転職エージェントとの面談ガイド|準備・服装・質問リストで不安解消!【現役転職エージェント監修】

転職エージェントとの面談

転職活動を始め、転職サイトに登録すると、次に待っているのが「転職エージェントとの面談」です。
「面談って何をするの?」「面接と同じ?」 「何を準備すればいいかわからない」「服装はスーツ?」
初めて転職エージェントを利用する方はもちろん、何度か経験がある方も、こうした不安をお持ちではないでしょうか。しかし、心配は無用です。転職エージェントとの面談は、あなたを評価する「面接」ではありません。それは、あなたのキャリアプランを整理し、理想の未来を実現するための「キャリアの作戦会議」です。この記事では、現役の転職エージェントであるRitsuki Ichimiyaさん監修のもと、転職エージェントとの面談を最大限に活用し、あなたのキャリアを軌道修正するための「完全ガイド」をお届けします。

【最重要】面談前に準備すべき5つのこと

面談を有意義な時間にするために、最も重要なのが「事前準備」です。 「なんとなく」で受けてしまうと、エージェントもあなたの強みや希望を掴みきれず、的外れな求人紹介に繋がってしまいます。面談の価値を120%引き出すために、最低限以下の5つは準備しておきましょう。

1. 履歴書・職務経歴書(未完成でもOK)

「まだ完璧に仕上がっていないから…」と提出をためらう必要はありません。むしろ、未完成のドラフト段階で共有することで、エージェントがあなたの経歴を事前に把握でき、当日のヒアリングがスムーズになります。 「この書き方では伝わりにくい」「この実績はもっと強調すべき」といったプロ目線の添削アドバイスをもらうための「たたき台」として活用しましょう。

2. 転職理由(本音でOK)

「上司と合わなかった」「残業が多すぎた」「給与が正当に評価されていない」 こうしたネガティブな理由でも、遠慮なく本音で伝えてください。
エージェントは、あなたの秘密を採用企業にそのまま伝えることはありません。むしろ、あなたが「何を不満に感じ」「次に何を避けたいのか」を正確に把握することで、「では、次はこういう環境の企業が合っていますね」と、ミスマッチのない求人を提案できるのです。

3. 希望条件(「MUST」と「WANT」)

希望をすべて書き出したら、「絶対に譲れない条件(MUST)」と「できれば欲しい条件(WANT)」に分けて整理しましょう。

(例)

  • MUST(絶対): 年収500万円以上、勤務地(都内)、残業月20時間以内
  • WANT(できれば): リモートワーク週2日、フレックス制度あり、服装自由

すべてを満たす求人は稀です。優先順位を明確にすることで、エージェントは紹介すべき求人の「軸」を定めることができます。

4. これまでのキャリアの簡単な棚卸し

詳細な自己PRは不要です。面談は「一緒に強みを見つける場」だからです。 「どんな業務を」「何年担当し」「どんな成果(数字や工夫)があったか」を、自分なりの言葉で説明できるようにしておくだけで十分です。エージェントが質問しながら、あなたの市場価値を一緒に整理してくれます。

5. エージェントに聞きたい「質問リスト」

面談は、あなたがエージェントを「見極める」場でもあります。 「この人は信頼できるか?」「自分の業界に詳しいか?」を判断するためにも、質問を用意していきましょう。(具体的な質問例は後述します)

面談当日の服装は? 私服?スーツ?

面談は面接ではないため、服装に厳格なルールはありません。結論から言えば、私服(ビジネスカジュアル)で全く問題ありません。
ただし、迷った場合は「オフィスカジュアル」か「スーツ」を選ぶと無難です。

  • オフィスカジュアル(推奨)
    • 男性:襟付きのシャツ、ジャケット、チノパンやスラックス
    • 女性:ブラウス、カーディガン、きれいめのスカートやパンツ
    • 最も多くの人が選ぶ服装です。リラックスしつつも、ビジネスの場としての最低限のマナーを両立できます。
  • スーツ
    • スーツ着用でマイナス評価になることは絶対にありません。
    • 特に、面接にブランクがある人は、スーツで行くことで「この服装で問題ないか」をエージェントにチェックしてもらう良い機会になります。
  • 私服(Tシャツ・デニムは避ける)
    • IT業界やクリエイティブ職など、普段から私服勤務がメインの場合はラフな格好でも問題視されないことが多いです。
    • ただし、特に対面での面談の場合はあまりにラフすぎる服装(Tシャツ、短パン、サンダルなど)は避け、「清潔感」を意識した服装を選びましょう。

オンライン・電話面談の場合

現在はオンライン面談(Web面談)が主流となっていますが、その場合も、対面と同様に最低限オフィスカジュアルを推奨します。上半身しか映りませんが、襟付きのシャツを着るなど、気持ちを切り替える意味でも服装を整えましょう。電話面談の場合は服装は見えませんが、手元に「履歴書」「職務経歴書」「メモ帳」「スケジュール帳」の4点は必ず用意して臨んでください。

面談当日の流れ(所要時間:約1時間)

面談は、担当エージェント(キャリアアドバイザー)と1対1で行うのが基本です。所要時間は約30分~1時間を見ておくと良いでしょう。当日は主に以下の流れで進みます。

自己紹介・エージェントの紹介(約5分)

まずは簡単な挨拶と自己紹介。エージェント側からも、自身の経歴や得意分野についての紹介があります。

職務経歴の確認と「深掘り」(約20分)

提出した職務経歴書をもとに、「なぜこの会社に?」「具体的にどんな業務を?」「一番苦労した点は?」といった質問を通じて、あなたの経験やスキル、人柄を深掘りしていきます。

転職理由と希望条件のヒアリング(約15分)

転職理由と希望条件のヒアリング(約15分) 準備した「転職理由」と「希望条件(MUST/WANT)」を伝える重要なパートです。ここで本音を伝えることで、提案される求人の精度が格段に上がります。

転職市場の最新情報の共有(約5分)

あなたの経歴や希望を踏まえ、「今の市場では、こういう業界のニーズが高いです」「あなたのスキルなら、このくらいの年収が狙えます」といったプロ目線の情報を提供してくれます。

求人紹介(マッチするものがあれば)(約10分)

ヒアリング内容に基づき、マッチしそうな求人があればその場でいくつか紹介されます。もちろん、応募を強制されることは一切ありません。

今後の流れの確認(約5分)

今後の連絡方法(メール、電話など)、連絡を取りやすい時間帯、選考プロセスの進め方などをすり合わせます。

面談でよく聞かれる質問と「本音で答える」重要性

面談は面接の「予行演習」にもなります。エージェントは、企業が何を知りたがっているかを熟知しているため、本番の面接に近い質問を投げかけることで、あなたの回答をブラッシュアップする手助けをしてくれます。

  • 「転職を考えた具体的なきっかけは何ですか?」
  • 「これまでの仕事で、最も成果を出したエピソードを教えてください」
  • 「キャリアプランについて、3年後、5年後どうなっていたいですか?」
  • 「今回の転職で、絶対に譲れない条件は何ですか?」

これらの質問に対し、自分を良く見せようと取り繕う必要はありません。 例えば、「人間関係が理由で辞めたい」という本音を隠して「スキルアップしたい」とだけ伝えた場合、エージェントは「スキルアップ志向」の求人ばかりを紹介してくるでしょう。しかし、その転職先がまた人間関係に問題を抱える職場だったら、転職は失敗に終わってしまいます。
あなたの「本音」こそが、最適なキャリアを見つけるための最も重要な「羅針盤」となるのです。

【差がつく】面談で「絶対に聞くべき質問」リスト

面談の最後に「何か質問はありますか?」と必ず聞かれます。ここで「特にありません」と答えてしまうのは、非常にもったいないです。
この時間は、転職のプロから無料で有益な情報を引き出す最大のチャンスです。以下のような質問を準備し、主体的に情報を掴み取りにいきましょう。

<エージェントの専門性や相性を見極める質問>

  • 「〇〇さん(エージェント)は、どのような業界・職種の転職支援が得意ですか?」
  • 「私と似たような経歴の人の転職事例があれば、教えていただけますか?」

<自分の市場価値や可能性を知る質問>

  • 「私の経歴を見て、どのような企業(業界)から需要があると思われますか?」
  • 「私の強み(弱み)は、客観的に見てどのような点だと思われますか?」
  • 「この職務経歴書を見て、改善すべき点があれば教えてください」

<求人の質を見極める質問(求人紹介をされた場合)>

  • 「なぜ、この求人を私におすすめしようと思ったのですか?」
  • 「この企業の『良い点』だけでなく、『懸念点(あれば)』も教えてください」
  • 「この企業の社風や、働いている人の雰囲気を教えてください」

面談終了後の流れ

転職エージェントとの面談が終われば、いよいよ本格的な転職活動のスタートです。

  • 求人の紹介: 面談内容に基づき、エージェントがあなたにマッチする求人をメールや専用システムで送ってきます。
  • 応募・書類添削: 気になる求人があれば応募意思を伝えます。エージェントが企業にあなたを推薦し、同時に職務経歴書をより魅力的にするための添削を行います。
  • 面接対策: 書類選考が通過すれば、面接です。エージェントが、応募先企業の過去の質問傾向や面接官の情報を共有し、模擬面接などの対策を行ってくれます。
  • 面接・内定: 面接の日程調整や、内定後の年収交渉、入社日の調整など、面倒な手続きもすべてエージェントが代行してくれます。

まとめ:面談は「キャリアの棚卸し」の絶好の機会

転職エージェントとの面談は、転職を今すぐ考えている人はもちろん、「自分の市場価値を知りたい」「今後のキャリアに悩んでいる」という人にとっても、非常に有益な時間です。
忙しい時間を割く価値は十分にあります。 ただし、エージェントも人間です。あなたとの相性もあるでしょう。複数のエージェントと面談し、「この人になら任せられる」と思えるパートナーを見つけることも成功の秘訣です。
面談を「作戦会議」と捉え、あなたのキャリアをより良い方向へ軌道修正する第一歩としてください。


この記事の監修者:Ritsuki Ichimiyaさん(タリスマン株式会社シニアコンサルタント)

大手外資系人材会社を経てタリスマンに入社。2025 年よりスペインに拠点を移し、語学力(日本語・スペイン語・英語)を活かして転職希望者との長期的な関係づくりを行う。得意分野である金融に加え、ライフサイエンス領域の採用支援にも注力中。「転職には人それぞれの背景や想いがあります。その一つひとつに丁寧に向き合い、納得のいくキャリア選択ができるよう、誠実かつ親身なサポートを心がけております」

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