面接で緊張しないようにするには、事前にしっかりとした対策を講じる必要があります。
緊張しすぎる人に実践していただきたい有効な対策を「面接前」「面接当日」「面接中」にわけてご紹介します。また、緊張で頭が真っ白になってしまったとき、どうすればよいかについても解説します。ぜひ面接の準備の参考にしてください。
目次
面接で緊張する理由
面接で緊張する理由が分かれば、対策を講じやすくなります。この章では、なぜ面接で緊張するのかについて解説します。
初めて話す人だから
初対面の相手と話すとき、人は少なからず緊張します。相手の性格や考え方が分からないため、どのようにコミュニケーションを取ったらよいのか戸惑うことがあります。
面接でも同じです。面接官とは初対面ですし、どのような質問を受けるのかも分からないので、緊張するのは当然と言えます。また、面接会場は、初めて行く場所なので行き慣れた場所と環境が異なることも緊張の原因となります。
転職面接は重要な場面だから
転職は人生の中でも重要なターニングポイントとなります。転職が成功するか否かで、今後の生活が大きく左右され、自分や家族にも大きな影響を与える場合があります。「絶対に失敗できない」「必ず合格したい」と強く意気込むとプレッシャーも大きくなり、緊張の度合いも高くなります。
日常会話とは違うから
面接では、自己紹介や過去の経歴、長所や短所などを話す必要があります。普段の会話とは違い、面接官に分かりやすく論理的に話す必要があるので、「上手く話せなかったらどうしよう」と考えてしまい、緊張してしまいます。
【面接前】にできる緊張対策
この章では、面接前にできる対策方法について解説します。
しっかり練習する
緊張を和らげる方法の一つはしっかり練習することです。何度も声に出して練習することで、頭の中で回答の内容を整理できるようになります。練習方法の一つとして、家族や友人に面接官の代役をしてもらい、「自己紹介」「転職を希望する理由」「長所と短所」など、面接で想定できる質問をしてもらいます。それらにスムーズに答えることができるようになるまで練習を繰り返します。
ウソの回答を準備しない
必要以上によい回答を準備しようとすると、ウソの内容を取り繕ってしまうかもしれません。しかし、それは逆効果になる可能性があります。面接官から詳細な内容を聞かれたときに、頭が真っ白になってしまったり、履歴書の内容と食い違いが起こり、ウソがばれてしまったりすることも考えられます。面接官は複数の人材を面接しているのでウソを見抜く術も持っていると考え、正直に答えるようにしましょう。
イメージトレーニングをする
緊張する場面でも場数を踏めば、過度に緊張せずに済みますよね。同じように、実際の面接の場面をイメージしてトレーニングすれば、本番での緊張の度合いを和らげることが可能です。
イメージトレーニングの一つの方法として、当日の流れを順を追ってイメージするとよいでしょう。まず、面接会場で受付を済ませて、待合室に案内される場面を思い描きます。そして、面接室での質疑応答の場面から退室までの状況をイメージします。自分が話す場面では、小さくても、実際に声に出してみるのも有効です。事前に面接会場の近くまで足を運んでみる、集団面接または個人面接なのか調べておくなど、前もって情報収集しておくとより具体的にイメージしやすくなります。
完璧を期待しない
「絶対にミスをしてはいけない」と考えると、緊張の度合いが高まってしまうでしょう。その結果、面接のときに表情が硬くなり、言葉もうまく出てこなくなる可能性があります。面接では、完璧を目指すことよりも面接官の話をよく聞くことや聞かれたことに正直に答えること、自分の人柄を見てもらうことなどを意識するとよいでしょう。
実際に、面接では上手に答えることができた人だけが採用されるわけではありません。面接官は候補者の人柄や態度、雰囲気なども見ています。「少しぐらい失敗しても大丈夫。自分らしさを大切にしよう」と考えると、過度に緊張せずに自分の強みを発揮することができます。
【面接当日】にできる緊張をほぐす方法
この章では、面接当日に有効な緊張対策をご紹介します。
会場に早めについて気持ちを整える
面接会場には早めに到着するようにしましょう。受付や待合室が用意されている企業では、面接開始の15~30分ぐらい前には受付を済ませ、待合室で自分の番を待ちましょう。受付や待合室がない規模の面接を受けるときは、5~15分前には会場に到着するのがベターです。
可能であれば、お手洗いや待合室で身だしなみチェックを行います。服や髪の乱れ、かばんや靴が汚れていないかなどを確認します。時間に追われてしまうと気持ちの余裕がなくなり、十分な準備ができないまま本番を迎えることになります。当日、何かのトラブルで予定通りに事が進まないことも考えて、余裕を持って家を出るようにしましょう。
深呼吸する
緊張すると体が硬くなり、呼吸が浅くなります。そうなると脳に十分な酸素が行きわたらず、集中力に欠け思考がうまく回らなくなる可能性があります。面接が始まる数分前に深呼吸をして、脳に十分な酸素を行きわたらせましょう。
深呼吸するときには、息を吐くことに意識を集中させます。5秒かけて鼻から吸い、8~10秒で口から吐きます。息を長く吐くことで副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。
「ゆっくり」を意識する
人は緊張すると行動や話すスピードが早くなる傾向があります。慌てて行動すると、思わぬところでつまづいてしまったり、ミスをする可能性が高くなります。また、早口で話すと言葉を噛んでしまったり、面接官とのコミュニケーションがスムーズに進まず、余計に緊張してしまう可能性があります。
そのため面接では、入室、面接官からの質問に答えるとき、退室するときなど、意識的に「ゆっくり」を心がけましょう。ゆっくり動き、ゆっくり話すようにすると、次の動作や話す内容を考えながら進めることができ、緊張も和らいでくるでしょう。
面接官の鼻やおでこに目線をずらしてみる
面接中は面接官の目を見ながら話すのが基本です。しかし、人によっては相手の目を見ながら話すのが苦手という人もいるでしょう。そんな人は、面接官の鼻やおでこに目線をずらしてみましょう。相手の目の付近に目線を向けていることになるので、相手はあなたが目を合わせて話していると感じ、違和感なく会話ができます。
また、緊張すると目線がさまよってしまうこともあるでしょう。そんな時は、一つの場所に目線を合わせるように意識し、落ち着いた印象を与えることができます。
【面接中】緊張で回答が飛んでしまった場合の対処法
しっかりと練習をしても緊張で頭が真っ白になってしまうこともあります。その際に有効な対策をご紹介します。
緊張していることを認める
頭が真っ白になって、何を言ったらよいのか分からない場合、「すみません、緊張しています」と、自分が緊張していることを認めるとよいでしょう。場合によっては面接官が、緊張していることを前提に面接を進めてくれるかもしれません。基本的に面接で緊張すること自体は、マイナス評価にあたることではない、ということを覚えておきましょう。
可能であればユーモアを加える
先に紹介したように、面接で緊張しているときは「緊張しています」と認めることも有効です。しかし、それだけでは会話が続かず、場の雰囲気が重くなることも考えられます。可能であれば、少しユーモアを交えてみましょう。例えば、「面接会場に向かう時に、緊張しないように好きな音楽を聴いてきたのですが、やっぱり緊張してしまいました」など、「ふざけている」と思われない程度のユーモアは有効です。多少のユーモアは場の雰囲気も和ませてくれるので、面接官が「どんな音楽が好きなのですか?」などと尋ねてくれて、会話の糸口になるかもしれません。
考える時間をもらう
予想していない質問を受けて、すぐに答えが出てこないときは、「申し訳ございません。少し考える時間を頂けるでしょうか」と言うこともできます。また、面接官からの質問の意図が明確に分からない場合は、「申し訳ございません。ご質問の内容は○○についてという認識でよいでしょうか?」と、答える前に時間を稼ぐのも一つの方法です。
自分らしさを忘れない
面接の最中に頭が真っ白になってしまい、どうやっても言葉が出てこない場合、最後は自分らしさを忘れず素直になることを意識しましょう。緊張で頭が真っ白になり回答が飛んでしまっても、それだけで必ずしも不合格になるわけではありません。
面接官に「自社の企業性にマッチした人材だ」「この会社で働いてほしい」と思わせることができれば合格の可能性が高くなります。面接での回答の内容に過度に固執するのではなく、自分の人間性を知ってもらうことや基本的なマナーを守ること、清潔感のある身だしなみも重要なポイントであることを覚えておきましょう。
転職面接でのマナーについてはこちらの記事で紹介しています。ご参考にどうぞ!
面接で緊張しやすい人の特徴
この章では、面接で緊張しやすい人の特徴を解説します。
完璧主義
何に対しても完璧を求めてしまう人は、面接においても「完璧に回答しなければ」と考えてしまい、過度に緊張してしまう可能性があります。普段の生活の中で完璧主義の傾向がある人は、少し許容範囲を広げる思考を身につけることで、面接での緊張の度合いを緩和できるでしょう。
自尊心が低い人
自尊心とは、自分の存在価値を認め、肯定できる気持ちのことを指します。自尊心が低くなると、「自分はどうせ合格できない」「また失敗してしまう」など、ネガティブな思考を持つようになり、それが過度の緊張につながります。自尊心を高めるためには、自分の長所を紙に書き出すことや過去の成功体験を思い出すことなどが有効です。面接で緊張する傾向のある人は、事前に自分の長所を目で確認できるように形に残しておき、それをみることで自信を持てる状態を準備しておくなどの対策を講じるとよいでしょう。
必要以上に評価を気にする人
インターネットが普及して、TwitterやFacebookなどのSNSが生活と密接している方も多いでしょう。その影響で必要以上に評価を気にしすぎる人がいるとも言われています。面接で面接官からの評価を過剰に気にするあまり、いつもの自分らしさを発揮することができず、受け答えが上手くいかないという事態になることもあります。自分がどの程度、他人からの評価を気にしているか客観的に見つめなおしてみるのもよいでしょう。
面接で緊張しにくい人の特徴
この章では、面接で緊張しにくい人の特徴を解説します。
「緊張」にはメリットもあることを知っている人
緊張することには、デメリットだけでなくメリットもあります。緊張することで集中力が上がり、パフォーマンス力が向上すると言われています。このメリットを知っている人は、面接時に緊張感を覚えても過度に動じることはありません。緊張している自分を素直に受け入れることができ、それを力に変えることが可能になります。
緊張する場面でも周りに意識を向けることができる人
面接では、要所要所で「他人から注目されている」という意識が強く働きます。その結果、緊張が高まりますが、その意識を変えることができる人は緊張の度合いをコントロールすることが可能です。
たとえば、面接会場で「自分以外の応募者も緊張しているようだ」と、他者に思考を向けることができる人は、緊張しにくい人と言えます。
転職エージェントを利用するのも一つの方法
転職エージェントを利用すると、面接に関するアドバイスをもらえることがあります。「転職時の面接ではどのような質問を受けるのか」「面接官は何に注目しているのか」など、プロの視点で事前にアドバイスを受けることがでるので、面接への緊張を解消できるかもしれません。
タリスマン株式会社では、外資系企業やIT企業を中心に転職のサポートを行っています。これまでのノウハウを活かして、あなたに役立つ転職アドバイスをいたします。将来的に転職を検討している方、面接のノウハウを知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
転職時の面接では、大なり小なり緊張するものです。しかし、面接に過度な苦手意識を持つ必要はありません。きちんとした対策を講じれば、あなたも緊張の度合いをコントロールすることができるようになります。
この記事では、「面接前」「面接当日」「面接中」に分けて、緊張対策のポイントを解説しました。ご紹介したポイントを実践して、転職を成功させましょう。