時代はデジタルトランスフォーメーションの渦中にあり、IT関連の情報は凄まじい速さで更新されています。エンジニアにとってスキルアップやキャリアアップは、情報のアップデートなくしては叶いません。
しかしながら、膨大な情報の洪水の中から本当に適切な情報を集めることに困難さを感じる人も多いようです。この記事ではエンジニアにとって役立つ良質な情報に、効率よくアクセスする具体的な方法を紹介していきましょう。
目次
情報のアップデートは将来の立場や収入に反映する?
エンジニアとしてすでに確かなスキルを持っていて、与えられた仕事は難なくこなせている人でも、そこに安住してしまったら残念ながら将来の昇進や昇給は難しくなるかもしれません。
IT関連の情報が更新されるスピードがあまりにもはやく、現在の最新技術の1年後の価値は、もし内容がアップデートされないままであれば大幅に下がっていると考えられます。
絶えず更新される情報にキャッチアップしないで、目の前の仕事をこなすだけであれば、あなたの取り組める仕事の領域はどんどん狭まっていくと考えられるでしょう。
気がつけば後輩たちにどんどん追い越され、古いフォーマットの仕事しかできなくなりかねません。昇進や昇給どころか、降格や減給、悪くすればリストラの対象になりかねないという現実を認識してかかる必要があります。
もちろん、悲観的になるのではなく、適切な情報を常に自身の中に取り込んでいく姿勢があれば、年齢を重ねても第一線で活躍できるのが実力の世界であるエンジニアのよいところです。
ここからは、エンジニアにとって生命線となる情報収集の方法について、詳しく紹介していきましょう。
最新情報に無料で無駄なくアクセスできる4つの方法
エンジニアにとっての情報源は書籍や勉強会、講演会、スクールなどがあり、有効に活用すればもちろん役に立つものでしょう。しかし、それぞれ時間もコストも払う必要があり、多忙な中での継続が難しい場合もあります。
ここで紹介するのはほとんどが無料でアクセスできて、しかも無駄なく本質的な情報に到達できるものです。
それは以下の4つになります。
●一流エンジニアのSNSアカウントをフォロー
●リーダー企業の公式ドキュメントを閲覧
●エンジニア向けオンラインカンファレンスに参加
●良質なIT系Webメディアを定点観測
それぞれを詳しく見ていきましょう。
一流エンジニアのSNSアカウントをフォロー
IT業界の中で有名な、多くの人の尊敬と信頼を集めている一流エンジニアの多くが、SNSで情報発信をしています。彼らは最新技術やトレンドについて、惜しみなく発信しているのです。
専門分野それぞれに有名な人がたくさんいます。一度にすべてフォローするのは大変ですが、ひとりずつ徐々にフォローを増やして、情報を吸収するクセをつけていけばよいでしょう。
そういうアカウントからの発信をとにかく見逃さずチェックし続けていれば、最新技術やトレンドについて、詳細は別としても概要や概況がわかってきます。特に興味が惹かれるものは、そこから掘り下げればよいのです。
リーダー企業の公式ドキュメントを閲覧
IT業界リーダー企業の公式サイトは最新で価値ある情報の宝庫ともいえるでしょう。GoogleにせよMicrosoftやAWSにせよ、公式サイトの中で開発プロセスやクラウドアーキテクチャ、あるいは構成管理のコンセプトなどに関する解説も閲覧できます。
GCPの新しいサービスについての言及やAWSの新しいサービス、その他のフレームワークの開発状況などをこまめにチェックするだけで、トレンドに関する知識を費用をかけずにアップデートできるのです。
たとえ現職の業務にあまり関係がなくとも、今後もITに関わる限りは無駄にはなりません。そういう蓄積がやがて活かされていくのです。
エンジニア向けオンラインカンファレンスに参加
前述のリーダー企業群は、ITに携わるあらゆるエンジニアを対象に、アドミッションフリーのオンラインカンファレンスを定期的に開催しています。
それこそ最先端の技術トレンドから話題を集めるイノベーションまで、まさに旬のソリューションなどがセッションやプログラムを通して学べるのです。
場合によっては、リアルタイムで参加者の質問に回答してもらえる趣向などもあり、モチベーションは高まり、知見を大いに深めていく機会になるでしょう。
良質なIT系Webメディアを定点観測
エンジニアの情報収集の方法として効率がよくて、習慣づけるととても役に立つ方法があります。それは、IT系のWebメディアの中で洗練された信頼できる良質なものを、「定点観測」のように日々チェックすることです。
IT関連の最新で要点を押さえた情報や、掘り下げた情報が発信されているので、チェックすることが習慣になると間違いなく力がついてくるでしょう。
エンジニアの「活かせる情報源」!おすすめメディア10選
ここではエンジニアの情報源として厳選した、おすすめのメディア10選を紹介しておきましょう。
Qiita
多くのエンジニアが技術に関して情報共有する、国内では最も有名なコミュニティのひとつです。多種多様なプログラミング言語に関するリアルな情報が手に入り、また自身の持つノウハウを投稿することもできて、インタラクティブに活用されています。
無料ですが会員登録が必要です。ユーザー間の交流も盛んなので、フリーランスエンジニアには良質な人脈を築くチャンスもあるでしょう。
ライフハックとして作業環境やタスク管理に関する情報や、実際に使用されたソースコードのチェックなどもすることができます。
また、このメディアは公開ソースコードなので自由に使用可能です。よって、公開されているソースコードはすべて、エンジニアにとって貴重な共有知的財産となります。
URL:https://qiita.com/
GitHub
開発用ソースコード管理サービスサイトとして「ソーシャルコーディング」というスローガンのもとで運営されています。
公開されているソースコードの参照やバグの管理はもちろんとして、SNS機能も実装されているので、注目している人をフォローしたり、コメントを投げたりなどのコミュニケーションが可能です。
「GitHub Trending」では言語や時期を指定してリポジトリを検索できます。また、「Advanced search
も非常に便利で、単純なキーワード検索以外にもいろいろとオプションをつけて、リポジトリやソースコード、Issueを検索することが可能です。
具体的な検索方法はhttps://github.com/search/advanced に必要な項目を入力するか、検索ボックスに検索構文を入力することで実行できます。
URL:https://github.com/
StackOverflow
StackOverflowは、プログラミングに関するFAQのサイトです。プログラミング業務の中でトラブルが発生した場合、解決方法を探すために役立ちます。
海外のプログラミングに関するノウハウも掲載されているうえ、多くのソースが掲載されていて、エンジニアにとっては即効性の高いサイトです。
過去の同趣旨のQ&Aを素早く検索する機能もあり、直面しているトラブルと似た事例を探して解決する使い方に向いています。
URL:https://ja.stackoverflow.com/
TechCrunch
アメリカのニュースメディアですが、特にアメリカや日本のIT系スタートアップ企業に関する情報が充実しています。IT業界の最先端情報に効率よくアクセスすることが可能なメディアです。
メディア運営元であるTechCrunchは、シリコンバレー発のテクノロジーメディア企業なので、信頼性の高いIT関連情報を発信することができるのです。将来のキャリアイメージや、仕事の進め方のヒントが見つかるという声も聞かれます。
また、新しいサービスの裏側ではどのような技術が使われているのかの情報や、サービスを構築するプロセスにおいてのエンジニアの役割などを知ることができます。
URL:https://jp.techcrunch.com/
GIZMODE
IT産業を中心とした、ビジネスのネクストトレンド情報を収集するのに役立つアメリカ発のメディアです。
AIやロボット、ドローン、宇宙などの興味深いテーマが満載です。日本版は「メディアジーン」が運営しています。外国人記者が深く切り込んだ記事は、とても読み応えがあると評判です。
URL:https://www.gizmodo.jp/
IT Media
IT業界に携わるあらゆる人に役立つ、代表的なIT系ポータルメディアのひとつです。通常のニュースからネットで話題のニュースまで、幅広いテーマが網羅されています。
ITマーケティング的な切り口の記事も豊富です。編集の中立性が保たれているのが特徴で、高い客観性のために企画書用のエビデンスとして活用できる記事がたくさんあります。これらは、エンジニアがシステム構築提案に使える要素を持っているのです。
URL:http://www.itmedia.co.jp/
Ferret
コンセプトが「Webマーケティングに強くなるメディア」であり、ダウンロードできる資料も充実しています。資料ごとにダウンロード数が表示されているので、人気の度合いを理解したうえで取得が可能です。
「動画プロモーション」に関する情報や「ディープラーニングAI活用型リターゲティング広告」などの話題性が高いテーマにも触れています。
URL:https://ferret-plus.com/
UX MILK
ポップなデザインが特徴的なUX MILKは、IT業界に携わる人を対象にしたメディアとして、幅広い情報を網羅しています。
「デザイン」「プログラミング」「マーケティング」「テクノロジー」「ライフハック」の5つのカテゴリーに分かれていて、最新技術以外のノウハウ系の記事も充実しているのです。
URL:https://uxmilk.jp/
WIRED
扱うテーマはインターネットやビジネス、ジャーナリズム、カルチャーなどのメディアです。とりわけIT業界の現場レポートは、エンジニアにとって自身が働く職場を客観的に見る視点を与えてくれます。
URL:https://wired.jp/
GIGAZINE
2000年に山崎恵人氏が個人メディアとして開始したもので、同大な数のユーザーを抱えています。幅広い内容を扱いつつ、画像をたっぷり使用して作り込まれているのです。
エンジニア同士で盛り上がれるような話題が、相当詰まっています。イギリスのガーディアン紙に『世界で最も影響力がある50のブログ』に選ばれた実績もあるのです。
このメディアの最大の特徴は、運営者が誰にも介入されずに独自の価値観と判断でコンテンツを積極的に発信していることです。
URL:http://gigazine.net/
まとめ
エンジニアにとっての生命線である情報のアップデートに役立つ、良質な情報にアクセスする具体的な方法を紹介しました。限られた時間の中での情報収集なので、ある程度「自動的」に情報に触れることができるような生活パターンを形成することがおすすめです。
曜日や時間を決め、どのチャンネルを使用して情報に触れるかをルーティンのように確立することができれば、常にリズムよく自身の中の情報が更新されていくでしょう。
自身の業務環境や生活スタイルを俯瞰したうえで、ここで紹介した情報収集法を上手に利用して、効率よく将来のための情報のアップデートに励んでください。