【エンジニア志望者必見】気になる採用の現状とトレンドについて

【エンジニア志望者必見】気になる採用の現状とトレンドについて

数年来続いているエンジニアの人材不足は解消されるどころか、経済のデジタル化が進むにつれて深刻度を増しています。

それゆえ、現在もエンジニアの人材ニーズは旺盛です。実務未経験からエンジニアとしての転職を考える人、あるいはエンジニアからキャリアアップとして転職を考える人、どちらにとっても売り手市場だと言えるでしょう。

この記事では未経験からの転職志望者や現役エンジニアのみなさんが転職活動に取り組む際に、転職市場の概況をお伝えしつつ、採用において評価されるポイントをお届けします。合わせて、ハイクラスの求人を狙う方にとっては外せないような選考で重視される基準についても、解説しましょう。

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エンジニアの転職市場の現況

エンジニアの採用の現状は、完全に売り手市場です。2020年11月の職種別有効求人倍率によると、エンジニアに該当する技術系(IT・通信)は5.22倍という、その他の職種を寄せ付けない高い有効求人倍率を示しています。全体の平均1.79倍の、実に4倍近い結果となっており、エンジニア1人当たりおよそ5社の求人があるという、完全な売り手市場といえるでしょう。

出典:転職求人倍率レポート(2020年12月)

しかし、そもそも企業側としてはエンジニアの採用は難しいです。なぜなら、特にデジタルトランスフォーメーションの進行がエンジニアの採用ニーズの増加に拍車をかけていることが、採用側のハードルを高くしているからです。

エンジニアの採用トレンド:ポテンシャル採用が増加傾向

エンジニア採用手法は多岐に渡り、エージェント利用やリファラル、イベント、ダイレクトリクルーティング、求人メディアなどがあります。そうでなくとも採用競合性が高いうえに多様な採用手法が花盛りなので、採用側も必死なのです。

しかしこれだけの需要と供給の落差があるエンジニアの採用においては、企業の求める人材とぴたりとマッチするのは困難といえます。なぜなら現在、IoTやAI、ブロックチェーンといった先端技術に関して、それらに精通したエンジニア獲得の競争が苛烈を極めているものの、先端技術に関して知見のあるエンジニアの絶対数が圧倒的に少ないことが現状だからです。そこで企業がエンジニア採用全般おいてポテンシャル採用が増加しています。

たとえ、すぐ企業の望むスキルが発揮できるエンジニアでなくとも、入社後の研鑽とスキルのブラッシュアップで求める人材になることを前提に採用が行われます。そのため面接では、その応募者が自発的に研鑽する習慣があるかどうかや、最新テクノロジーや重要性が増しているフレームワークに対して感度が高いかなどもアピールしましょう。

今、エンジニアの採用条件が緩和している

採用企業側は自社の将来を考えて、応募条件を設定する必要があります。しかし条件が厳しかったり、給与面が低い設定をしたりするとエンジニアの応募者が少なくなりますよね。よって条件は緩和され、働き方も柔軟化している傾向が見られます。

育成枠やミドル層の求人も増加している

以前ではIT業界の転職に関して「35歳限界説」、つまり35歳を機に転職成功率が下がるという説がささやかれていました。 しかしこの説が、最近では見直される傾向にあります。就職氷河期などで埋もれてしまった優秀なミドル層の採用を活発化する動きがあるのです。

なぜなら、即戦力をなかなか採用できないためです。そのため実務未経験からのエンジニア志望者を募集している企業も、年々増加中です。社内でプログラミング研修を行う企業も多いので、実務経験にこだわらずにエンジニアとして採用される求人も多いです。そのため、実務未経験の場合はこのような制度がある企業に応募しましょう。

企業の働き方改革が進んでいる

また、産業界に浸透しゆく働き方改革はエンジニアにも影響を与え、企業側も働きやすさを強化する傾向が見られます。例えば最近では、リモートワークやフレックスタイム、副業OKなどの規則ができました。

コロナ禍によって加速した働き方改革により、リモートワークとフレックスタイムの有無は、多くのエンジニアが気にしますよね。優秀なエンジニアであればあるほど、合理性や生産性を重視します。会社の規則という理由で意味もなく勤務時間を縛る、生産性より非合理な慣習を重視する企業はネガティブな印象を与えます。そうすると、優秀なエンジニアは集まらないと多くの企業が考えるようになりました。

さらにいえば、副業を禁止している企業も同様に、優秀なエンジニアを採用することは難しいという考えが浸透しつつあります。このように、企業側はエンジニアの側にできるかぎり寄り添った環境を用意して、エンジニアを確保しようといています。転職を考えている方はこの現況を冷静に理解し、決して自身を安売りはせずに、興味がある企業の環境や条件よく見極めてください。そして、納得のいく転職先を探しましょう。

ハイクラス求人とヒューマンスキルの関係とは?

IT企業のエンジニアの求人の中で、マネージャークラス以上のハイクラス求人に関しては、ITスキルを持っていることはもちろんですが、それだけでは不充分です。マネージャー以上のハイクラスなポストにおいて、管理能力だけではなく自身でコードを書いたりプロダクト開発ができたりする、ハンズオン型のエンジニアスキルも求められる傾向にあります。

※通常のエンジニアが求められるスキルについてはこちらの記事で説明しています

ベンチャーやスタートアップ企業の場合は、それに加えて柔軟な適応力や創造力なども求められています。マネジメントを担う人材としては、「テクニカルスキル(業務遂行能力)」であるITスキル以外に、「ヒューマンスキル(対人関係能力)」が重視される傾向にあります。

ハーバード大学のロバート・カッツ教授は、マネージャーに必要な能力を以下の3種類に集約しました。

  • テクニカルスキル(業務遂行能力)
  • ヒューマンスキル(対人関係能力)
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)

まず、ヒューマンスキルとは何か、そしてそれがIT業界で重視される背景と、選考担当者がヒューマンスキルを判断する基準について解説します。

ヒューマンスキルとは?

ヒューマンスキルは、その他のビジネス上のスキルとは違って、深く人間性に関わるスキルです。含まれる項目としては主に以下の7つです。

  • コミュニケーション:円滑で良好な人間関係を構築する能力
  • ヒアリング:他者の意見や主張に傾聴する能力
  • プレゼンテーション:コンセプトやアイデアを他者に伝える能力
  • ネゴシエーション:交渉する能力
  • リーダーシップ:部下をまとめ率いる能力
  • コーチング:部下のモチベーションを上げる能力
  • ファシリテーション:合意形成の舵取りをする能力

ヒューマンスキルの高さは、人としての成熟度に比例するといえるでしょう。たとえば、プロジェクトマネージャーの仕事であるヒアリングや交渉、プレゼンテーションなどの対外的なアクションは内面の成熟がベースになくては力が発揮できません。

また、謙虚な態度で最後まで人の話を聞き、深く理解するという能力も不可欠です。ヒューマンスキルを磨くことにより、その人材が人間的にもビジネスパーソンとしても成長することが期待できます。

上流工程人材にヒューマンスキルが求められる背景

エンジニアの需要で、特に盛んなのは3~5年程度の実務経験があるエンジニア、あるいはプロジェクトマネージャーのように、上流工程に関われるエンジニアです。特に上流工程は、クライアントとの接点が増えるため、テクニカルスキルだけでなくヒューマンスキルも重要になります。

プロジェクトマネージャーは、クライアントの声に耳を傾けてニーズを的確に把握することや、それを関係スタッフに適切に伝え、モチベーションを維持しながら牽引する役割があります。そして人的リソースやスケジュールおよび予算などを、巧みに管理しなければなりません。決められた予算や納期を守りつつ、充分なクオリティで目的に叶う成果物を作り出すことが求められます。

つまり、単にクライアントのニーズを満たすだけでは、それ以上の拡大は期待できませんが、強固な信頼関係を築くことで先方が求めるものがより明確化し、新たな需要が生まれる可能性があります。だからこそ、クライアントに接するハイクラスの人材において、ヒューマンスキルが重視されることになります。ヒューマンスキルが高いほど、対クライアント業務すべてをより良くこなすことが可能になるのです。

選考担当者のヒューマンスキル評価の仕方

ヒューマンスキルはテクニカルスキルや業務スキルのように、実績や資格などの客観的に認識できる状態で提示することはできません。ともすれば曖昧になりかねない項目です。そんなヒューマンスキルを、企業の選考担当者はどのような方法で評価しているのかに光を当ててみましょう。

注目される面接時の受け答え

選考担当者があなたの職務経歴書に記載されている、携わったプロジェクトの規模や担当した役割から、多少なりともヒューマンスキルを推し量ることができる場合もあるでしょう。しかし、それは評価の一部に過ぎないのです。

あなたのヒューマンスキルを選考担当者が測るうえで、最も重視されるのは「面接時の受け答え」にほかなりません

たとえば、「経歴を3分間でわかりやすく述べてください」という質問があったとしましょう。あなたが自分自身の経験を瞬時に整理して体系立てた説明ができ、かつあなたのプライオリティをしっかりアピールできれば、ヒューマンスキルが高いと評価されることになります。

例えば以下のような語り口です。

「大学を卒業後に〇〇〇〇に入社し、プロジェクトに参加し始めると主にプログラミングを担当していました。(中略)しかし、20XXに〇〇〇〇〇に転職した頃、業務に直接関係がなかったクラウド技術に関して興味を抱きました。当時は現在ほどメジャーにはなっていませんでしたが、知見を深めるほどに非常に大きい将来性を感じ、進んでクラウド技術を使う新部門設立を提案して任命を受け、試行錯誤する中で市場を大きく広げることができて評価を受けました。(後略)」

このように、簡潔に自身の判断の先見性と行動力、そして結果を出した旨を過不足ない表現で伝えられると、選考担当者は良い評価を与えるのではないでしょうか。

また、職務経歴書に記載された経験や実績に関して、より具体的な内容やそれを通して得たものを尋ねられた場合に、その答え方と内容でヒューマンスキルを測られるケースもあるでしょう。

ほかには、志望動機は誰しも前もって準備しているので淀みなく答えますが、選考担当者がそこで語られた内容についての掘り下げた質問をすることがあります。その答えの深さや合理性には、あなたが持つヒューマンスキルが表れます。

このように、定番的な受け答えの準備から一歩踏み込んだ、深いところまで答えを用意しておくことで、ヒューマンスキルが高く評価される可能性があるでしょう。

まとめ

経済のデジタル化が進むにつれて深刻度を増すエンジニアの人材不足の中での、転職市場の採用状況やハイクラス求人の選考で重視されるものがどのように評価されるかを解説しました。

エンジニアや未経験で転職を志望しているみなさんにとっては、かなりの売り手市場なので、慌てずに安売りもせず、転職先を選べる良い状況であることを理解しましょう。そして、企業が求めるヒューマンスキルを持つ人材であることを上手にアピールして、納得いく転職が叶うように励んでください

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