうのは、良い後押しになります。そして面接日程が決まれば、エージェントによる模擬面接によって、準備している受け答えがちゃんと本番でも淀みなく発言できるように訓練をしてもらいましょう。また、今回の採用募集背景や、採用マネージャーの情報など、エージェントならではのプラスαの情報を引き出してもらいましょう。

模擬面接の回数を繰り返すことで、ハードルが高い管理職採用面接でも、自信を持って臨むことができるようになります。

まとめ

管理職クラスの採用面接の質問傾向や回答のポイント、そして回答例を交えて面接の準備や対策について詳しく解説しました。

ハードルが高いことは覚悟しておく必要があるとはいえ、質問される傾向から尋ねられることはある程度想定できます。入念に準備さえしておけば、恐れる必要はありません。ただし、本番で頭が真っ白になるような事態を避ける模擬面接を受けるためにも、また転職活動自体の成功のためにも、転職エージェントを活用することがおすすめです。

私たちタリスマンは外資系やIT業界、金融業界、コンサルティング業界、製造業や人事関連などに強い転職エージェントとして、管理職クラスの求人も多く扱っています。管理職採用面接に関するどんな些細なことでも相談に乗りますので、どうぞお気軽にお声掛けください。

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亀田和明

コンサルタント歴:15年以上

高校卒業後に渡豪。キャンベラ大学を卒業し、外資系大手リクルートメント会社に入社。人材紹介業界でのキャリアをスタート。ファイナンステクノロジー(金融IT)、不動産、サプライチェーン、また保険チームの立ち上げや、新規ビジネス開発などに多数従事。2012年に弊社タリスマン立ち上げから参画。Fintech領域のリクルートメントに携わり、現在はIT、金融・保険・コンサルティング・製造領域の人材紹介事業を管理しております。

国内の日系企業様はもちろん外資系企業様の、CxOレベルなどのエグゼクティブからジュニア(第二新卒)の求まで、多岐にわたる転職サポートを行っております。海外での募集要件なども常時取り揃え、日本語・英語での対応が可能です。培ってきた経験をもとに採用課題に対するソリューション提案を常に心がけております。

対応言語:日本語、英語

得意な業界:IT全般、金融、フィンテック、保険、コンサルティング

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