自己PRにも使える!履歴書に書く特技の選び方と記載方法とは

自己PRにも使える!履歴書に書く特技の選び方と記載方法とは

転職活動の応募書類である履歴書には、一般的に特技欄があります。選考にはあまり関係ないと思って適当に流す人もいるようですが、それはいけません。

実は特技欄は、職歴やスキル以外にもあなたの強みをアピールするチャンスです。それをみすみす逃したら、もったいないですよね。今回の記事では選考担当者が特技欄で何を見極めたいのかを説明し、特技を通してあなたの強みをアピールできる記載法について、記載例も存分に盛り込んで解説します。転職活動で履歴書を書く際に、ぜひ参考にしてください。

選考担当者が履歴書の特技欄で見極めたいこと

選考担当者が履歴書の特技欄を通して、候補者のどんなことを知りたいと考えているのかに目を向けておきましょう。

候補者のパーソナリティ

特技はその人の個性です。学歴や職歴は社会との関わり方の情報ですが、特技は極めて個人的な志向性を汲み取ることができます。選考担当者は候補者が学問や仕事以外に、どのようなことに関心があるのかからパーソナリティを見極めようとします。

例えば、エッセイを書くのが特技なら「表現力があり感受性が高い」と想像するのではないでしょうか。学生時代にスポーツ系の部活動でキャプテンをしていたなら「リーダーシップがある」ポテンシャルを感じるでしょう。一方大学は文化系の学部卒なのに工学やコンピューターサイエンスに造詣が深いと、視野が広く博識で好奇心が旺盛というポジティブな印象を持つかもしれません。また、選考担当者と同じ特技であれば、面接で話が盛り上がることも期待できます。

そうでなくとも、担当者が気になる特技であれば面接時に深掘りした質問をされる場合もあります。 そうなると、自己PRにつながる絶好のチャンスになるに違いありません。そのようにさまざまな可能性を持つので、採用圏内に少しでも近づくために特技欄には充実した内容を記載しましょう。

自社の企業風土との相性

企業に入って良いパフォーマンスを発揮するには、企業風土や社内で共有されている価値観などとの相性も大切です。選考担当者は候補者のそういう相性のチェックにも、特技欄の内容を参考にします。

たとえば組織としてのチームプレーを重んじる企業風土であれば、球技などのチームスポーツが得意な候補者に協調性があると想像し、親和性が高いと評価するでしょう。外資系に多いような個々の社員の自主性を重視する企業であれば、雪山登山に自ら周到に計画して挑戦するような人材を欲しいと考える可能性があります。

また、仕事にはストレスがつきものですよね。ワークライフバランスを保つのに役立つ、ストレスを発散できるような打ち込めるものがあれば仕事にも良い影響を与えます。そういう面からも特技欄はチェックされるでしょう。

仕事以外の興味の対象やスキル

特技欄の内容によって、候補者が仕事以外のどのような分野で知見を深めてきたのか、どんなスキルを身につけたのかなども選考担当者の興味の対象です。チェスなどの特技では、深い思考力を持っていることが伝えられます。フィッシングが特技なら、集中力があると伝えられるでしょう。

もちろん、ここでの特技は必ずしも仕事に直結する必要はありません。長く真剣に続けてきたものがあれば、実直さやストレス耐性がある人材というイメージを持ってもらえる可能性があります。

記載するのに相応しい特技を選ぶ方法とは?

特技欄に記載された内容が、ストレートに採否の決定に結びつくということはもちろんありません。しかし、応募書類の限定された情報の中で、選考担当者に会ってみたいと思わせる後押しにはなりえるでしょう。

書き方次第では、それ自体で長所をアピールできるチャンスともいえます。できるだけ書類選考を通過できるように、特技欄に記載するのにふさわしい特技を選びたいですよね。そのためには、以下のポイントを意識して選びましょう。

強みをもっともアピールできるものを選ぶ

いくつか特技と言えるものがある場合は、どの分野であれもっとも自信を持ってアピールできるものを、素直にわかりやすく記載すればよいでしょう。もちろん複数を記載することは問題ありませんが、数は2〜3個に絞って自信がある順に記載してください。選考担当者の興味を惹いた場合には、筆頭のものが面接時に話題にある可能性があるからです。

それについて深い知見があるもの

人に誇れるほど立派なものでなければダメかというと、そんなことはありません。変に構えずに、自分では地味だと思ってもそのことについての深い知見があれば、それを選びましょう。面接で特技の話になった場合、深い答えができるので心象を良くすることができます。

面接時に話題が広がりそうなもの

特技の中で希少性や話題性があって、選考担当者が面接で取り上げそうなものがあればぜひアピールしましょう。

たとえば珍しい特技といえるようなフラッシュ暗算やパルクールなどであれば、面接でおそらく質問され、盛り上がるのではないでしょうか。水墨画のような特技も珍しいので、ならなぜそれを始めたのか、どういうものを描いてきたのか、一枚描くのにどれくらい時間をかけるのかなど質問が引き出せます。

そのように、話題が広がりそうなものがあればそれを選びましょう。

求人ポストに活かせるもの

もし応募しているポストの仕事に活かせそうな特技であれば、優先して記載しましょう。具体的な知見が活きるものだけではありません。リーダーシップやマネジメント能力、チームワーク、発想力などで求人ポストに活かせそうな資質を裏付けする特技があれば記載するのにふさわしいでしょう。

特技を記載する際のポイント

履歴書に特技を記載する際に、その説明に終わらずあなたをアピールするためのポイントを解説します。

関心を持ったきっかけや理由を伝える

まずはその特技を身につけるにいたったそもそものきっかけや理由を、明確に伝えましょう。それがどのように価値観や人生観に影響しているかについても、盛り込めるならなおよいです。そういう情報から、選考担当者があなたの人柄をイメージしやすくなります。

長々と書き過ぎないこと

特技欄の内容は応募書類の中のメインではなく、あくまで補完的な情報です。興味を惹くことは意識が、そのあまり長々と書き過ぎてしまうことは慎みましょう。アピールしたい部分が効果的に伝わるように、後述する「PREP法」を取り入れて記載すると効果的です。200〜300文字の間くらいに収まるように書きましょう。

虚偽の申告はしない

記載する特技に話題性や希少性があると有効ですが、書類審査の通過のために自分を良く見せようと事実ではない特技を記載するのはNGです。

たとえ書類選考は通過できても、面接の場で選考担当者の質問によって虚偽であることはすぐに見抜かれてしまいます。やり過ごそうとしても深掘りする質問の受け答え方で確実に露呈するので、マイナスの印象を与えるだけになります。

書かないほうがいい特技もある

履歴書の特技欄は正直に得意なことを書くのが基本ですが、まれにビジネスマナー上で妥当とは言い難い内容もあります。たとえば、競馬の予想が得意であるとかや麻雀が強いなどのギャンブル系は金銭問題を連想しやすく、健全なイメージから遠ざかるのでNGです。応募企業のビジネスに関連性があれば別ですが、そうでない限りギャンブル系の特技を記載するのは避けましょう。

また、エンタメ系の特技(モノマネ・落語・漫談)などは選考担当者の興味を惹くこともあってよいですが、面接の場で「披露してください」とリクエストされることがあるので、書く場合はそれを覚悟しておきましょう。

自己PRにつなげる特技の記載方法【記載例付き】

履歴書の特技欄を活用して、あなたが持っているさまざまな強みを効果的にアピールできる記載方法を、実際の例も交えて解説しましょう。

自己PRにはPREP法の活用が効果的

「PREP法」というビジネスの現場でよく使われる文章作法があります。説得力のある文章を簡潔に作るためのフレームワークで、プレゼンや提案書、ビジネス文書などに使うと非常に有効です。このPREP法を、履歴書の特技欄の記載に応用しましょう。

一般的な特技欄のきさいであれば、おおむねその特技の内容を淡々と書く人が多いですよね。だからこそ、特技欄にストーリー性を加味して志望動機を補強する意味を持たせることで、入社意欲を伝えることができます。
また、これを習得しておけば特技欄の記載以外にも、「志望動機」「転職理由」などの記載にも、また面接での受け答え全般にも応用できるでしょう。

PREP法とは効果的な文章構成としての4段階の頭文字です。

Point:結論

Reason:理由

Example:具体例

Point:結論

各段階を解説します。

<Point:結論>
冒頭に結論を置きます。
「私の特技は〇〇〇〇〇〇です」

<Reason:理由>
次にその特技を会得するきっかけとなる理由を示します。
「中学生の時に父に連れられて観た〇〇〇〇大会での一幕が、それを学ぼうと思ったきっかけでした」

<Example:具体例>
続いて具体例や経験、持論などを挙げます。
「高校から大学でも〇〇〇〇〇〇部で技術を磨き、社会人となってからも同好の有志で運営するサークルに所属して継続的に行なっています」

<Point:結論>
理由と具体例で説得力を持たせたところで、再度結論を述べます。書類選考を通過した後の面接でのアピールを意識して、その特技に仕事を紐づける締めくくりにすると効果的です。
「X年間の〇〇〇〇〇〇経験を通して培った瞬時の判断力や集中力を、御社の基幹事業である〇〇〇〇部門に活かさせて頂きたいと望んでおります」

このようにひとつのテーマを結論・理由・具体例・結論の4段階で述べることで、簡潔かつ説得力を伴って受け手側に伝えることが可能です。

特技で自己PRする記載例

特技欄で自己PRができるようにPREP法を活用して記載した例を紹介し、記載時のポイントを補足します。

スキューバダイビング

【記載例】
私の特技はスキューバダイビングです。
高校生の頃に観た映画でのスキューバダイビングのワンシーンが鮮烈に心に残り、アルバイトで貯めた費用で夏休みなどにスクールを受講し、その楽しさに夢中になりました。
現在も長期休暇を利用して、同好の友人たちとさまざまなスポットでトライしています。その模様はSNSで発信しており、それで新たな仲間ができることもあります。
人と自然がストレートに向き合えるスキューバダイビングを通して得た自然や環境に対する畏敬の念は御社の企業理念と共鳴しており、そういう価値観を反映させゆく御社の事業に私も携わりたいと願っております。
【ポイント】
このようにSNSなどを通して特技を積極的に外に発信していることなどがあれば、積極的に記載するとよいでしょう。揺るぎない自信の表れとして、選考担当者に評価される可能性があります。

チェス

【記載例】
私の特技はチェスです。
少年時代にある映画で観たチェスのシーンが、静かに進むゲームの内側では先読みと駆け引きの熱い攻防戦であり、大変心を動かされたことがチェスを始めたきっかけです。
先を読みながら相手の戦略を想像して、全神経を最善の選択という一点に集めて対戦する緊張感がチェスの醍醐味です。
チェスの対戦で磨いてきた洞察力と集中力を活かして、御社の新しいプロジェクトを進展させるチームの一員になりたいと希望しております。
【ポイント】
ここでの「対戦感覚」のような、門外漢ではなかなかわからない当事者の内面感覚が表現できると非常にリアリティがあり、選考担当者にも説得力を伴って読んでもらえるでしょう。

書道

【記載例】
私の特技は書道です。
縁あって20XX年の〇〇〇〇〇展を鑑賞する機会があり、「書」とはこれほど人の心を揺さぶることができるのかと感銘を受けたのが興味の始まりです。
大学時代は部活動として書道に打ち込み、「書」とはバランスの美学であることがわかった頃に〇〇〇〇展などでの入賞も経験できました。
書道を通して養ったバランス感覚と感受性は、御社の手がける〇〇〇〇〇〇に活かせるものと確信しており、参加できることを望んでおります。
【ポイント】
特技に関する受賞歴などがあれば、嫌味がない程度に盛り込むと選考担当者にとって信憑性が高まるので、ぜひ記載しましょう。

料理

【記載例】
私の特技は料理です。
7年前にある料理研究家の番組を観ている中で、料理とは想像力とプロデュース力、環境対応能力などを総動員する高度なタスクであることを知って魅せられ、自分も挑戦を始めました。
隔週程度で料理仲間を集めて、持ち寄った食材で調理法のアイデアを出し合って試行錯誤をする会を主催しております。
料理の研鑽を通して培った既成概念にとらわれない着想やきめ細かいこだわりを、御社のマーケティング部門で活かせるとい確信のもとに応募いたしました。
【ポイント】
特技に関して「プロデュース力」「環境対応能力」などのビジネスに通じる概念を交えて表現すると、業務にも活かせそうだというイメージを選考担当者に伝えることができます。

フィッシング

【記載例】
私の特技はフィッシングです。
高校時代の親友が釣り大好きだったので、長期の休みの度にフィッシング旅行に誘われて行きはじめたのがきっかけです。
釣れた嬉しさだけでなく、釣れない悔しさから励む試行錯誤に意味があることを実感し、友人以上に私の方がフィッシングのとりこになりました。
フィッシングを通じて磨いた、あきらめないトライアンドエラーの精神はPDCAサイクルに通じています。何度も工夫し繰り返して挑戦する先にある喜びを、御社の新規開拓部門で体験したいと願っております。
【ポイント】
トライアンドエラーやPDCAサイクルなどの建設的な考え方と特技が密接な関係にある表現は、選考担当者に信頼感を与える要素となりえます。

キャンピング

【記載例】
私の特技はキャンピングです。
大学に入った頃に友人と行ったキャンプで、大自然の中での開放感と自分の手で生きるための行動を地道に行なう充実感に魅了され、それ以来ずっと続けています。
キャンプでは日常生活とは異なった、友人との虚飾を取り払った素朴で深い語り合いや自然と向き合う感動など、視野が広がる経験を重ねてきました。
キャンプを通して培った環境や人と真摯に向き合うスピリットを、御社のHR部門で活かしたいと希望しております。
【ポイント】
このように、特技を通して非日常で得るもので視野が広がるさまを活き活きと描けば、人間的な魅力を選考担当者に感じてもらえるでしょう。

掃除

【記載例】
私の特技は掃除です。
大学時代の寮生活で、部屋がだらしなくなって見るに見かねた当時の寮長から「部屋の状態は君の心を映す鏡だよ」と諭されたことがきっかけです。
工夫をして掃除をすると、短時間でも見違えるほど部屋が綺麗になることを経験できて、掃除への取り組みにこだわりを持ち始めました。
掃除をきちんとしていると、学業においての効率が上がることが不思議でしたが、社会人となってからは掃除と業務効率の関係を理解しています。掃除は自分の精神面を整頓するものだというのが私の持論です。
掃除にこだわることを通して得た精神と生産性の連携を活かして、御社の営業部門でパフォーマンスを発揮させて頂きたいと願っております。
【ポイント】
このように、一見特技として通用するのかわからないような身近なことでも、こだわりと持論を持っていると、選考担当者に確固たる価値観を持つ意志の強い人と評価される可能性があります。

これといって特技がない場合はどうする?

これといった特技がなくて、履歴書の記載に困る方も中にはいるでしょう。しかし心配ありません。対応できる方法があります。まず、「特になし」を避けるべき理由を確認してから、どうしても特技が見つからない場合の対応方法を解説します。

「特になし」を極力避けるべき理由とは?

欄を空欄のままで提出してはいけないので、「特になし」「特にありません」と書いて出す場合もあるでしょう。

しかしそのような記載ではせっかくの自己PRチャンスをみすみす逃す上に、選考担当者に「20年以上生きてきて、自慢できるものが何もないのか」「人間としての魅力に欠ける」などとネガティブな評価を受けるおそれもあります。そのため、可能なかぎり空欄や「特になし」などは避けましょう。

少しでも得意なものを深掘りする

特技がなければ、誰もが経験しているようなものでもよいので、少しでも得意といえるものを選びましょう。そして自分自身には書くほどのことがなくとも、その分野に関することを深掘りした考察を記載することで特技紹介の体裁を整えることができます。地味なものでも、具体的に内容を掘り下げて書くことで真実味が出ます。そして選考担当者に与える印象を良くする可能性が高まります。

たとえば、野球を特技として記載する場合は、特に記載できる実績がなくとも大丈夫です。これまでに試合の中で感銘を受けた場面の感想や、尊敬するプロ野球に関する考察を記載するのもありです。楽器を弾けるなら、それを特技としてそこから発展させて感動したアーティストや楽曲に関する、深掘りした考察を簡潔に書くのもよいでしょう。

転職エージェントに相談する

また、どうしてもこれという特技を選べない場合は、転職エージェントに相談してみることで状況を打破できる可能性があります。転職エージェントは、選考対策のプロフェッショナルです。特技に迷う場合に関しても、あなたが思いもよらなかったプロならではの発想からの助言により、適切な特技を引き出してくれるかもしれません。

私たちタリスマンも、ユーザーのみなさんの転職にかかわるいかなる疑問や迷い、悩みでも相談に乗らせていただき、真摯にサポートを行ないます。「いますぐ求人を探す」ボタンあるいは「タリスマンに転職相談をする」ボタンを押して、転職に向けてまず一歩踏み出しましょう。

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まとめ

転職活動の応募書類の中の履歴書で特技欄について、選考担当者が見極めようとすることや効果的な記載法について解説しました。

自慢できる特技があるひとはもちろん、目立った特技がないひとでも一度自分ができることをすべて振り返ってみましょう。ここで紹介した選び方で記載するのにふさわしい特技をピックアップし、PREP法を活用して記載し、書類選考通過のプラス要素としてください。

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