採用業務に資格は必要?人事担当が本当に役立つ7つの資格とは

採用業務の仕事は、資格がなくても行うことができます。しかし、関係する資格があればスキルを磨き、キャリアアップするのに役立ちます。採用業務の仕事は多岐にわたるため、「本当に役立つ資格はどれ?」と疑問に思う人も少なくありません。

 

この記事では、採用業務に役立つ資格を7つご紹介します。また、さらにスキルを磨き、キャリアアップを目指したい人に有効な資格も詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

【採用業務の役割】変化する企業人事

時代が変わるにつれて、採用業務の役割も変化します。インターネットやSNSが普及する以前は、求人広告にて応募者の募集を行い、採用するまでが採用担当者の主な役割と考えられていました。

 

しかし今では、自社ホームページやSNSなどを使った採用活動などにも注力する必要があります。また、積極的に転職活動を行っている人材だけでなく、転職潜在層と呼ばれる人材にどのようにアプローチするかも重要なポイントになっています。コストをかけて求人広告を出すだけでなく、応募者と上手にコミュニケーションを取ることや、採用後の人材にきめ細やかなサポートを提供することなども採用業務の重要な役割です。

採用業務・人事に必要な資格7選

採用業務の担当者として、本当に役立つ資格はどれでしょうか。この章では、採用業務または人事の担当者が持っておきたい7つの資格を解説します。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは国家資格に定められており、キャリアプランの設定や転職のサポートなどを行います。キャリアコンサルタントは企業の人事だけでなく、人材紹介会社や教育関連部門、大学のキャリアセンターなどでも重宝されています。相談者の悩みを聞き、進みたい方向性を共に考え、就職のサポートなども行います。職場のみならず、個人の生活習慣なども含めて総合的に相談・助言・指導を行うことを目的としており、幅広いシーンでスキルを活かすことが可能です。

衛生管理者試験

衛生管理者試験とは、労働安全衛生法で定められている国家資格です。従業員の事故や障害を防止する目的で設けられています。常時50人以上の従業員を雇用する事業所には、必ず一人の衛生管理者を置くように定められており、中小企業では需要のある資格です。受験資格には、実務経験と学歴が必要ですが、難易度はさほど高くなく、6割ほどの正解率で合格できるとされています。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、従業員の心の状態を健康に保つことを目的としています。2015年12月1日に労働安全衛生法の改正が行われ、従業員数が50人以上の企業に対して、従業員のストレスチェックが「義務化」されました。また、50人位以下の企業に対しては、「努力義務」としてストレスチェックが求められています。メンタルヘルス・マネジメント検定を取得することで、職場内で従業員がストレスを抱える要素を排除または改善することが可能です。またストレスと上手に向き合う方法や、ストレスと抱えている部下をどのようにサポートできるかなどを企業内で周知させることができます。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営コンサルティングを行える国家資格です。採用業務だけでなく、将来的に経営に関わる業務に加わっていきたい人に有効な資格です。この資格試験に合格するためには、経済政策や経済学、会計や財務などの知識が必要です。中小企業診断士の合格率は20%前後と言われており、資格を取得するためにはしっかりとした学習計画が必要です。

ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は人事や人材開発の知識とスキルを習得できる資格です。具体的には、労務管理、経理・財務管理、営業・マーケティング、生産管理、経営戦略、経営情報システム、企業法務・総務などの知識を学習します。また、自己啓発支援やOJT、Off-JTなどについても学ぶことができ、教育担当者としてのスキルを身につけることができます。採用業務に特化した資格というよりは、人事分野において幅広く活躍したい人におすすめの資格です。

人事総務検定

人事総務検定は、入社手続きや給与計算、社会保険の手続きなど、雇用や労務管理の基本的な知識を習得できる資格です。人事総務検定には1級~3級のランクがあり、2級と3級であれば、認定講座を修了すると資格を取得できます。また、人事総務検定は社会保険労務士試験の出題範囲と重複する部分があるので、社会保険労務士試験対策として受験する人もいます。人事総務検定は受験のハードルが低いので採用業務の経験が浅い人や、資格取得のための学習時間はないものの、何らかの資格を取得したいという方におすすめです。

社会保険労務士試験

社会保険労務士試験は国家資格で、労働基準法や社会保険などの法律の専門家として活躍できる資格です。社会保険労務士試験を受験するには、実務経験や学歴などの要件があります。また、毎年の合格率も5%前後と言われており難易度の高い資格試験です。しかし、この資格を取得すると、社会保険に関する書類作成や提出手続の代行業務、また労務面から企業の問題点を指摘して改善を図るコンサルティング業務などを行えます。将来的に採用業務または人事のスペシャリストとして活躍したい方におすすめです。

採用業務・人事のキャリアアップにおすすめの資格・検定

この章では、ライバルに差をつけ、キャリアアップするのに有効な資格をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

採用コンサルタント

採用業務の知識を基礎から学習したい人には、採用コンサルタントがおすすめです。企業内の人的リソースの活用方法や採用戦略の立案方法、母集団形成の方法、応募者への説明会の実施方法などを学習できます。採用業務の経験がない人でも理解しやすいように、業務フローを細かな項目に分けて学習できるようになっています。

マイナンバー実務検定

マイナンバー実務検定を取得すると、マイナンバー制度の正しい知識を学ぶことができます。マイナンバー制度は2016年から施行されており、今後もこの制度は持続することが見込まれています。企業によってはマイナンバー制度に対する理解が乏しい場合があり、合格するとスキルアップや転職に有利になる可能性があります。1級~3級までのランクがありますが、採用業務で活躍したい場合、2級以上の合格を目指すとよいでしょう。

日商簿記検定

日商簿記検定では、会計や税務の基本的な知識を習得します。1級~3級に分かれており、採用業務または人事で活躍したい場合、2級以上の合格を目指すとよいでしょう。通信スクールやテキスト、オンライン学習などを活用すると独学でも合格できる可能性があります。会社経営にかかわるお金の流れなどを勉強したい人におすすめの資格です。

外国人雇用管理主任者

外国人雇用管理主任者は外国人労働者の受け入れを行っている企業の担当者に有効です。外国人を雇用する際には、在留資格やビザなどのコンプライアンスに十分注意する必要があります。この資格では、コンプライアンス知識に加えて、文化や宗教、社会的背景の違いからくる、外国人労働者特有の問題への対処法なども学習できます。技能実習生や特定技能などの外国人を雇用している企業の担当者は、スキルアップの一環として挑戦してみるとよいでしょう。

産業カウンセラー試験

産業カウンセラー試験は心理的手法を活用する民間資格であり、従業員が抱えるメンタルヘルスの解決を目指しています。この資格試験では、傾聴のスキルを習得でき、採用面接時や従業員との人事面談など、幅広いシーンでスキルを活かせます。メンタルヘルス・マネジメントと共に注目度が高まっており、採用業務を目指す人におすすめの資格です。

採用担当者に必要なスキル

採用担当者には、どのようなスキルが必要でしょうか。詳しく解説します。

法律知識

採用業務には、コンプライアンス問題が関係します。例えば、求人募集の際に年齢や性別などを限定した条件を記載すると男女雇用機会均等法に違反する可能性があります。また給与や労働時間など、不当な労働環境で従業員を働かせると労働基準法や雇用対策法に抵触することも考えられます。コンプライアンスは「知らなかった」では済まされない問題であり、企業が法律違反を犯してしまうと、経営や売り上げ等に大きな影響を与えます。採用担当者として、法律知識は不可欠なものと言えます。

コミュニケーションスキル

応募者の人柄やスキル、経歴などを正確に把握するにはコミュニケーションスキルが必要です。Yes/Noで答える質問だけでなく、わかりやすい質問を使って相手の考えや言いたいことをくみ取る能力が求められます。また、採用業務の担当者には、広告塔として、自社を魅力的にアピールする役割が与えられることもあります。そのため、何をどのように伝えれば、効果的に相手に伝わるのかを考えながら意思疎通を図るスキルが必要です。

調整能力

採用業務の担当者は、応募者や経営陣、他部署の責任者とスケジュール調整を行う役割があります。スケジュール調整がうまくいかないと、貴重な応募者が他社に流れてしまったり、採用計画の予定が大きく遅れたりする可能性があります。自分の予定を変更して相手の予定に合わせ、重要度の高いものから計画を進めるなどの調整能力が必要です。他にも、採用者のための入社手続きや、社員研修、採用計画の情報共有など、様々な面で調整を行うスキルが必要です。

採用担当者・人事が資格を取得するメリット

採用または人事の担当者が資格を持っていると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

すぐに実際の業務に活かすことができる

資格取得のために学習している内容が、すぐに業務に役立つことがあります。例えば、採用計画の設計方法を学習した後、次に行われる新規採用者の採用計画にその知識を応用できるかもしれません。また、給与計算や社会保険の手続きなどの際に、人事労務の資格試験で学習した内容をすぐに応用できることもあります。実用を兼ねて勉強することで、学習の効率が良くなり、日々の業務もスムーズにこなすことが可能になります。

人事・採用に必要な正しい知識を習得できる

資格取得の勉強を行うと、採用計画の策定方法やコンプライアンス知識、人事労務に必要な情報など、業務遂行に必要な知識を習得できます。採用業務の仕事は多岐にわたるため、分からないことは検索するなどして、解決しなければいけません。正しい情報に基づいて判断・決定できることがアドバンテージとなり、「分からないことは○○さんに聞けばよい」など、部署内で重宝されることも期待できます。

転職・キャリアアップのときにスキルを証明にできる

転職の際、過去の業務で得たスキルを効果的に証明すれば、即戦力として働けることをアピールできます。取得した資格を提示することで、どのような知識をどれほど持っているのか、自分のスキルを可視化することが可能です。転職時だけでなく、自社内でのキャリアアップのチャンスがあったときにも、これまで積み重ねてきた学習の努力を証明することができるでしょう。

ワンランク上の採用業務・人事のお仕事を探したい方へ

採用業務のスキルと経験を生かしてキャリアアップしたい場合、人事またはリクルーターなどのポジションへの転職を視野に入れることができます。一流の大手企業への転職が可能になれば、より大規模な採用業務に携われるでしょう。

 

また、RPOコンサルタントとして活躍するという方法もあります。労働力不足や採用計画の設計等に問題を抱えている企業にアドバスを行い、問題の解決を目指します。場合によってはアドバイスだけでなく、実際に採用活動や面接にも加わり、必要な人材の獲得をサポートします。

 

タリスマン株式会社では、RPOコンサルタントを募集しています。採用業務または人事の分野でキャリアアップを目指している方、自分の可能性を大きく広げたい人からのご応募をお待ちしております。

まとめ:採用業務・人事に役立つ資格について

採用業務の仕事をするにあたって、資格は絶対に必要というものではありません。しかし、資格があれば、業務の知識を深め、対応できる範囲を広げることができます。また、転職やキャリアアップなどの際には、自分のスキルや知識を効果的にアピールすることが可能です。今回ご紹介した情報を参考にして、自分に合った資格取得を目指してみましょう。