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RPO(採用代行)のメリットは?人材紹介の違いも解説

近年では企業の採用手法の多様化や、慢性化する人材不足などの影響で採用業務をアウトソーシングするRPO(採用代行)が注目を集めています。
このRPOサービスを利用するメリットがよく分からない、さらには人材紹介サービスと具体的にどこが違うのかがわからないと感じる方もいるかもしれません。

今回の記事では、企業の人事担当者のみなさんに向けて、RPOのメリット・デメリットと、人材紹介の違いについて紹介します。併せて活用の注意点や業者選びのポイントも解説するので、人材確保に是非お役立てください。

RPO(採用代行)メリット&デメリットとは

さっそく、まずは気になるRPOサービスのメリットとデメリットを比較しながら見ていきましょう。

RPO(採用代行)の3つのメリット

RPOの活用には、主に以下のようなメリットがあります。

 

① 採用担当者がコア業務に集中できてミスマッチが避けやすくなる

② 採用関連業務のクオリティを向上できる

③ 採用コストを削減できる

 

それぞれを見ていきましょう。

採用担当者がコア業務に集中できてミスマッチが避けやすくなる

採用活動にはやるべきことが膨大にあります。RPOサービスなら、それを効率よくこなしてくれます。

そもそも、採用活動にはコア業務とノンコア業務があります。
前者は説明会の実施、選考面接など、採用に直接関わる重要な業務を指します。後者は求人媒体の選定や説明会の会場手配・開催、選考面接実施の計画やスケジュール調整、問い合わせへの対応、選考案内の送付、合否の連絡などの後方支援業務です。
手間がかかるノンコア業務代行を委託することで、採用担当者はコア業務にエネルギーと物理的な時間を投下することができます。
その結果、求職者ときちんと向き合った説明会や選考そのものに集中でき、適切な人材採用につながるでしょう。

採用関連業務のクオリティを向上できる

RPOは採用業務のエキスパートによって実現されます。蓄積された採用に関わる知識・情報・ノウハウを駆使して業務を進行してくれるでしょう。
従来自社で行っていた同じ業務と比べてミスも少なくなり、正確な業務になります。候補者への応対も適切でタイムリーに行ってくれるので、人材確保につながるでしょう。

採用関連コストを削減できる

自社で採用業務をすべて行うと大変時間がかかり、本来の業務もあるので仕事量が増加し、時間外労働のコストがかさみます。
しかしながらこれらをRPO導入によって解決すれば、効率よくスピーディにタスクをこなしてくれるでしょう。欲しい人材を短期間で採用するに至れば、費用は抑えられます。
また、一人採用するのに数十万円かかるといわれる現代の採用コストなので、ミスマッチがあって入社後にすぐに退職になると、企業にとって大きな損害です。
RPOの力を借りて、採用担当者が選考に集中することでミスマッチを極力避けられるのは、コスト面からも非常に大きなメリットとなります。

RPO(採用代行)のデメリット

続いてRPOのデメリットを解説しましょう。デメリットを理解しておけば、導入の検討の判断がしやすくなるでしょう。対策が打てるのであればデメリットを恐れず、RPOのメリットを活かした導入が可能になります。
RPO活用の主なデメリットは以下のとおりです。
① 認識のズレがあると失敗する

② ナレッジ・ノウハウが社内に蓄積できない

③ 内定者との関係性を構築しにくい

個別に見ていきましょう。

認識のズレがあると失敗する

自社が望む人材像についてきちんと希望が伝わっていなければ、認識のズレが生じて求める人材が獲得できなくなります。重要な要素なので、これを避けるためには伝わっているかを確認するための、逆プレゼンを行ってもらいましょう。
先方に、自社がどういう人材を求めているかを逆にプレゼンしてもらえば、どの程度伝わっているかが明白になります。万が一認識違いや過不足があれば、訂正してもらう良い機会となるでしょう。

ナレッジ・ノウハウが社内に蓄積できない

委託した採用業務の部分に関しては、基本的には自社にナレッジやノウハウを蓄積しにくいでしょう。そのため、苦手な部分はいつまでたっても改善できず、募集の度にRPOに頼りきりになる可能性があります。
丸投げするのではなく、情報共有をしつつ方法論を学ぶスタンスで活用するのが良いでしょう。

内定者との関係性を構築しにくい

RPOサービスにて面接も代行してもらう場合に、内定後に面接時に対応してくれた気心の知れた人がいないことで、内定者が不安に思うかもしれません。
不信感から内定を辞退されるようなことがあっては、大変に勿体ないことです。あるいは入社後にギャップを感じて早期退職するようなミスマッチにつながりかねません。
そのような事態に陥らないように、任せっきりにせず、自社の担当者も一緒に面接に参加して関係性を築くようにしたほうが賢明です。

RPO(採用代行)と人材紹介の違いとは

RPOとよく混同されるサービスに、人材紹介というものがあります。
これは厚生労働大臣の許可のもとに、不特定多数の転職希望者の中から不特定多数の企業のひとつを結びつけるサービスです。
企業の外部からの採用活動支援になるため、サービス内容も書類審査、転職志望者の紹介、面接日程の調整など限定的になります。
一方、RPOは企業の採用業務そのものを代行するアウトソーシングです。企業の内部に関わって事業のコンセプトや深い内容、企業風土などを理解したうえで採用活動に従事するところが特徴です。
RPOと人材紹介は、依頼主の業務を行う主体がまったく異なります。RPOサービスを提供する企業は業務自体を代わりに行う主体となり、人材紹介は業務を行う主体となる人を紹介します。

サービス内容の違い

RPOサービスでは、委託企業のスタッフの位置付けにて、委託された業務を行います。
一方、人材紹介とは人材紹介会社が独自で集めた求職者リストの中から、依頼企業が求めている人材に見合う候補者を紹介するサービスです。これは人材紹介業に属する分野で、委託募集にはなりません。
そのため、人材紹介を利用する側の依頼企業は公的な許可が不要です。サービスの質自体が、RPOとは違います。
人材紹介会社が大規模であればあるほど登録している求職者の母数が多いので、紹介できる人材の選択肢もそれに比例して多くなるでしょう。
その場合は、企業が求めている人材を見極める能力が人材紹介会社の実力を決めることになります。それと同時に人材紹介会社には、依頼する企業が提示する条件と求職者の提示する条件を擦り合わせる能力も求められるでしょう。
RPOサービスと人材紹介サービスは、その折々の目的に応じて使い分けるのが効果的です。ここからは両者の費用に対する考え方の違いを解説した上で、どちらを選ぶべきかの判断基準について触れておきましょう。

費用の考え方の違い

RPOサービスは基本的に業務委託契約であり、成功報酬型の契約ではありません。業務内容ごとに1ヶ月(あるいは1週間)いくらというように、プランに応じて費用が発生します。
一人も採用に至らなくても、決められた費用はかかってしまうのです。しかし、見方を変えれば0人でも10人でも費用は同じなので、多くの優秀な人材が確保できた場合には費用対効果が高いといえるでしょう。
一方、人材紹介は請負契約の場合が多く、成功報酬型の契約が一般的となります。採用実績1人あたりXX万円というかたちで費用がかかり、成果がそのまま報酬に反映するサービスです。

RPO(採用代行)と人材紹介どちらを選ぶべきか?

ここまでで述べたRPOと人材紹介の違いを認識した上で、どちらを選ぶべきかについては企業が求めているポストやスキルの種類によって決めるのが妥当となります。
RPOでは求人媒体に求人情報を掲載することが多いので、広範囲に情報を発信して多くの求職者にアピールできます。
求めているポストやスキルに、特に専門性がなく未経験者のポテンシャル採用も視野に入れて広く募集したい場合にはRPOサービスの活用が適しているでしょう。
一方、求めているポストは専門性が高いもので、高いスキルが必要な場合は人材紹介サービスの活用が適していると考えて良いでしょう。
人材紹介会社に登録されている多くの求職者の中から、ピンポイントで求める条件に合った人材を紹介してくれることが期待できます。
しかしながら、最近はRPOサービスを提供する企業にも、依頼企業の業界経験を積んだコンサルタントが担当することが多いため、専門性の高い分野であったとしても対応してくれる企業が多いと言えます。

しかしながら、RPOは単に導入すれば採用活動が劇的に変わるものではありません。事前の企業選定、活用後の注意点などを踏まえながら賢くサービスを利用することで、はじめてより良い採用活動を実現することができます。
RPOサービス活用時の注意点と代行会社の選定ポイントについては、以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

採用代行は違法か?その基準についてと活用時の注意点を解説

RPO(採用代行)の活用は今後さらに広まる

最近の企業の採用活動は従来の求人広告一辺倒から大きく変化し、求人サイトや転職エージェント、リクルーターの活用、リファラルやダイレクトソーシングなど多種多様な採用手法が存在しています。それらを適宜組み合わせて、採用活動を行うのが一般的です。
そのため、採用部門はこなすべき業務の項目数と量が大変多く、すべてを社内で完結させることは難しいです。そこで効率よく採用業務をこなすスペシャリストである、RPOを活用するケースが増えています。
また、社会の少子高齢化に伴う人材不足で、企業の人材確保が困難な状況が慢性化しています。内定辞退のリスクヘッジ対策など、採用部門が手を打つべき仕事がますます増えているのは間違いありません。
特に中小企業では、採用プロセスを誰かに専属で担当させるような人材配置をする余裕がないでしょう。よって、担当者は他の業務と同時進行で採用プロセスを進めることになり、その負担は大変です。
以上のような課題を抱えている企業が、求める人材の確保と労働環境改善のために、RPOを活用しており、今後も一層需要が拡大するでしょう。

RPOサービスの需要が拡大している背景については、以下の記事でさらに詳しく説明しています。

いま、採用代行のニーズが増えている理由とは?

RPO(採用代行)のメリットまとめ

いかがでしたでしょうか。RPOサービスを利用する魅了は、何と言っても担当者がコア業務に集中できるので、求職者としっかり向き合いながらより良い採用が実現できる点です。さらに、RPO(採用代行)会社と人材紹介会社は一見似ており、共通するメリットもありますがサービスの質、費用の考え方が違います。

しかしながら、近年の企業採用動向から考察すると、今後よりRPOシフト寄りの考え方が採用市場においてスタンダード化する流れになると予測されます。ぜひ今後の社内採用のあり方について、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

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